kirikoの童話「きつねのおまつり」
みなさん、こんにちは。kirikoの童話へようこそ。
今日のお話は「きつねのおまつり」です。
主人公のわたしとおともだちのひろえちゃんは、年に一度のきつねのおまつりに出ることになりました。
テンツク、テンツク、テンテンテン。
たいこをたたいておまつりがはじまりました。
ここからはお話のはじまりです。
楽しんでよんでくださいね。😊
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わたしとひろえちゃんは年に一度のきつねのおまつりに出るの。
今日はじんじゃでそのれんしゅう。
きつねのおまつりは、むかし、むかし、けがをした村のおひゃくしょうさんをきつねがたすけてくれたので、村の人たちがそのおれいに毎年おまつりをしてるんだって。
わたしとひろえちゃんはおまつりに出るのはじめてなんだ。
わたしがきつねのおまつりに出たいっておばあちゃんにいったらね、
「それじゃ、おまつりの音にうかれて、きつねもやって来るかも知れないよ」
おばあちゃん、笑いながらそういったの。
「ほんと?」
わたしは一度でいいからきつねにあいたかったの。
だって、おばあちゃんはきつねにあったことがあるんだよ。
おばあちゃんが子どもの時、タイコがじょうずにたたけなくて、そしたらね、
子ぎつねがおばあちゃんの前にひょっこりあらわれて、おしえてくれたんだって。
でも、その子ぎつねがすぐにいなくなっちゃったからおれいがいえなくて。
おばあちゃん、その子ぎつねにおれいがいいたくて、次の年も次の年もまってたんだけど、あえなかったんだって。
わたしがおばあちゃんにあいたい? って聞いたら、おばあちゃん何もいわなかったけどあいたそうだった。
おまつりは夜にはじまるの。
夜のじんじゃってちょっとこわい。
わたしはおけしょうをして、きつねのお面をななめに頭にのせたの。
ずつとれんしゅうしてきたけど、ちゃんと出来るかしんぱい。
ひろえちゃんといっしょなら大丈夫って思ってたけど、まだ来てないんだ。
きんちょうして、体がぶるぶるふるえて来た。
(早く来てよ)
そしたらね、きつねのお面をかぶったひろえちゃんがやっと来たんだよ。
「もう、おそいよ。来ないかと思っちゃった」
わたし、きゅうに安心しちゃった。
ひろえちゃんが来たら、すぐしゅっぱつする時間になったの。
二人ならんでテンツク、テンツク、テテテンテンってタイコをたたいて歩いたんだよ。
ヒロエちゃん、とてもタイコがじょうずだったの。
あんなににがてだっていってたのに。
きっと家でいっぱいれんしゅうしたんだね。
わたしね、ひろえちゃんにタイコがにがてだったおばあちゃんが子ぎつねにタイコのたたき方をおしえてもらった話をしたの。
そしたらね、すごくおどろいたみたいにわたしの顔をみたんだよ。
ひろえちゃんもきっとしんじられなかったんだね。
わたしだってまだしんじられないもん。
おまつりがおわったら、お友だちをよんでおいでっておばあちゃんにいわれてたから、家につれて来たの。
「今日はきつねのおまつりだから、おいなりさんよ」
おばあちゃんはそういっておさらにのせたおいなりさんをひろえちゃんにわたしたの。でも、ひろえちゃんったらお面をかぶったままちっとも食べようとしないの。
「どうしたの?」
わたしが聞いてもお皿を持ったままだった。
「そうだ、のみ物がいるよね」
そういって、おばあちゃんがよっこらしょって立とうとしたから、
「いいよ、わたしがもってくる」
わたし、そういってキッチンへいったの。
そしたらね、テンツク、テンツク、テテテンテンってタイコの音がしたんだよ。
わたし、ひろえちゃんがおばあちゃんにタイコをたたいて見せてるのかなって思って見たらね、きつねがたたいてたの。
おばあちゃん、そのきつねを見てとてもなつかしそうだった。
きっと、おばあちゃんにタイコをおしえてくれたあの時の子ぎつねだ。
わたし、二人っきりにしてあげようと思って、そっとキッチンにかくれたんだ。
でもね、きゅうにタイコの音がしなくなったの。
どうしたのかな? って思って見たら、きつねがいなくなってて、おばあちゃんはこたつでねむってた。
おばあちゃん、うれしそうな顔してたんだ。
あれってゆめだったの?
次の日、学校でひろえちゃんに聞いたら、おなかがいくなって行けないて、なんどもでんわしたけど、つながらなかったんだって。
それも、あのきつねのしわざ?
おばあちゃんにあいたかったから?
わからないけど、わたしはそう思ってるの。
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さいごまでよんでいただき、ありがとうございました。
どうでしたか?
童話の世界には多くのきつねの話が出てきます。
それだけ身近な動物なのかもしれませんね。
このお話を通して少しでもみなさんの心に届いたらうれしいです。
では、また次のお話でお会いしましょう。😊
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