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広尾湯、熱い。

これから自分にとって、行く機会が増える街「渋谷区・広尾」。

昨日は一仕事終えた後、汗まみれ埃まみれになってしまったので、「銭湯」へ行ってみました。

広尾の駅から徒歩2分に、こーんな昔ながらの「銭湯」があるのはご存知ですか?

その名も広尾湯。

お風呂場の黄色い洗面器の底には「廣尾湯」と書かれていました。

私の実家は大阪の下町。昔はその地域は銭湯文化が盛んで、お風呂場の無いアパートがたくさんあったので銭湯も徒歩10分圏内に5件くらいありました。

なんと、私の実家は「お風呂のない一軒家」だったので、毎日お風呂屋さんに通っていました。

今思うとすごく変だよね、お風呂のない新築一軒家。

もともと父方の祖父が結婚するので建ててくれた家らしいのですが、祖父の家(父の実家)は商店街のど真ん中にある履物屋さんで、父の実家にはお風呂が無く、銭湯に通っていたのです。

察するに、「自分の家に風呂場がないのに、自分が建ててやる息子の家に風呂場があるのはなんか腹立つ」みたいな思いがあったのかな・・・と。

そして、私の父は、「せっかく一軒家を建てるんだから、風呂場を作ってくれ!」と祖父に言うことができない関係だったのだなあ・・・・と。

なんだか、久しぶりの銭湯で、父も大変だったんだなあって思い返してしまいました。


さて、一仕事終えて、物珍しさと懐かしさを抱えて「広尾湯」へ。

この広尾湯は大正7年から今も変わらず井戸水で湯船を作っているのだそう。

そして、湯船が熱い!!

「そうか、これが江戸っ子の温度かあ!」なんて、ひとり納得しつつ、どっちかというと「お風呂でのんびり」って感じではなかったです、笑。

熱くて浸かってられないなんてヤワなこと言ってんなら、身体洗って、湯に浸かったら、さっさとけーんな(帰りな)。みたいな銭湯側からの意思表示か!?

もしくは、これくらいの湯に浸かれないようじゃあ、うちの風呂でゆっくりくつろぐ資格はねーぜ。みたいな!?

ちょっと、関西人なもので江戸っ子に偏見入っちゃってるかしら!?笑



入り口は男女一緒で、のれんの入り口で別れるけれど、脱衣所もお風呂場も天井はつながっているから、男湯も女湯もなんだかわいわいしていて、

小学校の頃地元で通っていたお風呂屋さんを思い出しました。

繋がってる風呂場の天井越しに、

「おーい、先出るぞ〜」

『あと10分位で出るから、待ってて〜』

なーんて言い合ってるご夫婦やら、カップルやらを見て、「いいな〜」って思ったっけ。


そして驚いたのが、広尾って、すんごいオサレな街のイメージだったので、セレブ〜な人たちばっかり住んでるのかなって思ってたんだけど、

意外に、下町風情が溢れていること!

お風呂屋さんの懐かしい風景。

あら〜、タナカさん、今日は遅いじゃない!』

「今日はね〜、コインランドリーで洗濯してたから、遅いのよ」

『最近カトウさん見ないけど、どうしたのかしら?』

「骨折して入院しちゃったのよ!」

『あら大変、私も気をつけなきゃ』

みたいな会話が、お風呂場や脱衣所のそこここで行われていました。

みんなで生存確認している感じ^^

いいね、こういうの。

忘れてたね、こういうの。


【都会の独居高齢者は孤独】

って、思い込みなんだね!!!


こんな素敵な銭湯コミュニティがある広尾。

おしゃれでセレブなだけじゃないな〜と、ますます広尾が好きになったのでした。

「手ぶらセット」なんてのもあるので、広尾で、ひとっ風呂浴びてから美味しいお酒とごはん、なんてのも、今の季節とっても気持ちがいいかもしれませんね。

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