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誰にも見つけられない星になれたら

大学に入ってから何故だか斜に構えていてとても生きづらい。例えばいい趣味だねと言われてもどうせ何も私のことをわかっていない、と否定的に捉えがちだ。全てを知っていると思い込んでいるのは自分自身しかいないのだから、その否定的な思考すら馬鹿馬鹿しいのだが。

音楽を聴いて憂鬱さに浸る時間も増えた。夜中に音楽を聴き始めると自分の思考や価値観について考え出していつの間にか夜が明けている。憂鬱や陰湿さは決して消極的な気持ちになるだけではなくて、救いの面もある。

例えば私はきのこ帝国が大好きだ。もっと早くに出会いたかった、と思うのはきのこ帝国、ハヌマーン、andymoriくらいだろうか。
きのこ帝国の「WHIRLPOOL」「eureka」は佐藤千亜妃自身の憂鬱さや初期きのこ帝国のシューゲイザーやポストロックといった面で評価されている。

許せない言葉もやるせない思いも
いずれは薄れて忘れていくだろう

きのこ帝国「退屈しのぎ」

夜が明けたら許されるようなそんな気がして
生きていたいと涙が出たのです

きのこ帝国「夜が明けたら」

これらはアルバム「WHIRLPOOL」から引用したものであるが、どこか物悲しいメロディにのって私の中にある黒く渦巻いた感情を取り除いてくれるような、そんな気がしていつも聴き込んでしまう。薄暗い部屋の中で惰性でただ天井を眺め、時が過ぎるのを待っている。そんな夜にも救ってくれているのがきのこ帝国だ。

自分が他人とは違う感性を持ち合わせていると いう思い込みは、痛々しいが、他人と同じとは思われたくない。私自身の個性が評価されたい、そう思っていつも斜に構えてしまう。

一方で、andymoriはそんな自分の偏屈さを受け止めてくれる。

ところで君の音楽の趣味の少し偏屈なところが好きだった

andymori「誰にも見つけられない星になれたら」

世界で一番お前が正しいんだよって
俺が歌ってやる みんなの前で

andymori「クレイジークレイマー」

私が好きな人に言われたい言葉ベスト1位と言うくらい言われたい言葉だ。分かって欲しいと分かってたまるもんかという対極した気持ちが渦巻いている。

どうやったって夜が来るのは避けられないし、暗い気持ちになってしまう日も避けることは出来ない。他者との共感が嫌な時だってあるし、共感が嬉しい時もある。「斜に構える」という行為は肯定的に捉えてくれる人を不快にさせてしまうことを私は理解した方がいい。でもや、やっぱりなど否定から入るのは良くない。人と会話する上で基本的な事だ。

でも、そんなわたしを理解されなくったっていいと思ってしまうのだ。「誰にも見つけられない星になれたら」というように、誰にも見つけられていない原石というとなんだか芋っぽく感じるが、キラキラと心の内で輝く星になれたら素敵だと思う。名前もつけられていない、ひっそりと輝く星。夜空に浮かぶ星々はわたしたちと似ていると思った。自分の好きな物たちに対して斜に構えるという行為ではなくて、純粋に好きだからという気持ちを大切にしていきたいし、わかった気にならなくても、理解して貰えるようになったら嬉しい。

流れ星を見るのが好きなのに、最近星を眺めていなくて、心の内に秘めている星が萎んでいくような、輝きを失っているような気がするので、どこか綺麗な場所へ行ってじっくり星を眺めたい。

そんな風に自分について考える夜が今日も終わっていく。





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