魚の骨の構造

よく生徒に、寿司の話をするんです。例え話で。英文法を教えている時など。

今まで捌いたことのない魚を、営業中に、教え子が持ってきたんだよ。おじいちゃんが釣ってきた魚あげる、ってね。そしたら、お客さんに、お寿司にして食べさせて、と言われ、困ったんだよ。でもね、捌いてみたら、サクッと捌けたんだよね。さっきまで泳いでた魚だから、新鮮で、とっても美味しい寿司にすることができて、お客さんが喜んでくれて、めっちゃよかったなあ。僕も食べたけど、美味しかったなあ。

ずるーい、と生徒たち。王を

魚は、たいてい、同じ骨の構造をしてるんです。いつも捌いている他の魚の骨の構造を覚えていたので、簡単に知らない魚を捌けたんです。

英文法なんて、魚の骨みたいなもんじゃね。構造を覚えとけば、単語変えるだけで、簡単に文作れて、話せるというわけ。

たしかに、と生徒たち。

教えるとは、時に例え話をすること。例え話の引き出しをいくつ持ってるか、教師は問われます。

物事には構造があります。それがわかれば、社会に出て問題にぶつかった時、構造を突き止め、その問題を解決できるでしょう。それを教えるために、英文法を教える、と先輩教師が言っていました。

また、構造がわかれば、再現性も高まります。これからも、お寿司の構造を学ばなくては。美味しい寿司を握るために。


    

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