パーソナルカラーの真実

クリームまできたので、閑話休題的にメイクについて。

「パーソナルカラー」や「骨格診断」といったワードが、この数年でとても一般的なものになりました。「私、イエベ秋なんです」とか、「イエベ秋だけど、別のところでは春って言われた」などなど。私自身は有資格者ではないし、その道の理論があり、プロフェッショナルな方がいるので、きっとある程度は合っているんだろうな〜とは思います。

職業柄、ヘアメイクさんにたくさん取材してきましたが、いつも「似合わない色はない」「似合うように調整すればいい」「失敗してもいいから挑戦して見つけて」という話を聞きつづけてきました。もちろん、似合わせるためのスキルをプロの方々は持っている、というのはありますが、最近の読者さんを見ていると、「似合う」を人任せにしている人が多いみたい。「好き」な気持ちを貫くとか「似合うように工夫する」とか、そういったプロセスをすっとばして、「私に何が似合うと思いますか?」とプロに聞くそうです。個人的には、いきなり他人に任せちゃう感じでいいのかな?と心配になります。それを聞かれたとき、プロのみなさんは「あなたのすべてを知っているわけではないから、答えるのは難しい」と感じるそうです。

また、「⚪︎ ⚪︎さんがおすすめしていたからこのアイテムを使っている」と多くの方が言いますが、私はいつも「⚪︎⚪︎さんとあなたの顔は違うんじゃないかな?」と思ってしまいます。参考にするのはとてもよいことだけど、たぶん自分なりのフィルターを加えて使ったほうがより楽しいはず。例えばアイシャドウだったら、トライしたい色を似合わせるために、いつものアイシャドウと混ぜちゃうとか。売られている製品はあくまで“提案“であって、その通りに使わなきゃいけないなんて決まりはありません。実際、プロの皆さんは、結構いろんなアイテムを混ぜたりしていますね。

雑誌を作っておいてなんですが、雑誌で説明されているメイクの仕方をそのまま真似するよりも、少し自分仕様にアレンジするとよりよい仕上がりになると思っています。コスメに使われるんじゃなくて、自分が主導権を持ってコスメを使いこなし、思い描いたルックに近づける。日々メイクをする時に、今日はちょっと眉頭を1mm内側にしてみようとか、今日はアイシャドウを塗る順番を逆にしてみようとか、そういうちょっとしたトライを続けることが精度を高めるんじゃないかな、と。失敗したくないと思って安全なところばかり進むよりは、ちょっと失敗しても経験値を積んだほうがメイクが面白くなります。他人はあなたのことをそこまで真剣に考えていないし、メーカーさんも漠然と多くの人を対象にしたアイテムを作っているから、やっぱり最終的には、「自分の目を磨くこと」「自分を理解すること」「試行錯誤して自分でよく考えること」が大事なのではないでしょうか。

本当の意味で、鏡の中の自分の顔を見ているのかどうか。ちゃんと姿見で、他人から見た自分の姿を想像しているのか。もちろん私自身、人のことを偉そうに言える人間では決してないのですが。少なくとも、自分で自分のことを研究して、模索して、それなりに自分が納得いくようにすることで、自己肯定感を上げて満足すること、幸せだと思える姿にすることが、メイクの意義なのかな〜と思っています。

個人的には、「好き」を貫いているほうが好きです。いわゆる「トレンド」は片目、もしくは薄目でぼんやりチェックするくらいに。よっぽど自分にあうトレンドなら取り入れて、そうでなければ完全にスルー。全力でキャッチアップしちゃうと、「みんなと一緒の自分」になってつまらなくないですか?一応チェックはしておいて、世の中のムードから逸脱しないくらいが気分です。

日本人は人と違うことを恐れますが、そんなにみんな他人のことを見ていないので、自分のやりたいことをもっと表現するほうが楽しいと思います。私自身は、一度限りの人生なので、やりたいと思ったことはすべてやって(たいがいのことは、トライしてもそこまでリスクがないことばかり!)、常に後悔しないように暮らしています。




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