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きららめくり

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きらら舎周辺の日常
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フウセンカズラ

【フウセンカズラ(風船葛)】 学名:Cardiospermum halicacabum 英名:Balloon vine ムクロジ科 フウセンカズラ属 フウセンカズラはアジア・アフリカ原産の蔓性植物です。 春に種まきをして夏にぐんぐん蔓を伸ばし、白い小さな花を咲かせます。 花のあとに、風船のような実ができます。 最初は小さいのですが、どんどん膨らみます。 風船の名のごとく、中は空洞で種が3つ入っています。 熟してくると茶色になります。 完全に熟したものの収穫をはじめま

お茶大二次拠点活動について

最初は、この「一般枠」に応募しました。 もともときらら舎ではワークショップでウニの受精実験を行っていたのです。生粋の文系だったため、発生の実験は見たことも体験したこともなかったのですが、お茶大のウニ実験のマニュアルをネットで発見してから、独学で実験を行っていました。 実験で使うウニは採集者さんから購入していました。 しかし、ウニのシーズンは地域で異なる上に、ここ数年の海水温の上昇で、ウニのシーズンがわからなくなっていました。 このシーズンというのは、食材としての旬ではありま

カギノテクラゲ

【 カギノテクラゲ 】 刺胞動物門 ヒドロ虫綱 淡水クラゲ目 ハナガサクラゲ科 カギノテクラゲ属 カギノテクラゲ 学名:Gonionemus vertens  A. Agassiz, 1862 触手の先が鉤状になっているのでカギノテクラゲ。 触手の先に付着細胞があり、それで海藻や岩、水槽の壁にくっついています。 水槽からスポイトで吸っても、鉤が引っかかってなかなか吸い取れないこともよくあります。 傘は浅いお椀状で、十字の放射管が特徴です。成熟個体は放射管の上に4本の襞

ビスマス人工結晶

生粋の文系人間なのに、いただくお仕事は「理系ですか?」というものが多く、恐縮しながら引き受けています。ワークショップも理系的なものが多いかもしれません。その中にビスマスワークショップがあります。 きらら舎カフェでのワークショップでは10kgのビスマスから、大きなものでは300gを超える結晶が育ちます。しかし、8月中旬に大きな結晶ができない週末がありました。そこで改めて大きな結晶ができる条件を検証してみました。 このことはきらら舎一号館のノートにも書いているのですが、きらら

丁寧に暮らすということ

コロナで生活は変わり、落ち着かない日々は夢を見ていたような半透明な記憶となっています。 半透明な記憶の中で、長年連れ添った犬猫が旅立ちました。 カフェのリニューアルオープンから、少しづつ生活のリズムが新しく変化していき、今日、新刊用の不足写真を探すために、クラウドフォルダの時間をさかのぼっていたら、半透明な時間が少しづつ蘇ってきました。 今は、本の制作中でやらなくてはいけないことに猛ダッシュで追われています。丁寧に暮らせていないなあと気づきました。 実験室でパソコンに

ミズクラゲと暮らす

【ミズクラゲ(水海月)】 刺胞動物門 鉢虫綱 旗口クラゲ目 ミズクラゲ科 ミズクラゲ属 学名:Aurelia sp. 和名:ミズクラゲ(水海月)、ヨツメクラゲ 英名:Moon Jelly、Water Jelly 「クラゲ」といって多くの人が思い浮かべるのが、ミズクラゲでしょう。半透明でふわふわゆらゆらと海中を揺蕩う姿はなんとも涼しげで優雅です。 このクラゲと暮らそうという話。 我が家には何種類かのクラゲがいます。すべてポリプからの飼育です。 クラゲはオスとメスでの

ウニの発生実験

ずいぶん前の記事で、これを公開した時からカフェでの「ウニの発生実験」は進化したので、リライトすることにしました(2023.08.24)。 週末(ほぼ土曜日のみ)だけ開くきらら舎のカフェでは毎回午後5時より「Cafe Schole」と呼ぶワークショップをやっています。それ以外の時間では好きなワークショップを自由にやったりやらなかったりできるのですが、この時間帯だけはテーマを決めたワークショップをやります。 その一つ。「ウニの発生実験」。 Cafe Scholeの中では専門

発光バクテリアを育てる

今年出版予定の本に入れたいことがたくさんあります。 しかし、マニアックすぎるものも多く、とりあえずタイトルだけを編集者さんに伝えたところで没になること必至。 そこで、まずは、プレゼン用のものを準備しないといけません。 「発光バクテリア(ビブリオ・フィシェリ V. fischeri)の培養」は、理科系で生物分野を専攻している方であれば、だれでも学生時代にやったことがある実験だと思います。 これをガッチガチの文系おばちゃんにやらせると、クラゲやボルボックス飼育と同じレベル

コバルト硝子

窓辺に置いたインシュレーター(硝子碍子)を通過した光が、ノートの上に青い湖のような影を作っています。 このインシュレーターは最もポピュラーなヘミングレイ(HEMINGRAY)社のもの。1848年にロバート・ヘミングレイとラルフ・グレイによって設立されました インシュレーターにはコレクターが多く、Consolidated Design(CD)番号とスタイル番号の2つの番号で細かく分類されています。さらに、ペチコート、ヘルメット、底の形状(突起があるかないか、その形)などにも

エルムウッドの方解石

最近、再会した友人から「note」を教えてもらって、早速始めてみることにします。 「きららめくり」というのはプライベートブログのカテゴリーでしたが、「note」の手始めとして、それをこちらへリライトしながら移行しつつ、日記として展開してみようかなと思っています。 これは今年のニューイヤーカード。 撮影に使用した方解石はテネシー州にあるエルムウッド鉱山のもので、この形は犬牙状、犬牙状結晶と呼ばれています。読み方は「けんがじょう」。 エルムウッド(Elmwood)鉱山はテ