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窮鼠はチーズの夢を見る

注意★ネタばれあり。

本日、舞台挨拶ライブビュー上映会に行って来ました。ちなみに原作は知らなく、成田くんのお芝居が好きで予告を見た時に絶対観たいと思っての鑑賞です。

大伴恭一:大倉忠義
今ヶ瀬渉:成田凌

R15作品、130分。誤魔化さない濡れ場もたっぷり。リアル感もあって始まり方からして飾らない映画という印象でした。

見終わった後に印象に残ったのは、お尻、お尻、お尻。

主役の大倉さんはジャニーズとは思えないくらいの大胆な濡れ場と全裸。180㎝の高身長と肉付きの良いお体がとても綺麗でした。スーツの似合う35歳という年齢がまた堪らなくいい。

大倉さん演じる恭一はノンケ。女性にモテるタイプで、相手に流されるゆるゆるな性格なのですが、そんな男のずるさも兼ね備えている受けっていうのが、私めちゃくちゃ好きなのです。

でも……っ、このお話はリバなのですね!

正直、びっくりしました!!そこもリアル感があっていいっちゃいいのですが、私自身がリバは苦手で……知ってたら観なかったかも……というくらい好き嫌いが分かれるところですね。これは。

でも、受動的だった恭一が能動的になって今ヶ瀬と向き合っていくという意味もあるのでしょうから、物語的にも男性的にもアリな描写なんでしょうね。そもそも一般的なゲイの世界では当然でしょうし、受けと攻めの役割がしっかりと分かれている方がいいっていうのはこちら側の勝手な理想ですから。

そして、成田くんが本当に良かった。成田くん演じる今ヶ瀬はゲイ。神経質っぽい喋りも不幸体質な今ヶ瀬を見事に演じ切っていたと思う。なんかもう表情一つ一つが切なくて、彼がただ恭一を眺めているだけのシーンでも何度涙したか。ラストの方で恭一にすがるシーンも切なかった。好きで好きで、ずっと好きで、ようやく手に入って、思い続けた恭一が目の前にいるのにそれでも足りなくて、自分で不安の種を拾い集めて自滅していく姿が堪らなく切なかった。

恭一のもともとの性格なんだろうけど、彼は表情がクールだし、必要最低限のことしか言わないし、何を考えているのかちっともわからないのだけど、今ヶ瀬と別れた後、付き合うことになった彼女に元恋人のことを聞かれた時に言ったセリフで、「あいつは苦しそうだった。楽にさせてあげないといけないと思った。俺は幸せだったんだけど」って。

その言葉に泣けたよぉぉ!

なんだよ、恭一! そんな風に思ってたんだって、ちゃんと幸せを感じてたんだって。それをちゃんと今ヶ瀬に言ってあげてよって思ったよ(T T)。

今ヶ瀬と再会した時、恭一はもう前に進んでて婚約してて。でも、今ヶ瀬は前に進めなくて。二人は気持ちを抑えられずにまたセックスしてしまうんだけど、今ヶ瀬は悪い事をしているとちゃんと分かってて、ノンケの恭一に幸せになって欲しいって気持ちもあって意固地な態度を取ってしまうんだけど、その時に言った恭一のセリフがいいんだ。セリフは裏覚えだけど、「もう恋愛したいだけの年齢じゃなくて、これからはちゃんと幸せを考えた関係を築いていきたい」みたいな。あんなに流されていただけの恭一がしっかりと今ヶ瀬と生きていく未来を望んでて、それが観ていてキュウウって胸に響くんだ。男とか女とか関係なく、誰と生きていきたいかっていう自分の気持ちが大切だって、それが35歳の大人の男が言うセリフなもんだから、覚悟というのも感じて、もう涙が止まらんというか。それでも今ヶ瀬は身を引いてしまうんだよね(T T)。

⇒修正:7年振りの再会だから、30歳設定でしたね。35歳は大倉さんの年齢でした。失礼しました(9/18)

話が前後するけど、恭一が今ヶ瀬を忘れられずにゲイが集まるハッテン場に探しに行くんだけど、その場の空気に馴染めない恭一が一人でトイレの近くで泣いているシーンがあるんだけど、それがすごく切なかったの。そのシーンがあってこそ、この二人が再会して決心した恭一の言葉が響くのだと思った。

恭一が部屋で待ってるラストも良かった。今後こそ幸せになれるといいなあって期待させるような終わり方。

舞台挨拶で行定監督が「これは恋愛物語です!」と何度もおっしゃっていた通り、大人の恋愛物語でした^^。

なんというか、余計なシーンは入れずに二人のシーンを濃厚に入れこんだというくらいの130分だった。恋愛映画にありがちな過去のシーンやなりたちやらで余計な上映時間を奪ったり、仕事のお話が絡んだりとかもなく、瞬間瞬間だけの軸で進んでいく冒頭でも書いた通りの飾らない映画でした。

映画館は物音一つさせず皆さん静かに鑑賞されてました。ライブビューも楽しかったです^^この映画は一人で観に行った方が気持ちに浸れてよいかも。私はもう一度観たい映画です^^

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