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人間嫌い克服記録「妖精と魔女と人魚」

人魚


私が通っていた幼稚園では図書館がなく、小さい屋根裏のような可愛らしいところに本を保管していました。

何ヶ月に一度、先生に連れてかれて本を借りに行きます。

たくさんある絵本の中から選んだのは「人魚姫」。

ディズニーのリトルマーメイドは当時一番好きな映画で一番憧れていた存在。

パートオブユアワールドは今でも大好きな曲。今でもよく歌っている。

しかし、ここの「人魚姫」はアリエルと違いました。
王子様のために自分の命を犠牲にしていました。

ショックだった。
「何で死ぬの。他にもっと良い方法があったんじゃないの。」

きっと彼女にはそれしかできなかったのね。
私だったら絶対死なないのに。

って。

その心の刺激、好きだった。

何度も空想の世界でいろんなパターンを考える。

子どもの頃の記憶は全て、世間でいう、いわゆるファンタジーの世界。
自分の作り出した空想の世界しかほぼ覚えていない。

基本他人には興味ないのよ。
一人で遊んでいる方が楽しかった。
なのに友達がいないのが寂しかった。

誰もこの遊びにはついてこれないの。

一匹狼だった。

それでよかった。

魔女


「とんがり帽子と魔法の365日」DSが流行っていた頃に一番ハマったゲーム。

どうぶつの森の魔法版。みたいなやつ。

自由に動き回ってゲームのキャラクターにおまじないとか魔法をかけたりする。

ゲームの中の存在たちと謎解きしたりとか、キラキラしつつもダークな世界観。

大好きなやつ。

キラキラは暗闇こそ映える。
闇がある上で光は成り立つ。

思い出せば私は光より先に闇に惹かれていた。

何も見えない真っ暗な闇を選ぶことが多かった。
夜が好き。怖いと思うことはなかった。

そうそう。

子どもの頃、暗い森の夜道を一人で歩くのが何よりワクワクした。

みんなのいるところから離れて暗闇の中に向かっていく。

風が吹いた時の木と葉の鳴る音が気持ち良い。
何もみえないのが良い。

何故か安心感があった。
ここなら受け入れてもらえるかもって。

私の居場所はそこにあった。

妖精

妖精はいないという証拠はない。

目に見えないからといっていないとは限らない。

何故可能性を制限するのだろうか。

昔からルールを守るのが苦手。

まず、ルールを覚えるのが苦手。
というか歴史上の人物や数学の方程式、漢字とか何もかも覚えるのが苦手。

唯一覚えるのが得意だったのは目の前の人。
顔、名前、誕生日。この3点セット。

でもこんなの覚えても成績は良くならない。

私ったらどうでもいいことばかり覚えちゃうみたい。

今日はあの子の誕生日なのね。
でもいちいち言わない。

ルールばかりの目の前の世界は私の可能性を制限した。

私は動けなくなった。
何をしたらいいのか分からなくなった。

それでも生きている。時間は過ぎていく。

何もしなくてもまた太陽が昇って、明日がやってくる。

そうやって生き残ることにした。




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