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田舎の寄り合いと人付き合いと世代交代システム

田舎へ引っ越す際の心配事といえば「付き合い」ではないだろうか。移住相談でも消防団や町内会について聞かれることもしばしばある。これは地域や所属している人によると思っているのでいいとも悪いともなんとも言えない。消防団というと操法大会の訓練で仕事終わりや休日に出なければならなかったり、お酒を飲むのに集まっているとか聞くけれど、火事の時には1番に駆けつけてくれるのはもちろん、大雨の日に危険な場所があると出動して夜通し詰めてくれたり、行方不明者がでると(認知症による徘徊で帰ってこなくなったりすると町内放送がある)総動員で探してくれる。町内の山道や川のことをよく知っている地元の人が見回ってくれるのは本当にありがたいことだろう。

私は地域おこし協力隊としてこの町に来てから、婦人会によくお世話になっている。資源回収をしたり、敬老会、料理教室体操教室を開催したり、お遍路さんへのお接待(四国で88カ所を巡礼しているお遍路さんにお菓子などの施しをする文化)をしている。この会に参加したことで地域の文化、行事やおいしい野菜と魚、季節ごとの生活の知恵などよく知ることができたし、地域に溶け込むきっかけになった。昔は婦人会活動も活発に行われ、町内で婦人会の体育祭が開けるくらい会員も多かったそう。結婚を機にこの町へやってきた女性には、同じような立場の人が集まる交流の場だったようだ。この団体に若い人はいない。
田舎の家というとおじいちゃんおばあちゃんから孫やひ孫まで一緒に暮らしているような大家族のイメージがあるが、この町でも核家族がほとんどである。阿南市には大きな企業(化学企業や電力会社など)もいくつかあり、社会人=安定した職に就くことというコモンセンスがこの地域で暮らす人にはある(どこもそうか・・・)。企業や役所、教員、銀行員に就職して会社の近くに住む方がいいと考えられているから阿南市内の都市部の方へ移ってしまって核家族化しているんだけれど、町の習慣は昔のまま残っている。
今までは、親の代から引き継いで参加しているからどこの家の誰なのかわかっている人だけで町内にある会ができていたし、それが当たり前のことだったけれど、私たちの町には移住してきている家族や核家族だけど引っ越して来ていたり、嫁いで来ている人もいるから、間口を広げて会のあり方を見直してみればいろんな人が参加しやすくなって町内のことを共有していけるんじゃないかなぁと思う。町のための活動にまで全部参加するように!となると子育てしている家庭では負担になってしまうから、町全体で大家族になるイメージを持って役割分担を目指したいな。

これは地域おこし協力隊としてこの町にUターンしてきたから思えたことだ。ただここへ引っ越してきていたら町で活動している人とも関わりのないまま、何かの折に休日に参加を要請されてめんどくさいなと感じていただろうし、移住してきている家族や嫁いできたけど知り合いもいない状態にある人の存在もわからなかったはず。地域活動に参加したことでその良さや続ける必要性も感じた(いらないところもあるとは思っている)。そして町のことを知りたいと思っている人もいるけど、今までの引き継ぎシステムだとそれが繋がっていない。引っ越してきた側が挨拶に行ったり、また迎え入れる側が気遣ったりしているとなんだか上下関係のようなものができてしまって不自然。外から来た人と町内にずっといる人が自然に関わる機会があるといいよね。


読んでくださってありがとうございます。精進料理がきっかけで移住したと言えるくらい精進料理の世界にはまっていますが、食べるものはなんでも好きです!四国は野菜に果物、お魚などおいしいものがたくさんあるので、食べものに使わせていただきたいと思っています。レポートします!