【 0.2gの差 】 一番大切なのにあまり知られていなこと
突然ですがこの鶏肉を調理する前に、あなたはどれくらいの塩をしますか?
(スーパーに売っている普通の鶏肉1パック)
鶏肉の調理法といえば唐揚げ、塩焼き、タンドリーチキン、カオマンガイ、棒々鶏、参鶏湯、ジャークチキン、チキンカツ...と実にたくさんある。ここに挙げた調理法だけでも、世界各国で愛されている食材であることが分かります。
鶏肉の魅力といえば、何と言ってもヘルシーで満足感があること。そして上記の通りバリエーション豊富な調理が可能なことではないでしょうか。
私は今毎日お弁当を作っていますが、鶏肉1パックあれば1日目は唐揚げ、2日目はスパイシーチキン、3日目は照り焼きチキン、という具合に同じ鶏肉でも飽きることなくお弁当作りを楽しめると思います。
話が逸れてしまいましたが、今日は鶏肉の魅力について語りたいわけではなく、調理をする上で最も重要な「塩」について、熱く語るべくnoteを書いています。
先に伝えておくと、これから私が話すことは夫が以前noteにまとめた「美味しい野菜炒めに必要な『ほんの少しの塩』の話。」がベースになっています。
なぜ今私が塩の話をするのか?
もともとそれほど料理が好きでも得意でもなかった私が、最近はプロ(夫)に「美味しい。これどうやって作ったの?」と"たまに”言われるくらいまでに上達した理由が、塩にあるからです。
ちなみに冒頭の鶏肉を調理する前に必要な塩の量は写真の通り。
(塩は豆皿にのせています)
この写真を見て、「え?多くない?」「調理をする前って?焼いてから味付けのために塩をふるんじゃなくて?」と思った方は、ぜひこのnoteを最後まで読んで欲しい...!料理に関してど素人な私が、こんなことを書けるようになるくらい塩の力はすごいから。
1. 塩の役割は味付けの為だけじゃない
−塩の役割
夫のnoteにもある通り、塩には主に4つの役割があります。
①塩味の為の塩(味付け)
②脱水の為の塩(水分量を減らすことで旨味が凝縮 / 魚の場合臭みを取る)
③甘みを引き出す為の塩(素材の良さを引き出す)
④下味の為の塩(素材の味に輪郭を持たせる←これはプロ向けだそう)
まず私は塩にこれだけ役割があることも、調理法によって使い分けることも知らなかった。調理をする上で最も重要である塩について、なぜ私はこれまで知らなかったのか?答えは簡単。誰も教えてくれなかったから。
私は昔からレシピ本を見るのが好きでした。料理はそれ程しないけど、料理の写真を見るのが好きで、暇さえあればよく見ていました。しかしどのレシピ本にも「調理をする前に1%の塩をしましょう」や「野菜を炒めるときは、野菜ごとに塩をしましょう」とは書いていなかった。もし書いてあるレシピ本があったら教えて欲しい...!
(最近よく参考にしているレシピ本たち)
塩をするのは大体食材を全てフライパンに入れた後か、仕上げの「ひとつまみの塩」。レシピによっては他の調味料のみで塩が登場しないこともあります。
私は料理人でも料理家でもないけど、これだけは言わせて欲しい。
「レシピに塩が登場しなくても、必ず塩は使おう」
なぜなら塩は味付けの為だけじゃなく、素材の良さを引き出す為に欠かせないものだから。
こんなことを書くと料理のことを分かっている風ですが、つい最近まで塩の役割なんてこれっぽっちも考えたことはない。
レシピ本に書かれていないのは、もしかしたら書くまでもないほど当たり前のことだからかもしれない。ただ特に料理の勉強をしてこなかった私には、その当たり前を知る機会はなかった。
−レシピ通りに作ってもいまいちな仕上がり
煮物や照り焼き等甘めの味付けの料理を作ったとき、レシピ通りに作っても「なんだかいまいちだな...醤油が足りなかった?みりんをもう少し足した方がいい?それとも煮込む時間が短かった?」等思ったことはないでしょうか?
私はある。
レシピ通りに作っても、味がいまいち決まらない。もちろん技術や経験の差が大きいと思いますが、何より足りていなかったのは塩でした。醤油でもみりんでもなかったのです。
繰り返しになりますが、肉、魚、全ての食材には調理前の1%の塩が必要だと言われています。味付けの為ではなく、素材の良さを引き出す為のものなので、火が通った後では意味がないのです。
(※炒めや蒸し器で野菜を蒸すときなどは、1%では多いので炒める前にひとつまみの塩をします。茹でる場合は、海水くらいの濃さ〈飲んで味を感じるレベル〉の塩をします)
そして難しいのが、1%以上の塩をするとそれはよく知っている「しょっぱい料理」になってしまうこと。調理のどの工程で塩をするかによっても、味の感じ方は変わるらしい...そこはまだ勉強中です。
※塩についての詳しい話や調理工程についてはぜひこちらを(有料だけど私も購入して何度も読んでいる)
結婚当初、夫が料理をしている姿を隣で見て「え!そんなに塩をしたらしょっぱくなるよ!?」とプロ相手に思っていました。それくらい塩=味付けの為だと思っている頭では、食材の1%にあたる塩は結構な量に思えてしまうのです。
ただ夫が作る料理は、どれも当たり前に美味しかった。それでも自分で作るときは「こんなに塩をしたら絶対しょっぱくなるよね...」となかなか1%の塩を出来ずにいました。
そんな私の姿を見かねた夫が、「大丈夫だよ。プロが言ってるんだよ?笑」と一緒に塩をしてくれました。初めて食材の1%にあたる塩を、はかりできっちり計量して作った料理は美味しかった。なんというか味が決まっていて、一気にレベルアップした感じ。これには自分でも感動した。
「もう少し美味しくしたい」「味に深みを出したい」と思ったとき、私は何か調味料を足すことばかり考えていました。
でも美味しい料理を作る為に必要なのは、そんなに難しいことではなかったのです。
2. 本当に美味しいものを作りたいなら、まず「はかり」を買おう
たった1%の塩で驚くほど料理が美味しくなる体験をして以来、私はレシピに塩がなくても必ず調理前に塩をするようになりました。
野菜炒めを作るときも、ニンニクを炒めた後にまず玉ねぎを入れて塩、次にキノコ類を入れて塩、そして白菜やキャベツを入れて塩をするようになりました。他に調味料は何も入れない。それが一番美味しい食べ方だと知ったから。
「無人島に何か一つ持って行くなら何を持って行く?」というお決まりの質問に、今は迷わず「塩」と答えるでしょう。
料理をすることに慣れてくると、きっちり計量せずアバウトに塩をすることがあります。プロはそれでも味が決まると思うけど、料理を始めて1年ちょっとの私がアバウトにやると、やっぱりいまいちになってしまうのです...
多分その差は0.2gとかそんなもの。逆にきっちり計量して作った日は「これ美味しいね。」と夫が褒めてくれる。そういうことが何度か続いて、やっぱりきっちり計量しようと今は欠かさずやっています。
これまで調味料をグラムで表記しているレシピは苦手でした。どうして大さじ1とかにしてくれないんだろうと思っていました。料理をしていないと、グラムで表記されてもいまいちピンと来ないのよ...。正直お菓子を作る以外にはかりを使うなんて考えたこともなかったです。
超おおざっぱな私がはかりを使って計量しているなんて、私を知っている人はびっくりすると思います。笑
3. そもそも美味しいって?
私は昔から食べることが大好き。母は料理上手で家で食べるご飯も美味しかったし、家族でよく外食もしました。
学生時代も食に一番お金を使ったと思います。周りの友達が居酒屋やファミレス、チェーン店の焼肉屋に行っている間に、平気で単価1〜2万円くらいするお店に行っていました。「6千円でこのレベルって、めちゃくちゃコスパいいね!」なんて生意気なことを言いながら、いわゆる隠れ家的なお店もたくさん開拓しました。パパ活でもなんでもなく、もちろん自腹で!
フランスでクロワッサンを食べたり、香港で飲茶を食べたり、スリランカでカレーを食べたり、トルコでサバサンドを食べたりと舌だけは肥えていたと思うな。
何を美味しいと感じるか、どのレベルを美味しいと感じるか美味しいの基準は人それぞれだと思います。
もしかしたらこの1%を少ししょっぱいと感じる人はいるかもしれない。その場合は減らせばいいと思います。自分好みの味に仕上げる為にも基準は必要。その為にもまずは1%の塩を試して欲しい。
本当に美味しいものを食べた時、きっと人は「これどうやって作ったの?」「レシピを教えて欲しい。」と聞くでしょう。
普通に「美味しいね」と言われる料理は、今のままの作り方でも良いのかもしれない。ただ一度調理する前の1%の塩を試して欲しい。きっと「どうやって作ったの?」と聞かれるはずだから!
追記▼
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