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ディケンジング・ロンドン|TOUR DAY 4

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 ツアー後半がスタートしました。
 『オリヴァー・ツイスト』と『大いなる遺産』の世界を巡った一日、お楽しみ頂けましたでしょうか。本日もヴィクトリア朝ロンドンへの時間旅行をご一緒して下さいました皆様に、深く感謝申し上げます。

 頽廃時間となりましたが、本展タイトルである「ディケンジング」という造語の由来について、お話したいと思います。少しの間、お付き合い頂けましたら嬉しいです。

 この言葉は、とある喫茶店で共同企画者の熊谷めぐみ様と本展の打ち合わせをしていた時に閃いた言葉でした。

 ディケンズオタクの大先輩である熊谷さまからお話を聞く中で(どんな質問にも濃い内容が即座に返ってくるのが凄い!)、「ディケンズがヴィクトリア朝ロンドンの象徴的存在であること」を初めて知りました。ヴィクトリア朝時代の文化(主に文学と服飾)とロンドンのカルチャー(主にUK ROCKとモード)に憧れている私には、「ディケンズ、超クール!」と思える衝撃の事実でした。

 さらに驚いたのは、ある随筆集(DAY6に取り上げます)の中で綴られているのですが、ディケンズがインスピレーションを求めて深夜のロンドンを徘徊し、稀有なる想像力でストリートを眺めていたこと——その事実を聞いた時、私の中にヴィクトリア朝ロンドンと現代のロンドンがつながる一閃の光が差し込みました。

 コロナ禍の影がまったくなかった頃に組んだ本年の展覧会スケジュールでは、10月にディケンズをテーマにした本展、11月にグラフィック・デザイナーでありファッション史家でもある長澤 均さまとの共同企画展《スウィンギング・ロンドン》展を開催する予定でした(《スウィンギング・ロンドン》展は2021年秋に延期)。

 このふたつの展覧会の配置は偶然だったのですが、実は「ロンドン」で繋がっていて、さらに「ストリート」でも繋がっていた!と。ロンドン・ストリート・カルチャーの源泉に、ディケンズが想像力を駆使してクリエイティヴな視線をストリートへ注いでいた事実があったのでは?!と(単なる思いつきです)。

 そして、60年代が「スウィンギング」なら、ヴィクトリア朝は「ディ、ディケンジング・・・?」と、つぶやいてみたことが始まりでした。

(コロナがなければ、《ディケンジング・ロンドン》から《スウィンギング・ロンドン》へ、大いなるロンドンを楽しむ秋になっていたはず・・・)

 アカデミックな場にいながら、駄洒落的思いつき造語を温かく採用してくださった熊谷さまに大いなるオタク魂を感じ、さらに尊敬の念が深まったひととき——

 そうして迎えたこの度の《ディケンジング・ロンドン》。オンライン開催となりましたが、皆様にお目にかかれない分、時空を超えたヴィクトリア朝ロンドンツアーで作家さまの素晴らしい作品と出会えるよう、熊谷さまと共に連日工夫してお届けしています。ツアーも残り二日間となりましたが、引き続きご一緒できましたら嬉しいです。

 長くなりましたが、本日のツアーを振り返ってみましょう。
 
*霧とリボン 実店舗は休業中のためご入場頂くことはできません。

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​★ツアーガイド熊谷めぐみ様より

 4日目が終了しました!ツアーも後半です。
 今日は『オリヴァー・ツイスト』と『大いなる遺産』の世界をめぐりました。ディケンズ・ツアーとしては、比較的人気のあるスポットとなっております。

 本日のツアーは『オリヴァー・ツイスト』からスタート、美しい面影をたどった先に、オリヴァーの母親の思い出が待っていました。続いて、オリヴァー一世一代の大勝負の場面を、ツアーのみなさんで固唾を呑んで見守りました。1830年代のロンドンには不穏な風が吹き付けていたようです。
 『大いなる遺産』の世界では、時間を止めた屋敷「サティス荘」で幻の時を体験した後、ミス・ハヴィシャムとエステラの関係性をのぞき見ました。最後はピップの恋と心を奪われたエステラの思い出に浸り、二人の未来を見つめました。

 今日も盛りだくさんのツアーでした!
 みなさんが徐々にディケンズの世界に馴染んできているのを感じています。明日もまたディケンズの世界でお会いしましょう。

TOUR DAY 4まとめ

★DAY 4★
——オリヴァー・ツイスト《1》 ——
川島朗
《透明な鳥 / アグネス》《Unforgettable / アグネス》

day4_オリヴァー地図_川島さま

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★DAY 4★
——オリヴァー・ツイスト《2》 ——
佐分利史子《みんなの願い》

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★DAY 4★
——大いなる遺産《1》 ——
内林武史《幻の時》

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★DAY 4★
——大いなる遺産《2》 ——
横井まい子《鏡の中のヴェール》

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横井さま_大いなる遺産_額

★DAY 4★
——大いなる遺産《3》 ——
梅原あずざ《サティス・ハウス》

day4_大いなる遺産_地図_梅原さま

梅原さま_サティス荘_額

 明日のツアーではひとつの小説をじっくり味わいます。
 早いものでツアーは残すところあと二日間。ぜひご一緒にヴィクトリア朝ロンドンでディケンジング致しましょう!

★作品販売★
通販期間が当初の告知より変更になりました

12月7日(月)23時〜販売スタート

★オンライン・ショップにて5%OFFクーポンが利用できます★

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