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【短編】「緑をたいせつに」(超電戦隊プラズマン)

長官 「諸君。残念な知らせだ。不況による制作費削減のため、急遽君たちの中のひとりをリストラしなければならなくなった」
全員 「えーっ!!」
  「それは来月から我々が4人チームになるということですか?」
長官 「そうだ」
全員 「…………」
  「私はリーダーです。私なしに戦隊は成り立たない。それに、過去マイナーチェンジはあっても、赤のいないチームなど存在しなかった」
  「リーダーの補佐役は必要だ。熱苦しいヤツの隣には俺みたいなクールガイがいなけりゃ、バランスとれねえだろ?」
  「紅一点、女の子のあこがれを忘れてもらっちゃ困るわ」
  「ムードメーカーも必要たい。食べる量は減らしますけん、置いてつかーさい」
  「じゃ、決まりだな」
  「えっ!? ちょっとまって下さい。僕にだってちゃんとした役割が…」
  「何だい?」
  「……チエノワがとくい」
  「いらねーな」
  「でっでも緑ってエコなカラーだし、これからもっと注目される色だと思うし…」
  「アオとおいどんをあわせると緑になるたい」
  「決まりだな」
  「でもまだ出演契約が……くそう契約不履行で組合に訴えてやる!」
長官 「それはまずい! いい手はないものか。訴えられずに制作費を削れるなにかうまい手は……」



新シリーズ「超電戦隊プラズマンとグリーンジャイアント」は、 ただ巨大化した緑にほかの4人が乗って戦うという大胆な設定で一部マニアの注目を集めたが、 同名製品を扱う缶詰会社からクレームが来たり、 変形も合体もしない緑のおもちゃが全く売れなかったりで 路線変更後わずか十三話で打ち切り。伝説のカルトシリーズとして特撮ヒーロー史に名を残すこととなった。 諸君。くれぐれも緑は大切に。


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