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短編小説集

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私の書き下ろした短編をまとめたものになります。
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2020年11月の記事一覧

【ショートショート】オフィーリアの花冠

 指先で白い胡蝶蘭の花びらのふちをなぞる。  柔らかに見えるその花びらも、中には葉脈がし…

66

【短編小説】綿帽子、夜に揺れる。

 僕らはいつから隔たりを作ってしまったのだろうか。  薄いビニールが1枚、僕らの姿を滲ませ…

28

この小さな世界の、小さな台所に、俺とビールと深夜の焼肉。

 俺はふと、小腹がすいた。  いや、お腹の虫の鳴き声を聞く限り、それは小腹どころの騒ぎで…

28

【ホラー短編小説】灰の降る夏

   十七歳の夏、僕は初めて人を殺した。  夏は人を惑わせるというが、それはあながち間違…

32

夜の女王のアリア

   私は夜を貸した。  紛れもない、もう一人の私に。  最初はそんなつもりなんてなかった…

25

ふわふわり。

 ふわふわり。  私は竹の香りに誘われて、気づけば神奈川県の鎌倉駅を降りていた。  タク…

20

ショートカットに花束を。

   私は昨日、髪を切った。  耳が出るほど短くて、後ろ髪は刈り上げて。  なんだか後ろめたかったものが、全て無くなったようにも思えた。  ラズベリーの香りのワックスで、くしゃくしゃと髪を散らかして、少しだけ前髪を整えてみたりして。  無造作ヘアなんて洒落た髪型の憧れが叶い、私は思わず歓喜した。  白シャツに黒のスリムジーンズで、紺色のコンバースの靴紐を結ぶ。  誰もいない部屋に、「いってきます」と呟き、私は慌てて外へと飛び出した。  今日はなんだか風が気持ちよく感じる