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これまで経験したフリーランスでやっていくために「受けてはいけない案件」の特徴

どうも、きりんです。

つい先日、私の元に仕事の依頼としてこんなメールが届きました。(内容は一部変更しています)


【メール内容】
はじめまして、〇〇社の求人担当の〇〇と申します! きりんさんの職歴等を拝見しまして、ぜひ弊社からも仕事を依頼させていただければと思い、お声がけさせていただきました!
きりんさんのこれまでのお仕事を加味しまして、単価についても通常より高い金額での執筆という方向で考えております。よろしければ弊社のお仕事について前向きにご検討ください。

職務内容:ソーシャルゲームの企画立ち上げからシナリオ作成
納品方法:〇〇
納品予定月:2020年5月まで成果物を毎月順次
添付資料あり
連絡手段、連絡先等々

はい。

フリーランスで活動している方ならおおよそ察しが付くかと思いますが、1番肝心なことが書かれていないんですよね。



報酬の記載がない。




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こんな顔になりましたよ、マジで。

一応、(この時点でもはや受ける気は欠片もないのですが)報酬について問い合わせてみたところ「それは引き受けてからお伝えします」とのことで。


もう2度ビックリです。


もちろんお断りさせていただきましたが、こういう案件は地雷率が激高です。報酬は安いのに何度もリテイクをさせられ、あげく納期を短縮されたり取材に行けと無茶ぶりをされたり等の地獄が待っています。

新人の頃は何度かこういった地雷案件に引っかかったことがありました。報酬が未払いで弁護士に相談したこともありました。幸い回収はできましたが仕事としては大赤字で、貯金がなければライター業をやめる羽目になっていました。

新人で仕事がないとついつい「高単価」や「安定」といった言葉につられて仕事を引き受けてしまいがちですが、注意しなければなりません。

今回はこれからフリーランスとしてやっていこう、という若いライターさんに向けて(自分への戒めもかねて)引き受けてはいけない地雷率が高い案件の特徴を紹介していこうと思います。

1 報酬について明確化されていない

先ほど私が紹介した案件ですね。芸能の仕事とかだとたまにあったりするんですが、ちゃんとした良識のある会社なら「報酬を明記せずに仕事を依頼する」なんてことはまずやりません。文面に”高額”と書いてあっても同じです。

高額案件というから引き受けてみたものの、実際に提示される段階になって「安っ」と思うこともあります。しかし会社が「高額です」と主張するケースもあるから手に負えない。

「仕事の前に報酬を尋ねるなんて失礼じゃないか?」と思っているようなフリーランスの方もいると聞きますが、そんなことはありません。むしろ報酬を提示しないで仕事を振る方が失礼ですし、ちゃんと答えられなかったり、憤慨するようなら怪しい会社である可能性が高いので、きちんと聞きましょう。

2 1文字1円以下の仕事

はい。クラウドワークスやランサーズなどではゴロゴロ見られるので、「これが普通か?」と思ってしまうライターさんも多くいますが、普通じゃありません。

0.5円以下は論外ですね。

仕事の難易度にもよりますが、資料を調べる時間なども考えると、1日8時間働いても5000~1万文字というところでしょう。1日フルに働いて最大5000円がほぼ上限で、さらにクラウドソージングを使うと手数料が引かれるわけです。とてもじゃないけど生活できません。

副業の方ならともかく、フリーランスを本業として生活していくのであれば、こういった赤字の仕事は避けるべきです。0.2円以下なんて、クラウドソージングの方で弾いて欲しいレベルです。(それを弾いてすらいないので、クラウドワークスをあまり信用していないのですが・・)

アルバイトの最低賃金以下の報酬を提示している案件は避けましょう。

3 会社の情報記載がない

会社のホームページがないのは論外です。地域密着型の商店街とかのお店ならともかく、インターネットで人とやりとりをする会社がホームページがないなんてことはまずありえません。

ホームページがあっても住所や連絡先の記載がないケースもあります。

まともな企業なら会社の住所や連絡先は必ず載せていますので、こちらも要確認です。何かトラブルがあったときに会社を問い詰めることができませんし、その会社が本当に存在するのかどうかもそもそも怪しいです。

また、例え情報があったとしてもそれが正しいかどうかはきちんと確認しましょう。

Googleマップで会社の住所を入力したら、明らかに違う会社の画像が出てきたなんていう案件もありました。

クラウドワークスやマイナビみたいな求人サイトは、基本的にそこまで詳しく審査はしていないため、自衛のために自分である程度調べるようにしましょう。

4 登録料などと称して先にお金の支払いを強要する

以前にあったケースだと「執筆開始にあたって、弊社の専門のサーバーの使用料が必要で、それが毎月8000円ほどかかる」という案件がありました。怪しかったのでお断りしましたが、ぶっちゃけよくある詐欺の手口です。

毎月案件を紹介すると言いつつ、2カ月目ぐらいから急に案件を紹介されなくなり、毎月のお金だけ取られるパターンですね。

「セキュリティ上の理由で専門のサーバーが必要」などと向こうは言っていましたが、意味不明です。そこまでセキュリティにこだわるならそもそも自宅作業なんてさせませんし、フリーランスにやらせるなんてこともしません。

機材やソフトの導入が必要だと言ってお金を取ろうとする場合も注意してください。

この手の詐欺は未だに多発するみたいなので、新人の方はうまい報酬などにだまされずに気をつけてください。

5 フリーメールや携帯電話を連絡先にしている企業

まともな企業なら会社のアドレスは取得してますし、固定電話も引いています。携帯電話からいきなりかかってくるような場合、着信拒否されたらそのまま逃げられてしまいますからね。報酬の支払い段階になって音信不通とかざらにあります。

フリーメールなんていくらでも使い捨てができるので、フリーメールで連絡してくるようなクライアントは仕事のパートナーとしてはまず論外と言えるでしょう。

6 担当者のリアクションがやたらと遅い

連絡予定日を過ぎても1週間以上もリアクションがない、質問しても放置されるようなクライアントも避けましょう。

フリーランスで働いていると、仕事のことで質問をすることもあるので、リアクションが遅いとそれが影響して納期に間に合わなくなってしまうことも。契約違反や納期の延期が起こると、報酬が引き延ばされることもあり、生活費に困ってしまうケースも発生する可能性があります。

また会社の連絡系統がうまく機能していない可能性もあって、報酬や約束事を忘れられるといったこともあります。いい加減な企業で働くのはリスクがつきまとうことは覚悟しておきましょう。

7 事前に説明されていない作業を要求される

募集内容では「記事執筆」とあり、報酬も文字単価で計算されているにもかかわらず、画像の作成(インスタグラムなどでアップロード)や貼り付け、データ入力などもさせてくる悪質な企業もあります。

お店の紹介で実際のお店にいって食事の様子を撮影するなどの作業でも交通費や料理代は報酬に含まれていないなどで、赤字になります。これは極端な例ですが、事前に説明していない作業を、採用が決まった途端に要求してくる企業もあるので、こういったところからはすぐに離れましょう。

粗悪で低単価の仕事はキャリアにはならない

たまにフリーライターの記事とかを見ていると「割安な仕事でもキャリアのために受けるべきだ」などと言っている人を見かけますが、はっきり言って間違いです。

そんなお仕事を依頼する会社にライターを育成しようなんて意識はありませんし、レベルの高いライターも集まりません。なので、ライターとしての技術やノウハウを得られることはありませんし、他の会社を受ける時でも「この人はこれぐらいの金額で仕事をしてくれるのか」と足下を見られるだけです。

そんな仕事をするぐらいなら、アルバイトをしながら自身で勉強なりブログを書いた方がよほど有意義です。時給500円の仕事を10時間するよりも、時給1000円の仕事を5時間して、残り5時間は勉強に充てましょう。

低単価の業者が未だになくならないのは、それを引き受けてしまうライターがいるという現実があります。フリーランスのライターとして食べていくためのキャリアアップの方法にはいくつかありますが、少なくとも「最低労働賃金以下の低単価から始める」というルートは、修羅の道だと覚えておく必要があります。

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