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趣味としての香水の話

ぼくが趣味としての香水に熱中し始めたのはごくごく最近のことである。きっかけは明確で、仕事上のお客様からの勧めだ。

これまで香水といえば、適当なアパレル系ブランドのものを気が向いたら付ける、程度のものであった。2~3本は所持していたけれど、特にこだわりがある訳でもなかった。
そもそも香水特有のアルコール臭さと、押しつけがましくどこにでも転がっているような"いい香り"があまり得意ではなかったのだ。

しかし薦められた香水たちはどうか。どれもアルコール臭はあまり感じさせず、これまであまり体験してこなかった不思議な香りだ。
複雑で言語化しづらい香りから、シンプルでストレートな香りまでなかなに幅が広いじゃないか。

さらに調べると、ぼくが触れたのは香水のなかでも「ニッチフレグランス」と呼称されているらしいことが理解できた。
商品名やラベル、ボトルデザインも秀逸なものが多い。各ブランドが確立された独自の世界観を形成していて、とても美しい。
ただ単に洒落た雰囲気がある、というだけでなく知性も感じる。

特に惹かれたのは調香師の方々の職人気質さである。
正直フレグランスビギナーのぼくにはよくわからない抽象的な単語が商品説明欄に並んでいるのは否めない。しかしながら〇〇をイメージしてブレずに世界をゼロから造っていく、という行為がカッコいい。最高にイケている。
先日何名かにお話しを聞く機会を得たのだが、皆さん自分が世に送り出したプロダクトに自信を持っており、愛も感じられた。
ぼくは香水に限らず、プライドを持ったプロフェッショナルが好きなのだ。
比べるべくもないが、全く別業種のメーカーに勤めている身としては色々と勉強になった。

しばらくはこのアーティスティックでエッジの効いた趣味にどっぷり浸かってみようと思う。上手く言語化できれば好みのプロダクトも紹介したいものだ(了)

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