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「Beauty Blossom煌めきの塾」ブログ 若者からの温かい贈り物

私はリスボンの郊外で、もっとも印象に残る出会いをしました。

リスボンの公共交通機関では、乗車時にはプリペイドカードを使用します。最初にこのカードを購入する際には、乗車料金に加えて0.5ユーロのカード発行手数料が必要ですが、この手数料は返金されません。

私はリスボン郊外を訪れ、その帰りに電車に乗ろうとしましたが、券売機が壊れていて、チケットを購入できませんでした。
リスボンでは無賃乗車には厳しい罰金が課せられるため、切符を購入する必要がありました。
私は自分ではできなかったので、そこにいた若い男女に助けを求めました。
彼らも券売機を確認してくれましたが、やはりダメでした。
他の乗客も手を貸してくれましたが、結局券売機は使用不可能でした。

その後、最初に助けを求めた若い男女が、電車に乗る際に、私にチケットを手渡してくれました。
「気をつけてね」と言い残して、彼らは電車に乗りました。
私はそのチケットがチャージされていないと思い込んでいましたので、再度、潰れた券売機でチャージをしようとしましたが、結果は同じでした。

彼らはまだ10代くらいの若者でした。
彼らにとっては貴重なお金だったでしょう。
そして、私は違う手段でリスボンまで戻りました。

翌日、そのチケットでチャージしようとしたところ、驚くべきことに1回分の乗車代が既にチャージされていました。
1回分の乗車代が1.65ユーロですので、券代と合わせて2.15ユーロを見ず知らずの私に若い人がくれていたのです。

その時、彼らの優しさに再度、気づきました。
あの時、私は次の電車に乗れたのです。
彼らと別れる時に、私は、「ありがとう」という言葉以外に、何を言えば良いのか分からなかったです。
お金を支払おうとしたのですが、言葉が上手く出て来なくて、ただただ「ありがとう」だけしか言えませんでした。
名前も知らず、お礼もきちんとできないままです。
ただ、この思い出は忘れることはないでしょう。

この黄色のチケットは彼らがくれたものです。

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