東京の女子大学生を案内して移住について思ったこと
阿南市では大学生の地域実習を受け入れている
どうやら東京の女子大学生運が強くなっているみたいで、GW明けにも阿南を案内していた。若い女の子はみんな東京から徳島県阿南市まで夜行バスを使ってやってくる(わたし調べ)。
徳島県阿南市では2016年より東京にある大正大学地域創生学部の地域実習を受け入れていて、1年生と3年生が約40日間阿南市に滞在しそれぞれの研究テーマをもって阿南市のことを調べたり地元住民に調査したりしている。2017年から関わっているが、関東近郊出身で学校にも実家から通っているような学生がほとんどで徳島どころか四国にも来たことがない子ばかり。電車もない近くにコンビニもない、街灯もないようなところでの40日間は都会で育った学生たちにとってどれも新鮮なことのようで、反応をみているだけでこちらも勉強になる。文化も言葉も違うから、まるで外国に来たように感じていることだろう。今はSNSでどんな遠くの地方のことでもわかるようになってきた。ただ、実際に「田舎暮らし」を体験してみること、旅行とは違って滞在して暮らしてみることで、想像していたものと全く違うということがわかるらしい。良くも悪くもだろうけど。
おじいちゃんおばあちゃんと暮らしたことがなかったり、おじいちゃんおばあちゃんちがいる田舎にいったことがないような子たちが、毎日おじいちゃんおばあちゃんと接して生活し、阿南市新野町にある文化や習慣について話を聞く。山を越えて学校に通っていたことや、お祭りのときには太鼓を叩いていたこと、川で遊んだ思い出、季節によっては家の農業を手伝うこと、そうやって町の中で育ってきたからこそ自分たちの育った町の自然や、文化やお祭りを大切にしたいと思う気持ちを話ししてくれる。学生たちは話を聞きながら、実際に自然に触れたり祭りに参加してここでの暮らしを体験する。地元の同世代の子たちもそんなのやったことないかもしれない。町にある文化や習慣についてそれぞれのストーリーを知ると、当然自分たちにも愛着が湧いてくる。そして自分の生まれ育った場所を振り返り、都会とはいえ地域を大切にしようとする活動はあるはずなのに見てこなかった、1度自分の住んでいる町のことも知りたいと語ってくれた。田舎で生活をしてみて、自分の育った環境への愛着の持ち方を教わって若者たちは都会へと帰っていく。
地域おこし協力隊なんて活動していて、日頃からこの町の素敵なところを伝えて大切にするとか風習を継ぐとか文化を守るとか言うこともあるけど、愛着にかなわない。実際に阿南市に愛着を持った学生たちは、自分たちの休みを使って遊びに来てくれている。しかも季節を変えて何度も訪れてくれるのだ。
お久しぶりですってふらっと遊びに来てくれた
実習以外に訪れてくれるのは2度目の彼女、それでもまだ阿南市で行ったことないところはあるということでまずこの季節ならでは川にかかった鯉のぼりを見に加茂谷へ。
阿南市はアサギマダラも訪れる場所で、最近SNSでもアサギマダラ情報が流れている。これはアサギマダラ見つけた!
なんて思ってたんだけど、後で聞いたらこれは全く違うらしい。アサギマダラはもっとマダラなんだって。でもきれいな蝶々だったよ。
そのあとは滝を見に。
移動中は近況を話し合ったり、今度の実習でやりたいことを聞いたりした。毎回実習の後にはもっとできることがあったんじゃないかなと反省するので、こうやって先に話を聞いておけるのは受け入れる側としてもありがたい。学生たちは徳島県阿南市を希望して実習に来てくれるので、やっぱりなにか出来る限りの事はしたいと思うもの。かと言ってひとりでどうにかなるものではないので、先に話を聞いておけると協力者も募れる。地域住民と学生たちとでは、年齢にも差があるしちょうど私たち世代は間ということになるだろう(ちょっと若者よりではあるはずだけど)。若い人たちのやりたいことが叶うようにできることはしたい。
水に触れられるのがうれしいようで、川でも滝でもそばまで寄っていって「水冷たいですー!」ってはしゃいでいた。
都会で大学生活を送り、特に都会の生活をいやだと思っているわけでも窮屈に感じているわけでもない人が感じる田舎の生活の魅力ってどんなものなんだろう。他と比べて何がいいの?という問いに答えてほしい気持ちがある。自然がいいとか釣りができるとか山登りができて最高ですとか。
地域おこし協力隊として活動し始めて、田舎暮らしをしたいという人に触れる機会が増えた。自然のなかで暮らしたい、のんびりと時間の流れる場所に身を置いてみたい、季節を感じたい、というもの。私もそういう気持ちがあったと思う。でも、自然のなかに身を置くなんてじつはどこの田舎でもできることである。子育てに向いている環境とか、田舎で暮らすとか、趣味ができる場所とか、色々と移住の条件はあるだろうけど、ただここで暮らしてみたいという理由が1番のきっかけになるんだろうな。どうしても移住の決め手になるようななにかを見つけて伝えたくなってしまうけど、きっとそういうの聞き飽きているだろうからなんだかわかんないけど好きなんですっていうのでもいいのかなって思った。
また秋に・・・
この秋にもまた実習に来てくれるので私たちは彼女たちが愛着を持って取り組んでくれることを全力で協力したいし、こっそり私も勉強したい。
読んでくださってありがとうございます。精進料理がきっかけで移住したと言えるくらい精進料理の世界にはまっていますが、食べるものはなんでも好きです!四国は野菜に果物、お魚などおいしいものがたくさんあるので、食べものに使わせていただきたいと思っています。レポートします!