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最終逃避行

全部を置き去りにした夜でした
たばこの煙が
召されるように
昇っていったのをみて
世界がまだ息をしていることを
実感しました

煌々とした、街
私が諦めた日が
祝日だった人もいる
代わりばんこの苦痛を
共有しているなんて
錯覚していました

ため息みたいに
灰が地面に落ちました
そしてすぐに
さらわれました
そんなものなんでしょう

飲めないほどに
熱かった缶コーヒーは
いつのまにか冷たくなっていました
そういうものなんでしょう

雪が降らなかったクリスマスは
一つの真理であるように感じました

たばこを灰皿に押し付けると
まだ残っていたようで
もう関係がないのに
もったいないだなんて
思ってしまうのでした


画像出典(<a href="https://pixabay.com/photos/?utm_source=link-attribution&amp;utm_medium=referral&amp;utm_campaign=image&amp;utm_content=918884">Free-Photos</a>による<a href="https://pixabay.com/ja/?utm_source=link-attribution&amp;utm_medium=referral&amp;utm_campaign=image&amp;utm_content=918884">Pixabay</a>からの画像)

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