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インドでヴィパッサナー瞑想した話

世界を旅した7か国目のインドでの出来事。

「瞑想やってみようよ!」と友達が提案してきた。

『ヴィパッサナー瞑想』というものだ。

ブッダが悟りを開いた瞑想法らしい。

詳細を調べてみる。

10日間、毎日10時間ひらすら瞑想をするという内容だ。

過酷な注意事項がさらにある。

『10日間は誰とも目を合わさず、話すことも禁止、
携帯電話も預けられ、読書、書き物も禁止』

とある。

言い出しっぺの友達は、

「誰ともしゃべれないって、私無理かも~」

とヘラヘラ笑いながら言う。

なぜ言い出したのか。

宿代が0円だったからだ。

しかも2食(軽食)付き。

確かに旅人にとってはありがたい話だ。

「無料(タダ)」という言葉にまんまと釣られ、
私たちはすぐに予約をいれていた。

施設に到着すると、アンケートのような書類を
書かされ、着替えや整容品以外のものは全て
施設に預けられた。

参加者のほとんどはインド人。

日本人は私たち2人だけだった。

1日目はオリエンテーションを受け、
翌日から瞑想修行がスタートした。

瞑想ルームでひたすら瞑想を行う。


瞑想ルーム




瞑想の方法は、今、身体に起きている感覚を感じ、
それを観察する。

蚊に刺されようが、痛みや痺れが出ようが
姿勢を変えてはならない。

ただ今の感覚を観察することに集中する。

過去や未来の出来事なども想像しない。

気温45度、クーラー、扇風機なしの瞑想ルーム。

姿勢を一切変えず、ただただ瞑想をする。

拷問だった。


ただただ感覚に集中するのは極めて困難な話だ。

様々なことを考えてしまう。

帰国したらふかふかの布団で、
クーラーガンガン効いた部屋で昼寝したいなぁ。

ゆっくり湯船につかりたいなぁ。

豪遊したいなぁ。

きれいなトイレで用を足したいな。

おいしい白ご飯が食べたいなぁ。


頭に浮かぶことは煩悩ばかり。


食事は朝食と昼食のみだが、質素なものであった。

夜はレモン水のみだ。

寝るところは、インド人の女の子と相部屋だった。

ぼろぼろのベッドで寝る。


寝るところ


シャワーはなく、蛇口しかない。

お湯もでない。

おけに水をためて、体を洗う。


体を洗うところ


1日の流れは朝4時に起きて、

それからひたすら瞑想というサイクルだ。

これを10日間繰り返した。


無料という言葉にまんまと釣られたばっかりに、
こんな修行をするはめになってしまった。

10日間の修行を終えた私たちは、
解放感と自由と欲望で満ち溢れていた。

ビィパッサナー瞑想で得たもの、それは忍耐力、
集中力だ。

瞑想の目的である、心の浄化は達成できず。

依然、煩悩だらけの毎日だ。


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