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未来像を描くということ

生成AIがアツい。とにかくここ3週間くらいはずっとこれからの社会とAI技術と教育について夢想しまくっている。こんなにポジティブな未来像が描けたのは久しぶりかもしれない。
こうなってみると Covid-19 のパンデミックは AI 世界が到来するための試練だったのかもしれないとさえ思えてくる。

そういえば、学部生の頃はよく教育を軸にした社会変革についてよく考えていた。僕の iBooks の中には2018年に書いた「教育再興戦略」なる激イタ文書が眠っている。50,000字近く書いているのだから、もはや卒業論文になったかもしれない。でも、こんな若気の至りと勢いで書いた文章は世に出すことはできないので、永久にお蔵入りである。

昔はもっと未来について本気で考えていた。でも、大学院に入って真面目に学問を学びはじめてから、どんどん思考のスケールが小さくなっていったように思う。自分が考えていることは当然だれかも考えているし、過去に検討されつくされてきたことだ。自分の考えていることの稚拙さに嫌気がさし、新規性を追い求めていった結果、重箱の隅を突くような研究になっていく。でも、そんな中で新しい世界に少しでもたどり着く事ができたから、僕が研究が楽しく、面白いと感じているのだと思う。
でも、少し小さく縮こまって考える癖がついてしまったことも間違いない事実だ。この癖はなかなかに難しく、D2になった今でも自らの博論テーマはとても厳密なものを扱っている。決してそれがおもしろくないわけではない。それは違う。でも、スケールが小さくなっていることは間違いない。

でも、生成AIのは快適なインパクトを目の当たりにして世界中が熱狂している今なら、自分が前に考えていたような夢物語も夢物語じゃなくなってくるんじゃないかと思えてくる。むしろ生成AIは僕のちっぽけなスケールの中で捉えられるようなものではない。社会や教育のあり方を根本的に書き換えていく可能性が極めて高い。
とすると、こちら側も自然と大きく構えていく必要がある。もっと大きなモチーフを作り、それを1つずつ埋めていく仕事をする。大きな物語は、自分の中に教育学を作るということであり、1つ1つの仕事はそれを構成する要素として研究され、論文という形にできるんじゃないだろうか。

Stable Diffusion で誰でもかんたんに画像が作れるようになったら、みんな写真を撮らなくなるだろうか。ChatGPTでかんたんに歌詞が書けるようになったからといって、ラッパーは曲を出さなくなるだろうか。

そんなことはない。我々は作ることの歓び(The Joy of Creativity)を知っている。歓びを感じるために作るのだ。むしろ、作ることによってしか歓びを感じられなくなるかもしれない。
相対的に作品の他者評価的価値が下がっていく世界では、自分が好きかどうか、自分が歓びを感じたかどうかがとにかく大切になっていく。アテンション・エコノミーからの脱却。私たちは、アート的表現をもっと大切にしていかなければならないだろう。作ることの歓びを感じるために、創造的に学ぶことができる社会を作る。こんなビジョンを本気で考えてもいい時代がやっと来たのかもしれない。

これまで自分がやってきたことは全く無駄ではない。
プログラミングを子どもたちに教える場所を提供しながら、僕ら自身もクリエイターとして、仲間たちと創造の歓びを分かち合うことを知った。会社を作り、社会の中で役に立ちながらお金を稼ぐことができることの歓びを知った。大学院に進学して、深い学問の世界に身を投じ、少しでもその世界を広げることに貢献できることの歓びを知った。自分の世界が広がり、できることが増えていくにつれて、もっともっと新しい世界をみんなで作っていきたいと思うようになった。

このマインドはとても大切だと思う。ポジティブなエネルギーで満ち溢れている。楽しさは人を動かす原動力だ。だから、いろいろなことを楽しいと思えるような価値観を鍛えていく必要がありそうだ。

 好きなものは生きていると見つかるものです。小さい子にも、いちごは好きだけどピーマンは嫌いとか、このお洋服は好きだけどこのお洋服は嫌いといった「好み」が現れます。この「好き」という気持ちは、その人を形づくる価値観につながります。好きなものにたくさん出会った日は、「いい日だったな」「楽しかったな」と感じます。成長するにつれ、できる限りポジティブな時間の連続の中で生きたい、と思うようになる。そのために努力している時は、それを努力とも意識せずにつき進んでいます。つまり、「好き」をあきらめないのは自分にとって「いいもの」だからです。

https://dot.asahi.com/aera/2023040600068.html?page=1

効率的とか生産的とかそういった類の近代的諸概念を、AIによって乗り越えていく。効率的な学びのために作られた近代学校システムは成り立たなくなり、その先にどのような世界が描かれるだろうか。

まとめ方がよくわからなくなってきたが、結局実現したい社会ビジョンはこういう感じなのだと思う。この1ヶ月くらいでモチーフある程度具体的に描いてみたい。ようやくそういったことに心が向きだした。

宮島衣瑛です!これからの活度のご支援をいただけると嬉しいです!