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抑圧した「大嫌い」と「大好き」

私は、対人恐怖は抱えながらも、これまで、対人関係をソツなくこなしてきた。

人から嫌われないように、細心の注意を払って立ち振る舞ってきた。

私自身も人に対してあまり「嫌い」と感じることはなく、

「苦手な人はいるけど、嫌いな人はいない」

っていうのが、ひそかに私の誇りになっていた。

嫌いという感覚がないかわりに
「あぁ、この人といると巻き込まれそう・・・。危険かも!」という私の肌にある“危機管理センサー”が働いた。

そんなときは、“顔はニコニコ、心には壁"・・・っていう、
目に見えないバリアを張って

関係性は壊さず、でもハートは開かずに
何とか表面を取り繕って生きてきた。

「温和で、誰とでも付き合えるゆみちゃん」

みんなからそう言われてきたし、自分でもそう思い込んできた。

だけど、最近、それもチャイルドの必死の『防衛』だったのだと気づいた。


大嫌いな子と我慢して遊ぶチャイルド

あるとき、セルフセラピーの中で、いじわるな子と我慢して遊ぶチャイルドと出逢った。

その子とは、幼稚園からの付き合い。

いつも、私に命令してきて、私は「いや」と言えず家来のように従った。

幼稚園時代、私の容姿をからかわれ、「太ってる子はお祭りに来ちゃダメ!」と言われ、本気にして泣いたことをぼんやり覚えている。

その子からされることを今まで私は「からかい」と認識してきたけれど、最近、私の内なるチャイルドにとっては「いじめ」だったのだとようやく気づいた。

その子から遊びに誘われると、断ることもできず、ただ「義務」のように遊んだ。

いつも5時になるのが待ち遠しくて、遊んでいる間、苦痛でしかたなかった。

顔では笑ってても、心はちっとも笑ってなかった。

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そこまで我慢して遊んでたのは、母のためだったのだと、最近、ようやく理解した。

「いいこ」じゃないと、お母さんに迷惑をかけるから。

家同士の近所づきあいもあるし。

それに、私が「いいこ」じゃないと、お母さんがおばあちゃんからいじめられる。

そのチャイルドの定義は
「いいこ=我慢できる子」

長女の私は、「機屋(はたや)のゆみちゃん」という看板を、友達との関係性の中でも、こどもながら一身に背負って生きてたんだ。

そのチャイルドは私のなかで、いまだにずっと、我慢の世界に閉じ込められ生き続けてたのに、私は「もう終わったこと」にして置き去りにしてきた。

でも、チャイルドにとってはまだ終わってなかったんだね。

ごめんね。

ほんとは行きたくない。

でも、嫌いなあの子のところへ何とか行かなきゃ!!

小さなゆみちゃんは、まだ、ものすごい葛藤の中にいた。


チャイルドの本音がじわじわとあふれ出す。

「ほんとは、あの子が大嫌い!!!

あの子の家に遊びに行きたくない!!!

いやなことをされるから。

お母さん、ごめん。

もう、我慢できない」

母への罪悪感とともに、叫ぶチャイルド。

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大嫌いなら大嫌いでいいよ。

好きなふりしなくていいし、
好きになろうとしなくていいよ。

嫌いな子と遊ぶのは、本当につらかったね。

もう、我慢しないで、好きな子のところへ行っていいよ。

ゆみちゃんのママとして、ゆみちゃんに伝える。

「お母さんに、〇〇ちゃんがわたしにいやなことをすること、一緒に怒ってほしかった。

もう知らないふりをするのはやめて!!!!」と、ゆみちゃん。

あーーーー、やっと言えたという感覚。


「大嫌い」を感じたら、「大好き」も思い出した


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それから、また、じわじわと思い出してきたのは・・・・

抑圧してた「大好き」という感覚。


そうだ。

ゆみちゃんが本当に遊びたかったのは、やんちゃな幼ななじみの男の子だ。

運動が得意なお調子者。

見た目もさわやかイケメンくんでクラスの女子にも人気があった。

本当は嫌だったけど、クラスの子に頼まれて、バレンタインのチョコを代理で渡しに行ったこともあったっけ。

私は、もう、そのころ、容姿にコンプレックスがあったし

「あの子とゆみちゃん、幼なじみなんだって」と女子たちから噂されてから、その子のことを避けるようになっていた。

なんかあまり感じないようにしてきたけど、「私、あの子のこと、大好きだったんだなぁ」と思い出したら、泣けてきた。

あの子のこと、大好きだったのに、私なんか好きになる資格ないって、感じないようにしてきたんだね。

大好きでいていいよ。
歪めずに、感じたまま、そのまま
大好きってきもち、もってていいんだよ。


「大嫌い」と「大好き」

だいぶ解放してきたつもりでいたけど、まだまだ、こんなにも、自分に制限かけて生きてきたんだなぁ、私。

自分のきもちを加工しない、
より素直な自分に出逢えたみたいで、愛おしくなる。

「もう自分にうそはつかなくていいよ。」

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ギューッと抱きしめる。

今まであなたをぞんざいに扱ってごめんね。

大好きは大好きで
大嫌いは大嫌いでいいんだよ。

素直なきもちをママに伝えてくれてありがとう。


最近、感情を取り戻してきて、ようやく「人間」になれてきた感覚。

知らず知らずに、私は神様になろうとしてたのかも。

もう、神様はめざさなくていいんだよ。

大好きは大好き。

大嫌いは大嫌いのまま。

私自身の素直な感情を認められたら
他人にもそれを許せるようになるだろう。

「私を嫌いな人がいても大丈夫」って。


わたしは、人間。

これからも、人として「生きる」ことを味わいたい。


★☆★

インナーチャイルドセラピー はじめました。

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