見出し画像

合同会社設立 設立費用が安い理由を紹介します

司法書士・行政書士の桐ケ谷淳一です。

はじめに

前回の「はじめに」でも触れましたが、東京商工リサーチによると、昨年の合同会社の新設件数は36,934社。

ここ数年で合同会社の設立件数は増加傾向にあります。

なぜ、合同会社の件数が増えているのかを今回は考えていきましょう。

合同会社の設立件数が増加している要因は?

やはり設立費用が安いのが魅力

合同会社の場合、株式会社と比べて設立費用が安いのが一番の魅力と言われています。

設立手続についても、あなたが思っているほど複雑ではないというのも大きいでしょう。

株式会社と比べてみましょう。

例えば、資本金の額が100万円の会社を設立するとしましょう。

株式会社の場合、税率が資本金の額の0.7%を乗じた額ですが、15万円に満たない場合は15万円です。

なので、資本金の額が100万円の株式会社の設立の場合は、登録免許税は15万円です。

一方で、合同会社の場合は、税率が資本金の額の0.7%を乗じた額ですが、6万円に満たない場合は6万円です。

なので、資本金の額が100万円の株式会社の設立の場合は、登録免許税は6万円です。

登録免許税だけでも9万円の差が出てきます。

なので、どうしても費用を安く抑えたい方は合同会社を設立する傾向にあるのでしょう。

定款の認証が不要は魅力だが…

株式会社の場合、会社の根本規則である定款の認証が必要です。

これは公証役場に行くか電話会議システムを用いて定款の認証手続きを行います。

株式会社設立に際しては定款認証がないと、効力が生じません。

費用もかかり、資本金の額により異なりますが、3~5万円程度、定款認証の謄本取得費用として2,000円ほどかかります。

一方で合同会社の場合は、公証人の定款認証が不要です。

ということは、定款認証の費用がまるまるかからないということでコストを安くすることができます。

しかし、個人的には、定款認証がない分、定款作成については自己責任で行う必要があると思っています。

合同会社の場合は定款に必ず盛り込むべき条項があり、それがないと設立後の運営に影響が出てしまうことがあります。

株式会社の場合、定款認証の前に公証人から定款チェックをしてもらえるので、条項修正など法的効力の面から効果的です。

それが合同会社の場合はできないので、いくらネット上の雛形定款であっても、自己責任で対応しないといけないところが費用を安く済む分デメリットになります。

できれば合同会社は専門家に依頼したほうがいいです。

まとめ

今回は、合同会社の設立の際の費用について、株式会社と比較しながら書いてみました。

特に定款認証の件については、公証人の認証がいらない分自己責任を伴うことを意識するといいでしょう。

不安であれば、専門家のアドバイスを聞くことをおすすめします。

ここから先は

0字
現在は期間限定で全記事無料で見ることができます。溜まってきたら有料にしますので、この機会に是非!

合同会社って聞いたことがあるけど、どんな会社形態なのか。 そもそも合同会社はどんな人が向いているのか。 このマガジンは「合同会社」に特化し…

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?