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【合理的配慮は「つかみ取っていくもの」】申請が通るまでの4つのハードル

合理的配慮を希望していながらも、実際には配慮を受けられない、どう動いたらわからない、といった方もいらっしゃると思います。

残念ながら、今の日本ではまだ合理的配慮は「もらう」ものではなく、自ら「つかみ取る」ものなので、能動的に積極的に動き手に入れなければならないのですが、その方法が明確ではないなと感じています。

そこで、今回は合理的配慮を通す際によくあるハードル、ぶつかる人が多い問題点について書きました。

【合理的配慮をもらうまでの4つのハードル】

合理的配慮をすすめるにあたって、どうしても乗り越えなければならない4つのハードルがあります。

①本人の理解
②管理者の理解
③学校が実現可能な要望か
④周囲の理解

①本人の理解

合理的配慮をもらうためには、当然ですが本人の困り感を本人が他者に伝えなければ、周囲は何に困っているのかがわかりません。

子どもが小さいと、この困り感が言語化できず、なかなか支援ができないということもあります。

その場合は、周囲の大人たちが観察をしアセスメントすることが大事です。

また、困り感を伝えるということは、自分の特性=発達障害を理解するということです。

つまり、場合によると発達障害を本人に告知する必要がでてきます。

実際、娘の場合も小学生の時は本人の自覚がある聴覚障害のみ告知し、学校に配慮を求めました。

ASDについては、もちろん診断書を入学時に提出しているので先生方もご存じですし、「傾向と対策」を病院の先生と私から伝えていましたが、

実際本人に困り感がないため学校としても特に配慮はしていなかったように思います。

ですが、中学生になりASD症状がいよいよ強くなってきたため、本人に「いつ」「どのように」告知するか考える日々を過ごしました。

当然ですが、告知はとてもデリケートな課題です。

私は本人に困り感が出てきた時、自分と他人の違いに気づき始めた時がチャンスだと、常々考えていました。

が、本当にその時がきたときは、少し戸惑いました。本当に告知していいのか、自尊心が傷つかないか・・・。

なので、私が告知に際に気を付けたことは、

「発達障害は一つの個性であなたは〇〇という特徴があるんだよ」と明るく説明すること、

「だから▲▲は苦手だよね。それは〇〇だからだよ。だから、今度からは◆◆にしようか」というように、

困り感の理由を伝えることで安心感を与え、改善案を提案することで見通しを立てることを意識しました。

おかげさまで告知はうまくいき、今では本人が自分でいろいろ調べ、自分がよりよく生きていけるような方法を模索し、その内容を私が学校の先生に伝えている状況です。


②管理者の理解

本人の理解が出来、困り感を言語化して学校に配慮を求めたとしても、学校側が受け取らなければ配慮につながりません。

今の学校の先生は昔と比べて、かなーーーーり理解が進んでいますが、残念ながらご年配の先生やこれまでの教育方針に自信のある先生などには、まだまだ理解をされない人がいるのも現実です。

担任の先生に相談をして却下された場合は、教頭に伝えましょう。

実は、小5の時に初めて合理的配慮を要求した際、この方法をとりました。担任の先生の理解が得られず・・・残念でした。

教頭でダメだった場合は校長、それでもダメだった場合は市町村の教育委員会、それでもダメだったら都道府県の教育委員会に相談しましょう。

その際に考えていただきたいことが、それだけ断れるということは何か理由があるかもしれません。それが次の項目です。


③学校が実現可能な要望か

例えば、文章の読みに課題があり、教科書の文章を読み上げる「音声ソフト」を「ipad」で使用したい場合、その「ソフト」と「ipad」をどちらも学校負担で準備してもらうことを要求しても、それは通らないかもしれません。なぜなら、リソースがない場合があるからです。

これからICT教育が進み、いずれ学校側がそういった機器を準備する時期が来ると思います(実際私立学校や一部公立校では始まっています)が、今は出来ないという事情は現実的にあると思うんです。

なので、そういった場合は、一旦ゴール地点である「ipadで読み上げソフトを使用しながら授業を受けたい」という希望を伝え、学校が「ソフト」と「ipad」を自己負担の場合は了承する、と答えた場合、私はそれを飲むべきかと思います。

よく話し合い、どこを着地点とするかを見極めていきましょう。


④周囲の理解

地域や環境によっては、これが一番難関になるかもしれません。

「〇〇ちゃんだけタブレットずるーい」
「〇〇ちゃんだけ授業受けなくていいなー」

といった同級生の声や、

「〇〇さんだけ特別扱いはできない」
「他の子に対して不公平になる」

といった学校側の意見で使用が認められないこともあります。


私の場合、小学校は理解が進んでいない学校だったため、ネットで調べた全国の実例を提示したり(他県ではこのような対応策もされてるみたいですよ~)や、同県他校の情報を集めて提示したりしました。

中学校では、入学後すぐPTA役員に就任、早い段階で先生方と顔見知りになっておきました。顔見知りの保護者、知り合いの保護者であれば話が早いかと思い、シングルマザー、Wワーカーですが頑張りました。

功を奏してか、もともとこの中学校の理解があったのか、合理的配慮はすんなりと許可がおりました。

学校は基本的には子どもたちの味方です。ですが、人間です。どうしようもない事情もあるでしょう。

なので、それに対してあらかじめ対策をとっておくというのも一つの方法です。

おすすめは「平等・公正・配慮」で検索してヒットしたページを印刷し、学校側に読んでいただくのも一つの方法です。

【まとめ】

今回は合理的配慮を通す際によくあるハードル、ぶつかる人が多い問題点について書きました。この記事を読んでいただいている方でお悩みの方の少しでも光明になれればと思います。

今後は実際に行われている合理的配慮の実例をお伝えできればと思います。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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