追いかけたくなったら来てね
推しくんに、借りていた本を返した。
同じ職場で、ちょうど推しくんが昼休み歯磨きを終えたタイミング。
誰もいない時を見計らって、
ちゃんと自然な笑顔でありがとうといえた。
推しくんはそのタイミングで本を返されることが
予想外だったみたいで、
驚きながらも
全く関係のない世間話で笑わせてきた。
ちゃんとわたしも笑えた。
✴︎ ✴︎ ✴︎
本当は、今度2人で会えた時に返すつもりだった。
これまでの私なら確実にそうしていた。
きっと推しくんもそのつもりだったと思う。
でもなんか、たかだか本2冊で
必死になって繋ぎ止めてるみたいで
いやだなって。
だから返した。
推しくんが私と2人になりたいなら、
また前みたいにきっと誘ってくれるはず。
でも手元にある限り、私はずっと考えちゃう。
だから、笑顔で。
「どうして誘ってくれないの」
でもなく、
「もういい。」
でもなく、
単純に、
「ありがとう、面白かった。
いつ返せばいいかなってずっと気になってて。」
と、
それはそれはかわいい笑顔で
(自分で言う、だってすごく頑張ったから)
推しくんに言えた。
推しくんはその後1日やたら話しかけてきた。
それにはちゃんと笑顔でこたえた。
✴︎ ✴︎ ✴︎
でもね推しくん、
推しくんが好きになってくれた私って、
もっと自由だったよね。
推しくんの顔色なんてうかがったりしていなかった。
だから本を返したの。
ふふふ、かっこ悪いわたしなんてごめんだ。
追いかけたかったらきてね。
イヤなら別にいいもんね。
さ、軽く飲んでこよ。
✴︎ ✴︎ ✴︎
年上のおねえさんたちに、
何も言わずかわいがってもらいました。
ありがとうおねえさんたち。
ごちそうさまでした。
明日も仕事、がんばります!!
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