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満月と新月、そして海。(卓上KIRIE ART)

満月、新月、海のモーフは、作品にするにはとてもやりがいのある、神秘的な世界。私が最初にこれらのモチーフに取り組んだのは、西麻布にあるフランス料理屋、フレンチモンスターさんとのコラボがきっかけ。


徳島産の食材を中心にフランス料理店を展開しているフレンチモンスターさんから、


「鳴門の渦潮は、満月と新月の日にその渦が大きくなる。地元の人たちにとっては『当たり前』すぎるその神秘的なエピソードを、外の人たちはほとんど知らない。そんな月と海のモチーフを、コラボレーションで作りませんか?」


そうおっしゃっていただいたのが始まりでした。


月や海のモチーフは、あらゆる作家さんにとって、作品にしがいのある普遍的なテーマとも言えると思いますが、「月」は、私にとってもある意味が込められていました。



私の祖父は、古美術商を営むと同時に、フランス料理店を経営していました。その建物全体のロゴマークは、三日月を三つ並べたものでした。当時3つの事業(古美術商、インテリア部門、フランス料理店)を経営しており、各部門を一つにまとめた形でもあったのですが、その根底には、「三日月は、やがて成熟して満月になる」という、まだ欠けている現状に真摯であれ、という意味もありました。


常に本物を求める祖父にとって、何かを成し遂げてもなお、そこに安住せずにさらなる高みを目指す一方、何かを目指すには、常に誰かと共にあって、個人や組織の希望や思いがそこにつめられてこそ、ということをとても大切にしていました。     


これまで、月をモチーフにした作品を作るということを考えたこともなかったですが、お話をいただいたのがフランス料理屋さんだった、ということも、何か運命なのかもしれないと思い、「月と鳴門の渦潮」のテーマで、まずは小さなジュエリーを作るところから始まりました。


昨年末は、久々の個展をさせていただいたのもあって、そこから、月モチーフでも大きな作品に取り組みたいと思うように。その初めの一歩として、この「卓上KIRIE ART」で、月と海のモチーフをいくつか作りました。それぞれに小さなセンテンスを添えていますが、少しづつ、「人生そのもの」と思えるような言葉のかけらを集めています。



「雲間から見えた満月」

大空を見上げると、雲の間から一瞬満月が見えた。

そしてまた、雲の中へと消えていった。


「枝葉から見えた満月と渦潮」

樹木の葉っぱから満月の光が見えた。
満月の日には、何か神秘的なことが起こる。
鳴門の渦潮も、そんな神秘的な出来事の一つ。


「満月と渦潮」

満月の日には、何か神秘的なことが起こる。
鳴門の渦潮も、そんな神秘的な出来事の一つ。


「闇と月と影との関係」

過去はブッラックホールに似てる
近づきすぎると取り込まれて消えてしまう

「The Girl in the Spider's Web」の映画の中で少年が言っていたっけ。ふと気がつくと、漆黒の闇が月をのみこもうとしている。海に映った月の影が、それを引き戻す。そうして、月と影との関係は、終わりのないものとなる。


「月と惑星と引力と」

引力は、静かに海を揺らす生命のゆりかご。
いきとしとしいけるもの全ての命の物語のゆくえは、
そのゆりかごのさじ加減次第。


「満月と新月

満月の日と新月の日はどこか似ている
表と裏は表裏一体


「輝きのかけらを照らして」

「ずっと独身でいるつもり?」の映画では、結婚をして子供もいて温かい家庭の中にいる人、独身でお一人様を満喫している人、パパ活港区女子として充実した日常を過ごす人、これから結婚を控えている有名ライターな人が出てくる。皆、キラキラしている。

ように見える。

でも本当は、一人の女としての孤独と寂しさを抱えている。そしてそんな寂しさには、等身大の自分を受け入れることこそが最も大切と気づかせてくれる。乗り越えた時、本当にキラキラした自分に出会えるから。


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