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家紋と和菓子のデザイン展 in 虎屋赤坂本店

こんにちは。
赤坂にある虎屋本店ギャラリーで開催されている 家紋と和菓子のデザイン展 に行ってきました。
虎屋といえば贈答用・謝罪用の羊羹のイメージですが、こんなに素敵な建物だったんですね。

春めいた日でとても良かった

そもそも家紋とは

家紋とは

日本固有の紋章で、苗字とは別に代々受け継がれてきた家の印。貴族のみが使用が許されている西洋の紋章とは異なり、誰もが持つことができるのが日本の家紋である。
森羅万象をモチーフにし、円と線によって構成されたデザインには、人々の想いや願いが込められている。

平安時代より約1000年もの長い年月を経て継承され、現在では5万種類以上のデザインがあるとされる。伝統的な慣習の一つではあるが、使用に関しての自由度が高く、複数の家紋を持つことや、個人で門を持つことも可能である。

家紋と和菓子のデザイン展 キャプション

当たり前のように思っていた家紋ですが、歴史の長さや種類の多さ、びっくりしました。
たしかに商人・農民だった祖母の家にも伝わる家紋、貴族だけの特別なものではなく、各家庭で持つもの。平安時代から今でいうロゴマークのようなものを日本人が好んでいたという文化にもびくりです。

今回はそんな家紋と和菓子にまつわる展示です。

家紋と和菓子のデザイン展

木材の香りがとっても素敵な虎屋の地下1階ギャラリー。
なんと無料の展覧会です!

鶴の縁起のいいポスター

1部屋の展示なのでさらっと見ることができます。
1部屋と侮るなかれ、このかっこいい空間!かっこいいっと思わず、こぼしてしまうほど綺麗な展示空間でした。
和菓子ってこんなにクールに展示できるの!

こんなに複雑な形の家紋もあるんだ、とびっくりしたり。
龍や鳳凰の家紋のお家とかどういうお家なんですかね。紋付にこの紋が入っているのカッコ良すぎではないしょうか。

家紋から連想して作られた和菓子(主に干菓子)が並べて展示されています。
どういう思いをこめたものなのか、スケッチと一緒に飾られているので成り立ちがわかりやすいです。桃の家紋もいいですね。可愛い。

イチオシ 真向き亀 と 袋

一番心ときめいた家紋が、「真向き亀」!!!
正面からの亀ってなかなか見ないですよね。展示空間の一番前を陣取る鶴と亀と家紋と和菓子。間違いなく縁起物だし、とっても可愛い。

甲羅に緑藻が生えて蓑を羽織っているように見える蓑亀を描いた紋
おめでたいことが始まる印、長寿を象徴する縁起のいいものとして家紋になった。

紋の辞典
円 533個
線 1本で構成されているとのことです。

時点に乗っていた真向き大根も可愛かったです。

もう一つ気に入ったのが 
形がふっくらと可愛くて、こんな紋が羽織に入っていたらときめいちゃう。

袋は日本古来の小物を入れて持ち歩くための巾着袋のことを指し、袋紋は七福神の大黒天が持つ金嚢と呼ばれる宝袋がもとになっている。
宝物を集めた「宝尽紋様」というおめでたい吉祥紋様に描かれた図柄の一つ。

仏教の守護神の象徴とされる大聖歓喜天を祀る聖天宮や東京・雑司ヶ谷の大鳥神社の神紋とされる。

紋の辞典
幸袋

結構道具を家紋にしたものが多くて驚きました。
なんとなく植物のイメージが強くて…。5万種類以上あれば、いろんな家紋があるんですね。付喪神という信仰もあるので、道具が家紋になるというのも腑に落ちました。日本人の独特の感覚かもしれないですね。

家紋オーダー帳
九曜星の英訳が Nine-planet なのとても好きだった。

伏線回収! 五三の桐の家紋

展示されていた五三の桐紋。
どこかで見たことある!と思ったら、祖母の家を片付けていた時に調べた家紋でした。
(ここにきて突然の伏線回収!)

キャプションの説明であらためて気が付きましたが、500円玉だ!!!!
あまりにも身近にあった!

桐は古くから高貴な人が使うモチーフ。
鎌倉時代に桐紋の最上位である「五七の桐」が皇室の紋となり、天皇が戦で活躍した武将に授けた紋が「五三の桐」だったといわれている。
江戸時代になると一般庶民にとっても身近な家紋となり広まった。戦後は呉服業者が誰でも使える通紋として、既製品の着物にあらかじめつけて販売した。

紋の辞典

祖母が嫁入りしたのは戦時中のことだったけれど、そんなこんなで、祖母は五三の桐の紋が入った嫁入り道具と着物をたくさんこさえて山を越えて祖父のところに嫁いだのでした。

祖母の嫁入り道具に再び思いを馳せる時間でした。

大事にしたい、家紋の文化

それだけ家紋を見ていると、やっぱりあらためて自分の家の家紋を大切にしたいと思いました。
気楽に、それでも願いを込めて代々受け継がれてきた家紋を、私も同じく気楽に身近に感じて伝えていける人間になりたいと思いました。

ちなみに我が家は九枚笹
積雪にも耐える生命力
が吉祥を表しているようです。
素敵やないか。

現代の生活スタイルに合わせた家紋の形を探求する、虎屋さん・紋の辞典を作られた方々の思い、とっても素敵でした。

素敵な売り場もぜひ〜

季節の生菓子

毎月16日〜翌月15日までで入れ替わりをしている季節の生菓子
春めいた色味が可愛くって、天気も良かったので和菓子を楽しみました。
虎屋さんだけあって、なかなか素敵なお値段。
3階に茶寮もあるので展覧会を見てちょっとお茶をしたり、海外の人を案内するのにいいスポットだと思いました。

虎の羊羹も可愛い

紋の辞典

やたらと引用している紋の辞典 雷鳥社
発売されていた展覧会限定の500冊の特装版の本!(内容は普通のものと変わらない)
黒色の装丁のかっこよさ、限定感と真向き亀に惹かれてついついお迎えしました。

家紋一つひとつ検索できるし、植物・道具 などジャンル分けされておりとっても使いやすいです。ちょこちょこ入っている家紋についてのコラムも勉強になります。

277/500
家紋の書き方
Twitterやアップルのロゴマークの書き方 デジャブ
走り馬、いつかお目にかかりたい

amazonでは通常盤が発売されてました。

建築美も注目したい

虎屋さんの外観から分かる通り、建築も素敵でした。
ふんだんに使われた木材と壁の黒漆、日本らしいのに新しい感じがとても良かったです。窓が大きいので自然光が差し込んで明るかったです。

ふむふむと見ていたら、「内藤先生の建築を観にこられたんですか?」と受付の方に声をかけられて、聞いてみるとよく建築を学ぶ学生さんたちが観にこられるそうです。
なるほど〜!

ギャラリーもかっこいい。
この虎の瓦は建替え前の虎屋さんの瓦に使われていたものとのことです。
伝統的な黒漆 磨き仕上げ
新しい漆表現

そんなこんなの学び多き、高尚の日でした。
バレリーナいつもありがとう。

展示詳細

家紋と和菓子のデザイン展
2024年3月9日ー5月30日
虎屋 赤坂ギャラリー
無料

精進いたします。
切り絵作家 ひら子

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