見出し画像

えびフィレオの話

「えびフィレオを食べると女子力が上がる」
その根拠は、蛯原友里(エビちゃん)から来ていると思う。

2005年に誕生したえびフィレオは、元は期間限定メニューだったという。
「働く女性においしいハッピー」をコンセプトに、女子人気絶大のえびをパティにたっぷり詰め込んだ逸品。使われているソースも酸味がすっきりしているから罪悪感がほぼない。
しかもカロリーは387kcal。単品だけ食べればダイエット中のマックにぴったりである。

数あるマックの定番メニューの中で私はこれを一番推しているのだけれども、まともに食べ始めたのは意外にも高校の頃だった。
定時制高校の一年次はお昼で授業が終わるので、午後からは完全フリーになる。私は、一人マックをすることが多かった。お昼をそこで食べて、夕方まで図書館で本を読んだりゲーセンでメダゲーをしたりするなどして時間を潰す。齢15にしてお一人様時間を堪能。それでも、とても楽しかった。

その頃通っていたマックは駅チカにあった。エリア内で他に学生が入れるところはガストかココイチか吉野家しかなかったのとお金がなかったこともあって自然と足が向いた。バス停からも近かったし、何よりも前々から入ってみたかった。
そのマックで、初めて頼んだのがえびフィレオのセット。席が2階だったので、少しきつい階段を登った。バランスが崩れるとポテトやドリンクがエラいことになるので、テーブルに置くまで気が引けなかった。

マックのセットメニューの一口目はだいたいポテトから行く。多分そのときもポテトからだったと思う。2、3本食べてからメインへ移った。

一口食べてみると……衝撃だった。

えびカツのサクサク加減はもちろん、えびのプリップリ感、ソースの酸味が口の中でチーム乱闘してて一発ゲームセット。
人間1人がマックが誇る新鋭具材CP(Lv9)3種に勝てるわけがなかった。
ついでに言うと、マックのフィレオ系を食べる機会がなかったのでフィレオバージンを捧げたことにもなる。
初めてのフィレオはえびまみれだったのだ。

そんなフィレオデビューを飾った私は「迷ったらとりあえずえびフィレオ」という思考になっている。
ビックマックは多すぎるし、ハンバーガーだとちょっと心許ない。それに比べてえびフィレオは多すぎることもなければ少なすぎることもない。いや、ビックマック食べたいときは普通に食べますよ……私はね。
実際ソースには大量の野菜が使用されているというし、えびフィレオはある種の万能食品といってもいいくらいだ。

これからも私は「迷ったらとりあえずえびフィレオ」を貫く。
他のメニューにしたいときはそうするし、月見やグラコロの季節になったらそれを食べる。
確かにえびフィレオは好きだが、あまり食べ過ぎるのも普通に飽きるのでそこは臨機応変に。なんだか最近は「倍えびフィレオ」なるものが出てきたらしいが、個人的にはえびカツとえびカツの間にバンズかレタスを挟んでほしい。なんか重ねられると食べづらそうなんだけどそう見えるのは私だけなのだろうか……

ちなみに、えびフィレオを食べて女子力が上がったかどうかについては回答保留にしていただきたい。
なぜなら私はエビちゃんではないからだ。

この記事は「シュリンピア帝国アドベントカレンダー2023」参加作品です。

虹倉家の家計を支えてくれる心優しい方を募集しています。 文章と朗読で最大限の恩返しをさせていただきます。