No.6 「なぜできない?なぜやらない?」

こんにちは、あーさーです。

みなさんは、小学校時代、特に困ることはなく過ごせていましたか?
私は、人前に出ることがどうしてもできませんでした。
人に見られている緊張感というわけではないのですが、
人前に出るだけで喉がキュッとしまり、声を出すことができなくなり、
勝手に涙が流れ落ちました。みなさんの学級にもいませんか?

ですから、日直という仕事が輪番で回ってくることが怖くて仕方ありませんでした。また、授業中に前に出て発表する場面や校内行事の発表会などは苦痛どころか地獄に感じていました。ちなみに、窓閉めや電気の管理、手紙を取りに行くなどといった人前に出ること以外の仕事は特に問題なくこなしていました。

短大を卒業して、講師をしていた頃に、6年生の教室に一日補欠で入りました。その日の日直が寡黙の女の子でした。当時、まだ半年しか、その学校にいなかったのですが、その半年でその子の声を聞いたことがありませんでした。
その子は、朝の会が始まっても自分の席に座ったままでした。
すると、周りの子達が「早く前に出ろよ。」「また今日もかよ!」と
一斉に責め始めました。どうやら、今までもずっと日直をやらずに他の人にやってもらっていたそうです。

後日、その様子に合わせて、「他の子も代わりにやらないという判断をしたので、無理強いはせずに私が代わりに朝の会の司会をやりました。」と伝えたところ、担任からは、その子を批判する言葉しか出てきませんでした。また、教室に行くなり、その子に「またサボったのか。」と指導を始めました。その担任の姿を目の当たりにした瞬間、昨日子ども達が平気で特定の子を一斉攻撃した理由を察しました。

私は、その子とは信頼関係どころか対話をする関係性すら築けないまま1年間を終えてしまいました。今でも、人前に出ることが苦手な子と関わったり、生徒指導で問い詰められている様子を見たりすると、この思い出が鮮明に蘇ります。

この講師経験と私自身の経験から、子ども達の「できない」「やらない」に対して、担任の憶測で一方的な指導をするということは、その子の人権を脅かすことになると学びました。

「なぜできないのか?」「なぜやらないのか?」は本人にもわからないのです。それがわからないから辛いのです。だからこそ、「どうしたら一歩踏み出せるのか?」ということを子どもの気持ちに寄り添い、ともに考えることが大切だと思います。憶測で一方的な指導ではなく、寄り添える指導を心がける先生が増えることを願います。

次回は、この経験を通して、私が実践してきた日直の仕事について綴ります。

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