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エルムウッドの方解石

最近、再会した友人から「note」を教えてもらって、早速始めてみることにします。

「きららめくり」というのはプライベートブログのカテゴリーでしたが、「note」の手始めとして、それをこちらへリライトしながら移行しつつ、日記として展開してみようかなと思っています。


これは今年のニューイヤーカード。

撮影に使用した方解石はテネシー州にあるエルムウッド鉱山のもので、この形は犬牙状、犬牙状結晶と呼ばれています。読み方は「けんがじょう」。

エルムウッド(Elmwood)鉱山はテネシー州カーセージ(Carthage)地区にあり、Gordonsville鉱山、Cumberland鉱山と並ぶ亜鉛の鉱山で、1969年に発見されました。かつては鉱夫が昼食のクーラーに入れて標本を持ち出すことが許されていたり、標本用の作業員もいて、たくさんの素晴らしい標本が持ち出されました。

きらら舎のエルムウッド鉱山鉱物の仕入れの多くは、鉱山で採れた鉱物がミネラルボックスと呼ばれる平たい紙箱に入れられたもので、方解石のほか、蛍石や重晶石、閃亜鉛鉱などの標本が混ぜこぜになっています。

方解石は前述のとおり犬牙状で、アメリカ人が「Gold」と呼ぶ、濃い飴色のものは世界ランクです。

蛍石の特徴としては、エッジが明瞭で結晶の形は立方体です。紫色のものが多く、光に翳すと濃い部分と薄い部分が縁どり模様になっていることがわかります。

閃亜鉛鉱はずっしりと重く、強い光を当てると真っ赤に見える部分もあって、「ルビージャック」という愛称で呼ばれています。

重晶石は象牙色のお饅頭みたいな形をしているものが有名です。

鉱山ではよくある話ですが、エルムウッド鉱山も2004年に一度閉山されました。その後、2008年に再開され、2年後の2010年には再び閉山されました。閉山された理由はいくつかあるのですが、その一つが、素晴らしい標本は上質な亜鉛鉱脈でしかみつからなかったためです。鉱山所有会社は上質な亜鉛鉱石をたくさん掘り出してこそ利益を得られます。その時に、丁寧に標本を採集していると、当然、亜鉛鉱石の採掘作業は中断せざるを得ません。

しかし、閉山された後も、ツーソンショーなどでたくさんのエルムウッド鉱山標本が出品されました。年によって波はありますが、今でも時々ミネラルボックスで仕入れることができます。これはなぜか・・・・・。ちょっと面白いお話なのですが、続きはカフェにて。

本年もよろしくお願いします。




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