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もっと本格的に取り組むべき!ヒューマンスキルを育む教育

こんにちは、希空です。
本日もお読みいただきありがとうございます。

休講が続き、学力格差の拡大が問題となっています。しかし、学びに向かう力や主体性が育まれていれば休講はこれほど大問題にはならなかったように感じます。今まで主体的な学びの普及・育成に力を注がなかった日本の教育が今の子どもたちを苦しめているように感じます。新学期の9月開始が5年後から始まるのではという情報もありますが、今の子どもたちは、この学年の学習内容を2ヶ月少ない期間で終わらさなければなりません。それに加え小学校では2020年度より新しい学習指導要領が施行され現場の混乱も予想されます。それにより十分に学習内容を理解できなかったことが原因となり、将来コロナ世代などと呼ばれることがないことを祈ります。同時に、現在教育現場で円滑に教育が行われるように対策をしてくださっている教師の方々にも感謝いたします。

本日は学校教育におけるヒューマンスキルの育成について考えてみたいと思います。

成長

失敗の捉え方

学校生活と社会生活の大きな違いに失敗の捉え方があると思う。

学校では常に正しい行動をし、正しい答えを導き出すことが求められる。
そして間違えた答えを出すと点数はもらえない。

社会では失敗は成長の過程であると考えられ、失敗したときに備えながらも時には新しい方法に挑戦することが求められる。
そして、失敗をしたとしてもそこから何を学びどのように成長するか、どのように次に繋げるかが評価される。


小学校入学から高校又は大学卒業まで10年以上も正しさを求められ、失敗を受け入れられない環境で育てば、社会人になってからも、失敗を恐れ出来る事しかしない、指示されたことだけをすることは当たり前だろう。
いきなり失敗を恐れるな、失敗から学べというのは無茶ではないだろうか。

失敗を評価する教育

現在の学校教育では、ほとんどの学校で絶対評価を採用されている。教育は学びに向かう力・人間性の育成、知識及び技能の習得、思考力・判断力・表現力の育成を目標に行われている。さらに2020年からは、主体的・対話的な学びを実現するために学びの過程も重視することとなった。

次第に、身に付けた知識・技能だけでなく、人間性や思考力などや学びの過程を評価することができる教育システムに移行している。これは素晴らしいことであり、これからも児童・生徒一人ひとりが個別に評価される環境を整えていく必要があると考えている。

子ども

ヒューマンスキルの育成

企業が入社してきた新入社員に足りていない能力としてよく上げるのが、問題解決能力・主体性・粘り強さ・チームワーク力である。一方新入社員が自分に足りていないと感じるのは、語学力・PCスキル・専門知識である。つまり企業はヒューマンスキルの低さ学生自身はテクニカルスキルの低さが問題だと感じている。

なぜ学生は自分自身に足りないものはヒューマンスキルではなくテクニカルスキルと感じるのだろうか。
なぜヒューマンスキルが足りていないと自覚することができないのだろうか。


1つ目の理由は、学生時代に求められてきたことが結果であったからだろう。入試を経験する時期になると、学校は検定の習得を推奨する。書類・筆記試験・面接と少ない資料で合否を判定される入試において、その児童・生徒が持つ能力を分かりやすく証明するためだ。これは就活でも同じだ。語学力やPCスキル、専門性の高さを証明し内定をもらうために、検定を取得することを推奨する。そして学生に対して、TOEIC〇〇〇以上取得していないと就職できないぞなんて言うこともある。テクニカルスキルが足りいないと怒られることはあっても、ヒューマンスキルが低いと怒られることはほとんどないのが現状だ。

2つ目の理由は、トレーニングの不十分さだろう。授業内でグループワークやディスカッションを行う機会があまりにも少ない。教えなければならない学習内容に追われ児童・生徒自身が学びを深める機会が不足している。児童・生徒は与えられた課題を終わらす、課題が終われば終了と課題をこなすことが勉強することであると認識している。本当の勉強とは、興味関心を持ってその事について学びを深め、自身の見通しを証明するために様々な方法を使って検証する、又調べ学習を行うことである。そのため教育機関に求められるのは児童・生徒に興味と対象となるものを繋げ、学びを深められるよう物的環境・人的環境を整えることではないだろうか。

3つ目は学生と社会人の交流が少ないことだろう。インターンシップなどに積極的に参加しないかぎり、学生と社会人が共同を作業することはない。だから、学生は学生同士で関わりお互いヒューマンスキルが乏しいため気付くこともないし、社会人から指摘される機会もない。アルバイトは社会経験であるが、社員とバイトで業務内容が分離されていることも多く、社員に刺激されてスキルを伸ばそうと感じる学生は少数である。

先日面白いことを知った。1947年に小学校では自由研究が教科として導入された。民主的な生活様式を身に付けることを目標として、個人の興味と能力に応じた自由な学習、クラブ活動、当番や学級委員会としての仕事の3種類が含まれた。実際は、教師が何を教えたらいいのかを分からず国語や算数の補充時間に当てられることが多かったようだ。結果教科としての自由研究はたった4年で終わりを迎えた。現在は各学校の決定に基づいて夏休みの課題として自由研究が課されることが多いが、選択性である場合も多く自由研究をしたことがない児童・生徒もいる。

自由研究が教科から外されたことに対して、私は教師が”何かを教えなければならない”と感じていることが問題ではないかと思う。社会に出れば答えのある問題などほんの一部である。日常生活の中から問題・疑問を見つけ出し、自分なりの見通しをたて、それに基いて検証・調べ学習を行う。自分の見通しが間違っていると分かれば修正し、新たな疑問が生まれればまた検証・調べ学習を行う。教師はその手助けを行う存在であって、児童・生徒に正解を教えるのが全てではない。

ヒューマンスキルを育むために

ヒューマンスキルを育むにあたり自由研究はとても良いと思う。高校生又は大学生になれば卒業研究や卒業論文を作成することも多い。しかし高校生・大学生までに、自分でテーマ・研究手順をたて、実行し結果をまとめ、さらに考察を行い、全体のまとめを作成したことがある学生がどれだけいるだろうか。残念ながら現在の小学校・中学校ではそのような機会はほとんどないように感じる。小学生のころから、疑問を調べ・発表する学習をもっと活発に行っていればヒューマンスキルも育まれるのではないだろうか。

では小学生に対してどのように働きかければいいのだろうか。漠然と気になることを調べなさいといってもほとんどの生徒は何も行動できないだろう。そこで教師が手助けを行う。

1.テーマを設定する。
  児童・生徒に身近なテーマをいくつか提示し、どれが気になるかアンケートを取る。
   例)・運動会で保護者全員が自分の子どもを最善で見られるようにする方法

2.問題点を探し出す。
  なぜそれが問題なのかを問い、問題点を明確にする。
  様々な視点から考えられるように声掛けを行う。
  例)保護者が自分の子どもが頑張っている姿が見れないと悲しいから。
    児童・生徒自身が頑張っているところを見てもらえないと悲しいから。
    写真や動画を綺麗に取れないから。

3.各問題点に対して解決策を考える。
  このとき実現不可能なアイデアも全て受け止める
   例)競技をしている学年の保護者しか前列に行けないようにする。
     学年ごとに時間を区切ってまとめてする。
     保護者は全員立ち見にして、すぐに動けるようにする。

4.出たアイデアを実現可能な形に変える。
  実現不可能なアイデアについては、なぜ実現不可能なのか(問題点の明確化)、どのように改善すればよいのかを考える。
  金銭やスペースなど現実的なことも考えられるように情報を提供する。
  例)・競技をしている学年の保護者しか前列に行けないようにする。
     →どの学年の保護者か分かるように学年カードを身に付けてもらう。
     →保護者は応援団として、学年のカラーが入った服を着てもらう。
     学年ごとに時間を区切ってまとめてする。
     →連続で協議すると疲れるため難しい。
     保護者は全員立ち見にして、すぐに動けるようにする。
     →前列のみ立ち見にして留まらないようにする。
     →シートスペースを端に設ける。

5.発表に向けてまとめる。
  これまでの過程を人に伝わりやすいようにまとめる。
  例)・模造紙に書く。
    ・パワーポイントを使う。(児童・生徒がレイアウトを考え教師が打ち込みをしてもよい。)
    ・イラストや色分けに気を使い、伝わりやすい資料を作成する。

6.発表を行う。
  授業のまとめとして、校長や他の児童・生徒、保護者の前で発表を行う。
  例)・授業に校長を招いて発表する。
    ・授業参観で発表をする。
    ・集会で他学年の生徒に向けて発表を行う

以上のように、問題の発見・明確化から発表まで児童・生徒が主体的に活動することができる環境づくりが必要である。

あぁ 答えがある問いばかりを 教わってきたよ そのせいだろうか
僕たちが知りたいのは いつも正解など大人も知らない
(正解/RADWIMPS)

最後までお読みいただきありがとうございました。サークルや他のページもよろしくお願いします。

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