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《考察論》カスタムロボV2オンライン対戦をエアリアルビューティー(AB)で戦う


0. 読み方

0.1 ★マークを追うと良いです

 本記事は、4万文字を超える大作です。
 すべてを読もうとすると、私の文章が冗長なのもあって疲れてしまうと思います。
 目次を追うだけでも、内容がなんとなくわかると思います。
 ポイントだけ押さえたい人は、まず、★マークの付いた項目だけを読むと良いです。

0.2 自分でABを動かしてみてね

 当初、分かりやすい記事とするため、各項目の解説に動画や図を付けようと思っていました。しかし、上手く描けなくて断念しました。
 書かれている説明へのイメージが湧かない時は、フリーバトルで実際に触って確かめてみて下さい。できれば、実戦で確かめてみてください。

0.3 《基礎論》の紹介

 この《考察論》は、カスタムロボV2の対戦をある程度遊んでいる人に向けて、実践的な内容をミッチリ書きました。ですから、読み手が対戦自体のイロハを持っていることを前提に書かれています。
 もし、まだ対戦を始めて日が浅いようでしたら、先に《基礎論》を読むことをオススメします。初心者に向けて、コンパクトにまとめました。
 《基礎論》を読みながら実際にABで遊んで、対戦に慣れる中であなた自身の感覚を身につけてほしい。その後、あなたの感覚と、私の《考察論》を比較するようなイメージで読んでみてほしい。そんな気持ちです。

1. はじめに

 本記事は、カスタムロボV2オンライン対戦におけるエアリアルビューティー(以下AB)について、私が実戦から得た経験・考察した内容をまとめたものです。私が持っているABのノウハウをすべて詰め込んだつもりです。また、一部に机上論を含みますが、それらも実戦経験に基づく推察です。
 私の考察が妥当であるかは分かりませんが、少なくとも本記事は、内容に矛盾が無いように構成したつもりです。

 2章では、ABの【基本性能】から出発し、ABというロボが持つ『性質』を導きます。次に、【性能】と『性質』に則って、実戦における立ち回りについて考察します。
 3章では、ABの機体制御について記します。機体制御の方法を示しながら、ABにとっての重要性を考察します。
 4章では、ABにとって有用なパーツについて考察します。パーツの基本性能と使い方を示します。また、必要に応じて、当該パーツとABとの相性について論じながら、ABへの理解をさらに深めます。
 5章では、サンプルカスタマイズと使い方を示します。手っ取り早くABで遊びたい場合は、参考にしてみてください。
 6章では、各ロボおよび流行ガンへの対策を検討します。なぜ苦手なのかを考察し、私の実戦経験を基に対策方針を示しました。
 7章では、ABの得意とするステージ・苦手とするステージを考察する予定です。未執筆です。

1.1 記事執筆の目的

(1)初級者で、ABを使って中級者へのステップアップを果たそうとする人のうち、指針を必要としている人に向けて、ABの実践的な戦い方を示すこと。
(2)中級者で、独自のABを確立している人に向けて、更なるブラッシュアップの参考となること。
(3)中級者で、ABをサブの手札にしようとする人に向けて、検討の材料を提供すること。
(4)ABを対策しようとする人に向けて、AB視点の資料を提供すること。
(5)対戦人口全体に向けて、対戦における考え方の例を示すこと。各人のゲーム研究が発展し、全体でよりレベルの高い対戦ができること。
(6)言語化を通して、自身のAB像をより緻密にすること。

★1.2 御断り

(1)対戦のルールは、「カスタムロボ交流サーバー」の「#競技用レギュレーション」を前提とする。詳細は1.3節に示した。
(2)適宜、パーツ名を略記する。
例1:エアリアルビューティー→AB
例2:クレセントボムP→クレセントP
(3)水平方向とは、x軸、y軸方向のこと。垂直方向とは、z軸方向のこと。
(4)横移動とは、水平方向で相手との間合いを変えない移動のこと。前後移動とは、水平方向で相手との間合いを変える移動のこと。縦移動とは垂直方向の移動のこと。
(5)高空ロボ(あるいは高空系ロボ)とは、特に断りが無ければ、SSハイ、FVハイ、FOフェザー、FOワイドを指す。
(6)事実と私見が混じっている。また、同じ表現でも文脈に依って意味が異なる。読み手で上手く分類・解釈してほしい。
具体例を挙げる。
例1:「ABは滞空時間が短い」→私見
 比較対象が書かれておらず、ABとはそういうものだ、という私的な解釈が混じっている。
例2:「ABはFOと比べて滞空時間が短い」→事実
 比較対象が書かれている。フリーバトルにおいて同一条件下で滞空時間を比較すれば事実である。

1.3 #競技用レギュレーション

2023年7月22日時点での「#競技用レギュレーション」を以下に示す。

禁止パーツ、限定禁止パーツ、限定解禁パーツがある
激闘編と同様、試合時間は120秒である。また、公平を期すために先制攻撃が禁止されている

2. ABの『性質』

 2章では、私がABの基本行動・基本性能だと考えることに【 】を付した。これらは、ABについて考察するための【基礎】になる。
 そして、そこから私が導いたABの性質(得意なこと・苦手なこと、できること・できないこと)に『 』を付した。これらは、ABで戦うための『基本』となる。
 【 】『 』を付したのは、実戦について考察する上で、【基本性能】に注視し『性質』を意識したいからである。なお、3章以降は必要な時以外は省略する。


 【滞空時間】は、厳密には【ジャンプ上昇速度】【落下速度】【最大高度】等の基本性能から導かれる性質であろうが、ここでは基本性能に分類した。

 【基本性能】と『性質』は筆者自身が混同しているかもしれない。文脈に依ってどちらに解釈すべきか変わることだってある。

★2.1 総論

▼【基本性能】と『性質』
 ABは、【耐久性能が低い】代わりに【空中性能が高い】『回避型』の多段ロボである。
 【ジャンプ】は瞬発力がある。これを基本行動として動きを組み立てると良い。また、【多段ジャンプ】は攻めや逃げの起点となる行動だ。
 最も特筆すべきは、【空中加速が高い】ことである。空中で小回りが利くことを生かして、『相手の攻撃を回避したり』『自分に有利な間合いや位置取りを維持することが得意』だ。
 【防御力】【我慢値】が低いため、回避は徹底したい。
 【多段ジャンプ】と引き換えに、【空中ダッシュを持たない】。【水平方向に遅い】ため、『相手を捕まえたり相手から逃げたりするのは苦労する』。これを如何に補うかが、練度の出るところである。

▼立ち回り
 遠距離での回避戦をベースに考えると良い。ABの空中小回りは、『相手からの確定しない攻撃を回避するのに向く』。
 しかし、回避戦だけで試合が終わることはほとんどない。自分から攻める場合は、どのようにして圧力を掛けつつ間合いを詰めるか。相手から逃げる場合は、どのようにしていなすか。こうした攻防展開においては、技術と立ち回りの双方を、ハイレベルに求められる。

2.2 ABの【基本性能】

Ⅰ. 機動力

 【ジャンプ】・【多段ジャンプ】について、性能と使い方を記す。さらに、【空中性能】と【地上性能】について記す。
 自分と相手のカスタムに応じて、各行動を適切に割り振るべし。

(1)【ジャンプ】

▼ABの基本行動
 ウサギが跳ねるイメージ。ABは【着地隙が小さい】ので、ジャンプを繰り返して跳ねながら移動できる。
 ただし、空中主体ロボであるのに、【ジャンプ高度は低い】。

▼ジャンプ始めを積極的に使おう
 【ジャンプの上昇が速く】、【水平方向の初速も速い】。
 瞬発力があるから、『相手の攻撃を回避しやすい』。

(2)【多段ジャンプ】

▼【多段ジャンプ】の使い道
 空中で最大2回までジャンプできる。
 高度を伸ばしたり、滞空時間を延ばしたり、着地タイミングをずらしたりするのに使う。
 攻めるにしろ逃げるにしろ、相手の頭上を取る時に使う。

▼【多段ジャンプ】にはリスクがある
 【多段ジャンプには前隙が存在】して、硬直中は水平速度が0になる。ここに弾速のあるガンを撃たれると被弾する。
 さらに、【多段ジャンプすると着地隙が大きくなる】。
 以上より、ノーリスクの行動ではない。【多段ジャンプ】する場合は、これらのリスクを常にケアする必要がある。

▼垂直方向への回避に向く(他ロボの多段ジャンプとの比較)
 FV、LSの多段ジャンプと比較して、【多段前隙は大きい】が、【上昇高度が高い】。そのため、多段ジャンプを使って垂直方向へ回避する場合(例えば対グライダー)、FVやLSに勝る。

(3)【空中性能】

▼【空中加速が高い】
 AB最大の長所
である。スティックを動かした方向へ素早く旋回でき、小回りが利く。『プレイヤーにとって操作がしやすい』、ということに繋がる。ABで戦うならば、ぜひ空中加速を生かしたい。

▼【垂直方向に速い】
 【ジャンプ上昇速度】はもちろん、【落下も速い】。垂直に機敏に動くことができる。裏を返せば、速い分だけ【滞空時間が短い】ということでもある。

▼【水平方向に遅い】
 【空中ダッシュを持たない】ためである。同じ多段ロボであるFVやLSワイドと比しても遅い。

▼【着地隙が小さい】
 そのため、着地後、すぐに次の行動に移ることが可能だ。

(4)【地上性能】

▼地上主体で戦うことも視野に入る
 【地上加速が低く】、【地上最高速度が速い】。【旋回性能は回避に困らない程度】である。
 低い地上加速さえ補ってあげれば、最高速度を生かして地上主体で戦うことも可能だ。

▼ABにとっての地上移動
 基本的には相手の対空パーツへのその場しのぎで、強い行動ではない。しかし、利点と欠点を把握すれば、動きの幅の一つとできるはず。
 以下、一般的な空中主体ABにとっての地上移動について考察する。
 通常、SV、WS、BB、MG等のロボの地上移動は、「直線的な空中ダッシュ」「空中加速が低いため空中で小回りが利かない」ことに対し、「小回りの利く地上移動」という意義がある。対して、ABは空中で小回りが利くから、地上移動にその意義は無い。
 しかも、ABは【地上加速が低い】ため、着地→走る という行動は隙だらけ。ABは走る選択を取りにくく、【ジャンプの瞬発力が高い】ことも相まって、着地⇒ジャンプ となりがち。
 そんなABにとって、地上移動の利点は何か?
 まず、相手の対空パーツをやり過ごせること。
 次に、相手の射線を壁で遮れること。ただし、こちらの射線も通らなくなるが。
 次に、ガンやボムの地上撃ちを使えること。例えばスナイパーは空中撃ちより地上撃ちのほうが発生が早く、相手に差し込みやすい。特にガンは、スライドショットができる。地上最高速度の速いABはスライドショットを強く使える。
 最後に、アタックを撃てること。ABのアタックはそれなりに優秀で、対近行動やコンボの選択肢が増えるのは良い。

Ⅱ. 耐久力

 攻撃を食らってはいけない理由が、ここに詰まっている。
 相手が牽制で放つ単発攻撃は、ABで戦うなら回避しなければならない。

(1)【防御力】

▼【防御力は標準ロボより低め】
 フレア(ノーマルスタイル)で4。
 相手のコンボをまともに受けると大ダメージ。
 一つの操作ミスは大きなダメージを受けることに繋がる。小回りの利くABで操作ミスによる被弾はあってはならない。

(2)【我慢値】

▼【我慢値は標準ロボより低く】、ダウンしやすい
 低め。
 スナイパーやVレーザー空中撃ち、果てはバブルでダウンする。

▼ダウンしやすいことの意味
 ダウンすると相手に主導権を握らせてしまい、こちらのやりたかった展開がリセットされてしまう。リトルが展開を維持しにくく、MGが展開を維持しやすいのはこれが理由。

(3)【ダウン時間】と【ダウン中に受けるダメージ】

▼どちらも標準ロボと同等

(4)【体の大きさ】

▼標準的であるため、回避主体の立ち回りが成立する
 リトルほど小さくはないが、相手の攻撃を回避する上で困らない。
 TFはABと同じく空中加速の高いロボであるが、回避型のロボではない。その理由は、体が大きすぎて色々な攻撃にバカスカ当たるからだ。『ABはしっかり回避できる』。

(5)【被弾硬直】

▼標準的
 これが長いと色んな攻撃が連続ヒットしたり、コンボが確定しやすくなったりする。

(6)【攻撃力が5%低下する】

▼『ダメージレースで相対的に不利』
 全ロボ中、ABだけが持つマイナス性能。
 相手との耐久力の差が相対的に大きくなる。
 ABの防御力は数値以上に低いと認識すべし。

2.3 ABの持つ『性質』

 【基本性能】を元に、『性質』を列挙する。関連する性能を【 】で示した。
 それぞれの『性質』には似ているものもある。「表現は違えど同じようなことが何度も書かれているな」と思ったら、それだけ重要であるということ。それらは同じ【基本性能】に由来することも多いだろう。
 また、ここに挙げたもの以外にも『性質』はたくさん導くことができる。考えてみることで、ABへの理解が深まるだろう。

★(1)『確定しない攻撃の回避が得意。回避戦が得意』

【空中加速】【ジャンプ速度】【多段ジャンプ】【落下速度】【着地隙】
 【優秀な空中小回り】のおかげで、『相手のボムポッド爆風を回避することが得意』。例えば地面にアイドリングDがばら撒かれていても、小回りを生かして爆風の無い地点を狙って着地できる。
 中距離以遠から放たれる設置ガン・遠距離ガンも、【空中加速】や【ジャンプ速度】を生かして精度よく回避できる。
 『水平方向、垂直方向のどちらにも回避可能』。
 【着地隙が小さく】、『着地際に相手の攻撃が確定していないことも多い』。

(2)『相手の攻めをいなすことが可能』

【空中加速】【ジャンプ速度】【落下速度】【着地隙】
 例えばMGの「ダッシュ接近→ガン」に対して、【空中加速】を生かして『旋回して回避することができる』。
 回避したら、ガンの後隙にカウンターを叩きこもう。
 なお、SVやWSはダッシュが速いため、見てからの旋回では対応しきれないことが多い。

★『(3)撃ち合い(殴り合い)が苦手』

【防御力】【我慢値】【攻撃力5%低下】
 『撃ち合い(殴り合い)の状況は苦手』である。
 【我慢値が低い】ため、『オーバーロードして撃ち負けやすい』。仮にターン制バトルの状況になった際、【防御力が低い】ため『ダメージレースで不利』を負う。
 撃ち合いに付き合わず、しっかりと相手の攻撃を回避することが重要だ。

★(4)『間合いの細かい調整が得意』

【空中加速】【多段ジャンプ】
 【空中で細かく動ける】ため、『相手との間合いを調整しやすい』。
 例えば、こちらのフレイムの射程端ギリギリの間合いを維持して、相手に圧力をかけ続けるような動きができる。
 水平方向に限った話ではなく、垂直方向の間合い調整も得意だ。多段ジャンプを上手く使おう。

(5)『有利な位置取りを維持することが得意』

【空中加速】
 【空中での機体制御がしやすい】ため、『自分に有利な位置を維持することが得意』。
 例えば、ベーシックステージV2等の中央が高いステージで、外周を逃げる遠距離カスタムを相手取ることを考える。
 中央箱に乗って高度を稼ぎ、高空から圧力を掛ける。相手が捕まらなさそうなら、機体制御して再度中央箱へ戻ってくる。そういう動きが高い精度で可能である。

(6)『相手を追い続けることが得意』

【空中加速】
 相手が逃げた方向を見てから、『すぐに移動方向を切り替えることができる』。相手の迎撃を最小限の動きで回避しながら、最短ルートで追うことができる。『性質(5)』と合わせれば、『相手を追い続けることが得意』だ。

★(7)『相手を捕まえることが苦手』

【水平速度】【空中ダッシュを持たない】【多段ジャンプ】【滞空時間】
 『相手を追い続けることはでき』ても、『相手を捕まえることが苦手』だ。【水平速度が遅く】、空中ダッシュを持つロボのように接近してガンを当てに行くことはできない。
 また、高空から攻めるにしても捕まらない。高空へ行くには【多段ジャンプ】が必要で、SSハイのように『瞬時に高空へ到達できない』。FVやFOのように、【滞空時間が長いわけでもない】。よって、『性質(13) ABは相手の頭上を取っていられる時間が短い』。

(8)『コンボに移行しやすい』

【空中加速】【ジャンプ速度】
 相手がこちらの攻撃に引っ掛かったのを見てから、【すぐに旋回して】『コンボへ移行できる』。

★(9)『相手から逃げることが苦手』

【水平速度】【空中ダッシュを持たない】【滞空時間】
 『性質(7) 相手を捕まえることが苦手』であるから、その逆、『相手から逃げるのも、同様の理由で苦手』だ。
 ABは『相手の接近を許しやすい』。『性質(7)』、『性質(9)』を如何に解決するかが、使い手の腕の見せ所であろう。

(10)『攻め切ることが苦手、逃げ切ることが苦手』

 『性質(7)』『性質(9)』をまとめると、標記で表せる。

(11)接近を許すと相手の攻撃が確定してしまう。確定した攻撃への保険が無い

【水平速度】【空中ダッシュを持たない】【滞空時間】【防御力】【我慢値】
 『性質(9)』の続き。『相手に接近を許すと、相手の攻撃が確定してしまう』。例えばSVなら、単に接近されたというだけなら、ステルスダッシュでガンを消しつつ逃げることができる。ABはそういったものを持たない。
 また、【攻撃が確定してしまった時の保険もない】。例えばMGは、高い防御力で被ダメージを抑え、しかも我慢値が高いため反撃することさえ可能だ。ABには出来ない芸当だ。

(12)『相手の頭上を取ることができる』

【多段ジャンプ】
 【ジャンプ】、【多段ジャンプ】を使って高度を出せば、『相手の頭上を取ることが出来る』。
 ABは【水平速度が遅い】ため、相手を捕まえる場合は高度も重要になってくる。

(13)『相手の頭上を取っていられる時間が短い』

【ジャンプ】【多段ジャンプ】【滞空時間】
 『性質(7)』の第二段落に記述した通り。
 相手を捕まえるには頭上を取ることが有力であるが、容易ではない。通常、FVやFOが攻める場合には、滞空時間の長さを生かして圧力を掛け続けていく。それらほど【滞空時間が長くない】ため、ABには少し難しい。

(14)『動きに無駄が出ない』

【空中加速】
 ABの小回りは、言い換えれば『動きに無駄が出ない』ということ。
 例えば、『相手の攻撃を最小限の動きで回避』”しつつ”、すぐに『有利な位置取りをすること』が得意だ。
 空中ダッシュを持つロボが、空中ダッシュで攻撃を回避した場合を考える。ダッシュによりそれなりの距離を移動してしまう。移動幅が回避に必要な分以上となってしまい、その後の位置取りに支障が出る、ということが起こりうる。もちろん、空中ダッシュの精度が高ければ、回避と位置取りの両立も可能(=無駄のない動きも可能)であろうが、難易度が高い。
 攻撃を回避する場合について述べたが、『あらゆる場面で動きに無駄が出ない』。

(15)『自由度が高く、使い手にとって操作しやすい』

【空中加速】【多段ジャンプ】
 『性質(4)』と似た話。
 操作しやすいかは人に依るかもしれないが、少なくとも筆者にとっては操作しやすい。
 【スティックを倒した方向へ即座に旋回してくれる】からだ。
 例えば、『着地位置の調整が容易』である。
 垂直方向についても『高度調整が可能』だ。

(16)『使い手の意志を即座に精度良く反映する』

【空中加速】【ジャンプ速度】【着地隙】
 【高い空中加速】は、【スティックを倒した方向へすぐに移動できる】ことに繋がり、『使い手の意志を即座に反映する』。さらに、【空中での小回りが良い】ため、『狙った位置へ精度良く動ける』。
 【ジャンプによる垂直方向の瞬発力】も、『地面~低空において使い手の意志を即座に反映する』と言える。
 【小さい着地隙】は、【着地後にプレイヤーの入力をすぐに受け付けてくれる】ことに繋がる。これも、『次の行動を反映するまでの時間が短い』と言える。

2.4 ABの動かし方・立ち回り・考え方

 実戦における戦い方を示す。当然、自分と相手のカスタムに依ってやるべきことは異なる。下記は一例に過ぎない。
 各論に対応する『性質』のうち、代表的なものを一つ、『 』で示した。複合的に対応しているため、示した『性質』以外も関係がある。読者自身で考察してみてほしい。

(1)画面内のどこを視るか?

『性質(4) 間合いの細かい調整が得意』
 慣れないうちは自機を見ると良い。
 慣れてきたら、基本は敵機を視る。相手の動きにすぐに対応していきたいからだ。相手の逃げ先を読んでポッドを置いたり、相手の接近に合わせてガンを発射したりする。
 自機周りは、回避に専念したい時に視る。相手のパーツ構成が、アイドリングDフロートFである場合など。
 敵機を視ながら自機を操作しても精度良く動かせる。これを容易に実現できるのがABの利点だ。

★(2)移動の基本は【ジャンプ】

 お互いのカスタムによって、移動の基本は異なる。【ジャンプ】・【多段ジャンプ】・【地上移動】を適切に割り振ろう。
 多くの場合、基本は【ジャンプ】となろう。適切な移動方向は、相手のパーツによって異なる。
 相手がスナイパーなら、横移動を中心に。前後移動すると被弾する。
 相手がVレーザーなら、縦移動、前後移動を中心に。横移動すると地上撃ちに被弾する。
 相手がグライダーなら、縦移動を中心に。グライダーはその場で垂直ジャンプするとホーミングしてこない。
 その他、【多段ジャンプ】も混ぜながら、様々な高度を行き来する。

★(3)アクションの起点は【多段ジャンプ】

『性質(12) 相手の頭上を取ることができる』
 相手を攻めたり、相手から逃げたりする時は、【多段ジャンプ】を使って高度を出す。
 ただし、2.2節Ⅰ(2)で述べたように、ノーリスク行動ではない。「【多段ジャンプ】してアクションを起こしたが通せなかった」=「反撃をもらう」と言っても過言ではない。無理そうだと感じたら、諦めて壁裏に着地する。

(4)必要なら【地上移動】も混ぜる

 2.2節Ⅰ(4)で【地上移動】の考察を行った。
 【ジャンプ】主体で動くにしても、【地上移動】の選択肢を捨てないことが重要。検討した上で【地上移動】しない選択を取ることは問題ない。
 長所と短所を理解して、必要なら【地上移動】を混ぜていきたい。

★(5)立ち回りの基本は回避戦、なのだが……

『性質(1) 回避戦が得意』
 『遠距離の回避戦に持ち込めば、基本的にAB側が有利』である。
 しかし、回避戦(言い換えれば牽制合戦)だけで終わる試合は滅多にない。攻めたり攻められたり、攻防の展開は絶対に起きる。お互いのカスタムやHP状況に依存して。
 例えば、相手が遠距離ガンでAB側が近距離ガンなら、AB側は回避戦で有利にならない。自分から距離を詰めて攻める必要がある。
 また、AB側に有利な回避戦を展開しても、相手は絶対に付き合ってくれない。状況の打開を狙って、必ず攻めてくる。
 回避戦を制するABが強いABではない。回避戦から動いた戦況に如何に対応できるか。ABを使っていて難しいのはここであり、リトルやABといった回避型ロボで勝つ上で絶対に考えなければならないことである。

★(6)相手を攻める

『性質(7) 相手を捕まえることが苦手』
 一般に、遠距離ガン相手には攻めていくことになる。そうでなくても、リードを取られている時は攻める必要がある。
 【細かく動ける】ことを生かして、『ステージの有利な位置取りを維持』する。
 【空中小回り】を生かして、『相手の迎撃を回避しながら、常に無駄なく最短ルートで相手を追う』。
 基本は高空から。ただし、【滞空時間は長くなく】、『性質(13) くぃての頭上を取っていられる時間が短い』。【素のジャンプが低い】ので【多段ジャンプ】で高空へ行くが、その分だけ『高空へ到達するのに時間がかかる』。
 【空中ダッシュが無い】ので、『相手に急接近してガンを当てたり、攻めると見せかけて離脱したりといった攻め方は苦手』。ジワジワ相手を追い続け、痺れを切らした相手の甘い行動をとがめる。

★(7)攻めてきた相手から逃げる(いなす)

『性質(9) 相手から逃げることが苦手』
 ABは【水平に遅く】、『逃げることが苦手』である。逃げる・距離を取る方針よりも、いなす・捌く方針を考えたい。
 相手のガンと攻め方に依る。相手の接近方法・接近ルートを先読みしながら、以下の方針で対応する。
 (A)空中ダッシュで水平方向から接近してくる相手には、主に3択。
  (a)低空ロボなら、多段ジャンプを使って高空へ逃げる。
  (b)射程外へ後ジャンプで引く。
  (c)相手の接近に合わせて前ジャンプを入れて、すれ違う。
  (d)相手を中心として円周軌道を描くように旋回して、すれ違う。
 例えばジャンプ高度が低いSVフェザーなら(a)、近距離ガンなら(b)、接近スナイパーなら(d)が良い。実際には(a)~(d)及び迎撃択を組み合わせて、かつ動きを読まれないようにする。
 (B)高空から接近してくる相手には、
  (a)そもそも頭上を取られないように、AB側も積極的に高度を出す。
  (b)地上移動で撒く。横移動したり、足元をすれ違ったりする。
 高空系ロボは空中ダッシュを持たないから、水平に遅いことが多い。地上移動で振り切れないこともない。なお、高空からの接近に対して、地上からジャンプを合わせる動きはオススメしない。相手との間合いが詰まってしまい、相手の攻撃が当たりやすくなる。もちろんケースバイケースだが。

★(8)攻めてきた相手を迎撃する

『性質(11) 接近を許すと相手の攻撃が確定してしまう』
 攻めてきた相手から逃げることに成功した場合、相手の後隙に迎撃を差すことで、以後の相手の攻めにリスクを付けられる。
 また、そもそも『逃げきれないことが多い』ため、迎撃を行う。例えば、相手の空中ダッシュによる接近にガンを合わせるイメージだ。
 相手をよく見て、先読みして対応する。どんなに身構えていても見てからでは間に合わないことも多いためだ。相手の癖まで読めると手玉に取れるが、それは相手と自分の練度次第か。
 迎撃は、自分の ロボ、ガン、ボムポッド、レッグによってやり方が異なる。各パーツを使い込んで手に馴染ませるのが良い。
 迎撃においては、【地上移動】の選択肢も持つと良い。ガンのスライドショットやアタックも迎撃択の一つである。
 逃げにも迎撃にも失敗すると、【防御力と我慢値の低さ】、『起き攻め耐性の低さ』から窮地に立たされる。

★(9)起き攻めを拒否する

『性質(9) 相手から逃げることが苦手』
 AB側に不利な読み合いが発生する。
 逃げるか、迎撃するか。
 逃げる場合は、(7)で述べたように、相手とのすれ違いを狙う。空中でダウン復帰した場合は、【空中加速が高い】から【水平には移動しやすい】。水平にどの方向へ移動するかの読み合いに加えて、【多段ジャンプ】をするかしないかの読み合いも制して逃げ切る。地上でダウンから復帰した場合は、【ジャンプ】をするかしないか、【ジャンプ】するならどの方向か、という読み合いを制して逃げ切る。
 迎撃する場合は、相手のダウンを取りたい。2.2節Ⅱ(2)で述べたように、試合のテンポを一時的に握れる。ダウンを取れるなら、大ダメージを受けたとしても試合を成立させるための必要経費と割り切る。なお、相手に攻撃を当て、ひるんだ隙に距離をとっても同じこと。

(10)相手に攻めさせない

『性質(9) 相手から逃げることが苦手』
 位置取りを工夫したり、動きが単調にならないようにしたり、迎撃して相手の攻めにリスクを付けたり、相手の移動を制限できるパーツを使ったりして、相手が攻めにくい状況を作る。
 『相手に接近を許しやすい』ABでは有用な考え方。相手が攻めてこない分だけ、ABが得意とする回避戦の時間が増える。

(11)相手に攻めさせる

『性質(7) 相手を捕まえることが苦手』
 AB側に有利なボムポッド回避戦をしたり、HPリードを取ったりして、相手に攻めさせる状況を作る。
 AB側から『距離を詰めに行くのが苦手』なら、相手に接近してきてもらえばいいじゃん、という考え方だ。ここを迎撃して、さらにリードを取る。

(12)相手の行動を誘導する

 相手の行動を誘導して試合運びをするのはABに限った話ではないが、ここでは、「(10)攻めさせないこと」と「(11)攻めさせること」の両立を考える
 (10)相手が攻めにくい状況を作れば、(11)相手が攻めてくるタイミングを読みやすくなる。
 ABの晒したわずかな隙を、相手は是非にでもとがめたいからだ。
 AB側が自分の隙を自覚しておけば、相手が攻めてくるタイミングも読みやすくなる。そこに迎撃を合わせよう。

(13)回避できなくても良い状況

 ここまで、「ABなら攻撃を回避しろ」「ABは【防御力が低い】から撃ち合うな」と説いてきた。
 それだってケースバイケースだよ、という話。
 極端な状況だが、AB側がHP1000、相手がHP100であるなら、たとえ倒しきれず反撃で300ダメージもらったとしても、少しでもダメージを与えて、こちらのボムポッド一発圏内へ押し込むことに意味がある。
 また、(9)起き攻め拒否で、「被弾覚悟で相手のダウンを取る」選択肢を書いた。HPを担保に、相手有利の試合展開をリセットする、という考え方だ。

3. ABの機体制御論

 ここでは、ABを制御するための機体制御について扱う。2章に含めず3章として独立させたのは、それだけ筆者が重要視しているからだ。
 他のロボを制御する場合にも応用できる。意識してみてほしい。

3.1 ABのジャンプ軌道

ABのジャンプ軌道

 機体制御について考察する前に、ABのジャンプ軌道を確認する。
 関係するパラメータは、ジャンプ高度、上方向加速時間、空中横最高速度、空中横加速、空中下加速。
 垂直方向について、ABは上方向加速時間が短いから、ジャンプの垂直速度は即座に最大へ到達するとして(=初速が最大であるとして)、初速V_z0の鉛直投げ上げ運動で近似する。
 水平方向について、ABは空中横加速が高いから、ジャンプの水平速度は即座に最大へ到達するとして、初速V_x0の等速直線運動で近似する。

 結局、上の図で示した軌道になる。縦軸、横軸の数値はいい加減であるので、信用しないこと。
 私はゲーム内の計算式について知らない。あれこれ書いたが、要は高校物理に出てくる基礎的な放物線運動とみなした、ということ。実際のロボの軌道とは異なっているだろうが、機体制御の議論には上図の解釈で十分だろう。

3.2 ABのジャンプ挙動

 次に、ABのジャンプ挙動について考える。
 2.2節Ⅰで述べたことを、再度、機体制御の視点から振り返る。

▼ジャンプ始めの挙動
 水平初速が速い。空中加速が高いため、静止状態からジャンプしてもすぐに最高速度が出る。空中加速の低いロボ(BB等)は、地上を走って慣性を付けてからジャンプしないと水平速度が出ない。ABは慣性を付ける必要が無く、「ジャンプ→着地→即ジャンプ→着地→…」という行動でも水平に動くことができる。
 これまで、【基本性能】や『性質』の項で散々「ABは水平に遅い」と言ってきた。これは、他のロボと比べて最高速度が遅いという意味である。慣性の無い状態においてジャンプの初速自体は速い。小回りに分類される意味で速いのだ。ひとくちに「速い」と言っても、どういう意味で速いのか、それが重要だ。
 垂直にも速い。ただし高度が低く、すぐに最大高度に到達して、垂直速度が0になってしまう。

▼ジャンプ中の挙動
 何度も書いているように、高い空中加速により、スティックを倒した方向へ即座に旋回できる。

▼頂点(最大高度)付近の挙動
 最大高度が低い。
 頂点付近では、垂直速度が0に近い状態が長く続いてしまう。滞空時間が長くなる一方、垂直に遅くフワフワしてしまう。この状態を晒し続けると、相手に動きを読まれやすい。水平速度の遅いABが垂直速度まで遅くなると、回避に支障が出る。

▼ジャンプ終わりの挙動
 再び垂直に速くなる。
 着地すると水平速度が0になることに注意が必要だ。いくら、次のジャンプの水平初速が速いとは言え、一時的に0になって隙を晒す。

3.3 機体制御のテクニック

 空中での機体制御について、その方法と重要性を示す。

★(1)各行動による空中速度の変化

 必要な知識は、空中における以下の速度変化だ。ガン・ボム・ポッドの他、多段ジャンプも機体制御に必要な要素として捉える。
 基本的に、速度が0になったり低下したりする。
 ABはボム等を利用した機体制御と非常に相性が良い。例えば、空中加速の低いロボが空中でボムを撃って速度が0になる(すなわち停止する)と、その後は真下へ落下するしかない。一方、ABは空中加速が高いので、停止後も水平方向へすぐに動き始めることができるためだ。
 各機体制御を上手く使いこなして、君もAB使いを名乗ろう!

▼ガンを撃つ
 水平速度:0になる
 垂直速度:ガンの後隙が終わるまで、一定の速度で落下し続ける
▼ボムカーソルを出す
 水平速度:0になる
 垂直速度:一定の速度になる(ボムカーソルを出し続ける限り一定速度で落下する)
▼ポッドを撃つ
 水平速度:直前の速度を保持する
 垂直速度:一定の速度で落下する
▼多段ジャンプする
 水平速度:0になる
 垂直速度:0になった後、多段ジャンプの上昇速度になる

★(2)ジャンプ上昇キャンセル

▼方法
 ジャンプの上昇中にガン・ボム・ポッドを撃って、上昇をキャンセルし、すぐに落下軌道へ転じる。空中ダッシュを持つロボなら、空中ダッシュでもキャンセルできる。多段ジャンプでも一時的に上昇をキャンセルできるが、結局上昇してしまう。

▼できるだけポッドで行いたい
 ガン・ボムを撃った場合、水平速度もキャンセルされるので注意。すなわち、一瞬とは言え空中で完全に停止する。ポッドであれば水平に停止しないので、上昇キャンセルはポッドで行いたい。

▼ジャンプ上昇をキャンセルすることの意義
 まず、単純に高度を調整できる。
 次に、ジャンプの動きに幅を持たせることができる。頂点付近は垂直速度が0に近い状態が長く続いてしまう。ここを晒すジャンプを繰り返すと、動きが単調になり相手に読まれやすい。そこで、ジャンプ上昇キャンセルを使って読まれにくい動きをする。
 また、ABはジャンプ始めが強い。ここを何回も使うなら、早く着地して次のジャンプに移行したい。頂点付近でフワフワ浮いている場合ではない。
 壁裏から自分の射線を通す時も、相手の射線は通したくないから、頭を出すのは最低限にしたい。そんな時にも上昇キャンセルだ。

▼ジャンプの頂点付近の挙動も重要
 ここまで読んで、まるで頂点付近の挙動が悪であるかのように捉えたかもしれない。しかし、頂点付近もABにとって重要な挙動である。すぐに落下に転じてしまうと、高度を維持できない・滞空時間が短くなる・ワンジャンプの移動距離が短くなる。
 色々な動きを混ぜていきたい、ということだ。

(3)落下速度キャンセル

▼方法
 落下中にガン・ボム・ポッドを撃ったり多段ジャンプをしたりすることにより、落下速度がキャンセルされる。

▼落下速度キャンセルの使い道
 着地のタイミングをずらすのに使う。
 落下速度がキャンセルされたところに弾速の速いガンが刺さるので注意。

★(3)’滞空時間を延ばす

▼方法
 (3)の派生。
 ボムカーソルを出し続けることにより、落下速度をゆっくりにして滞空できる。

▼滞空時間延ばしの使い道
 足元の爆風をやり過ごしたり、高空で滞空して相手の行動を待ったりするのに使う。
 FVやFOほど滞空時間が長くないABにとって、重要なテクニックだ。
 なお、ボムカーソルだけではなく、ガンを連射したり多段ジャンプしたりするのも立派な滞空だ。

★(4)水平速度キャンセル

▼方法
 ガン・ボム・多段ジャンプをすることで、水平速度を0にできる。

▼水平速度キャンセルの使い道
 狙った位置に着地したり、相手の攻撃を咄嗟に避けたりするのに使う。
 特に、対Vレーザーで重要となる。地上撃ちVレーザーに対して急ブレーキをかけるイメージだ。

(5)多段ジャンプ上昇キャンセル

▼フェイントに使う
 (1)ジャンプ上昇キャンセルと分けて記述する。
 機体制御の意味では、(1)に書いた意義と同じである。
 多段ジャンプ上昇キャンセルは、フェイントにも使える。多段ジャンプを入力してから、即座に上昇キャンセルするして落下に転じる。「多段ジャンプの音がしたのに高度が上昇せず落下してくる」のは、相手の判断を狂わせる。
 特に、ABがマグナム等を持っている場合、わずかな判断の遅れに付け込んで相手を捕まえていくことを狙う。

(6)箱乗り・細壁乗り

▼機体制御を駆使してステージ構造を生かそう
 機体制御をすれば、箱や壁へスムーズに乗ることができる。
 できるだけ地形を利用して、高度と滞空時間を補っていきたい。

★(7)着地隙をキャンセルする

▼方法と原理
 落下中にガン・ボム・ポッドを撃つことで、落下速度をキャンセルできることは先に述べた。
 このゲームの着地隙は、落下が速いほど着地隙も大きいらしい。したがって、着地の直前で落下速度をキャンセルすることで、着地隙を小さくできる。

▼着地隙をキャンセルすることの意義
 着地「後」に相手の攻撃が確定しにくくなる。
 ただし、着地直前の速い落下をキャンセルしてしまうので、着地「際」を狙われると厳しいことに変わりはない。
 着地「後」の隙は、何も入力を受け付けない時間である。対して、落下速度キャンセルによる着地「際」の隙は、入力を受け付ける時間である。着地隙を無くすテクニックではなく、着地前後のリスクを軽減するテクニックだと思っても良いかもしれない。
 なお、多段ジャンプすると最大着地隙が大きくなるのだが、これもキャンセルできる。「ズシーン」と重たい音と共に着地する割に、すぐに動ける。

★(8)ABの機動力はボムポッドと表裏一体

▼機体制御しつつ撃ちこむボムポッドは重要である
 以上、ABの空中性能を底上げするための機体制御について述べた。
 実際には、ガンや多段ジャンプで機体制御することは少なく、ボムポッドを使うことになる。
 機体制御とボムポッドの撃ちこみを同時にやるので、強く使えるボム、ポッドが限られてくる。
 考え方を明らかにする意味で例を示す。ボムポッドが変わるだけで、ABの動かし方に違いが出る。
●ボムの例
 クレセントPの空中撃ちは、牽制にも追撃にも使え、相手の隙への差し込み性能も高い。これらすべてを機体制御しながらできるため優秀。
 アイドリングDは、移動制限を主目的とするボムである。地上撃ちが強力なボムで、即起爆の空中撃ちと組み合わせるとより効果的に移動制限できる。しかし、地上撃ちをすればするほど、空中での機体制御にボムのリロードが間に合わなくなる。相手の移動を制限してそこを差しにいきたいのに、地上撃ちが多すぎると空中で機体制御ができず差しにいけないジレンマがある。
●ポッドの例
 ウェーブは、牽制にも迎撃にも追撃にも使える。これらすべてを機体制御しながらできるため優秀。爆発までの時間が早く一定間隔なので、リロード管理(=機体制御管理)がしやすい。
 シーカーは、相手の行動を阻害するポッドである。長い時間相手を追うので、次に撃てるようになるまでが長く、機体制御に使えない。相手の行動を阻害してそこを差しにいきたいのに、機体制御ができず差しにいけないジレンマがある。

4. パーツ考察

 各パーツについて、その基本性能を解説し、使い方を示す。さらに、ABとそのパーツの相性について、適宜触れる。

★4.1 総論

 相手の接近を強く意識してパーツ選択すると良い。その上で、自分が攻めやすいカスタムにするのか、相手に攻めさせるのか、対空を意識するのか、回避戦に強くするのか、等を決める。

 ロボは、好きな娘を選べば良い。性能の優先順位は、機動力<防御力≒アタック 。防御力とアタック性能を両立したコロナが有力となろう。
 レッグは、多くの場合でハイジャンプが第一候補となるだろう。低いジャンプ高度を補い、瞬発力を向上させる。ロングバーニアフェザーも、ハイジャンプと違った趣で空中性能を強化してくれる。
 ボムは、空中で撃って強いものを選ぶ。正面に強いクレセントPを最有力として、対空意識ならトマホークを選ぼう。
 ポッドは、最強の対近性能を誇るウェーブが最有力となる。使いこなせば色々な使い方が可能だ。コックローチも高いホーミングを持ち、回避戦においてウェーブより強力である。こちらも色々な使い方が可能だ。

4.2 ロボの考察

 基本はアタック性能で選べばよい。

(1)(有力)コロナ(アーマースタイル)

 防御力が高いというだけで強い。
 ここに加えて、わずか3F無敵発生4F攻撃発生で対空迎撃にも追撃にも使える優秀なアタックが付いてくる。アタック後は空中にいるので、その後の展開も悪くない。
 落下速度が少し速いようだ。滞空時間が短くなる代わりに、地上への着地が早くなる。積極的に生かすのは難しいが、知っておいて損は無い。着地→アタック等のコンボ移行が理論上はスムーズになる。

(2)フレア(ノーマルスタイル)

 1F無敵発生のサマーソルトアタックが特徴。ベーシックステージV2の中央箱上の相手にも当たる。細壁であれば壁を越えて当てることもできる。
 スナイパーに対して回避として振って、仮にアタックが当たらなかったとしても反撃をもらわないこともある。フレアアタックの後隙より、スナイパーの発射後隙のほうが長いためだ。

(3)コメット(パワースタイル)

 攻撃力が5%上がる。でも防御力が下がるので、ダメージレースの点ではノーマルスタイルとどっこいどっこいか。
 このゲームのダメージ計算式(小数点の切り上げ・切り捨て処理)の都合
で、素で攻撃力-5%のABは、他ロボよりパワースタイルの恩恵が大きいらしい。
 アタックは1F無敵発生で、後方へ瞬間移動してから前方へスライディング。独特な軌道で、相手の判断を狂わせることができる。咄嗟に出す回避アタックとして優秀。

(4)ステラ(スピードスタイル)

 スピードスタイルで足が速い。
 アタックは前方へ飛び跳ねてヒップアタックした後、少し後退する。ABのアタックの中では最も前方へ突き出していくので、スプラッシュからのコンボを狙ったりする。
 なお、コロナ同様、落下が少し速いらしい。

(5)プラネッタ(ジャンパースタイル)

 ジャンパースタイルだが、私の知る限り空中性能のパラメータに強化は入っていない。実際に使ってみても、フレアとの差がわからない。
 アタックは性能を下げたカーライルアタック。攻撃発生や無敵発生がカーライルより遅く、汎用性には欠けるものの、素直な性能ではある。アタックは空中で終わり慣性が乗る。

4.3 レッグの考察

 ABの機動力を決める重要な要素。
 動きの最大値を上げるか、隙を減らして機敏に動くか。ABの機動力的に、前者を取らないと厳しいことが多い。

★(1)(最有力)ハイジャンプ

 他のロボでも積極的に採用されている、強力なレッグ。
 ABの基本行動であるジャンプを、高く速く強化する。ABの様々なカスタムで第一候補となるだろう。
 ABの低いジャンプ高度を補い、瞬発力を向上させる。滞空時間や、ワンジャンプで移動できる距離も伸びる。
 垂直方向に回避しやすくなる。壁裏から顔を出して素早く射線を通したり、瞬間的に相手の頭上を取ったり。
 爆風を劇的に回避しやすくなることは特記に値する。素のジャンプ高度が低すぎて、ハイジャンプ以外を履くと色んな爆風に引っ掛かりやすい。

★(2)(有力)ロングバーニア

 多段ジャンプを高く強化する。
 多段ジャンプ込みの最大高度および滞空時間は、ハイジャンプよりも長い。
 積極的に多段ジャンプして高空へ行き、ハイジャンプ以上の高度から相手に圧力を掛けていく。相手の嫌がる位置関係を維持して高空で待ち、相手が痺れを切らしてミスショットを撃ったところにカウンターを入れたい。
 ハイジャンプと同じく高度を出すレッグであるが、素のジャンプに強化が入らない点は留意すること。

★(3)(有力)フェザー

 落下が遅くなり滞空時間が大幅に延び、結果としてワンジャンプで移動できる距離が大きく伸びる。滞空時間の長さは、間接的に空中加速を長時間生かせることに繋がる。着地隙も大幅に減る。地上加速も少し上がる。
 全体的に初級者向きだが、明確な採用理由があればハイジャンプ・ロングバーニアを押しのけて選択肢になりうる。
 これだけの利点を持つ一方で、ハイジャンプやロングバーニアと比較して高度が低いこと、および垂直方向に遅くなってしまうという、ABにとって厳しい欠点も持つ。
 印象としては、ロングバーニアとワイドジャンプとスタビライザーを兼ねた上で、着地隙を大幅に減らしたレッグ。
 ロングバーニアの要素は、滞空時間。フェザーは高度を出すわけではないが、相手の頭上を取り続ける意味ではロングバーニアに似ている。
 ワイドジャンプの要素は、水平移動。フェザーは速度が上がるわけではないが、ワンジャンプで移動できる距離を延ばす意味ではワイドジャンプに似ている。
 スタビライザーの要素は、地上移動。スタビライザーほどではないが地上加速が上がる。実際に使ってみると、サブの移動手段としては十分な性能に感じられる。

(4)ワイドジャンプ

 空中水平速度が上がる。
 ABはワイドジャンプの補正が小さく、恩恵を感じにくい。具体的には、LSワイドが+16.7%速くなるのに対し、ABワイドは4.5%しか速くならない。
 水平に長い距離を移動したいだけなら、フェザーを筆頭に、ハイジャンプ・ロングバーニア(多段込み)を履いたほうが長く移動できる。したがってこのレッグは、4.5%の水平速度上昇を求めて履くレッグである。
 ABは水平に遅いから、速度を出したい時に採用価値があるか。しかし、着地するたびに水平速度が0になることまで考えると、フェザーのほうが平均速度は速い可能性がある。

(5)ショートバーニア

 多段前隙、多段着地隙が減る。地上加速が上がる。一方、多段ジャンプ高度が大幅に減る。
 動作の前後隙を減らして機敏に動きたい時に採用するレッグ。
 ただし、高度が出なくなるのは厳しい。地上から中空を主体に、高度に頼らない立ち回りが必要になる。
 利点は、
 地上加速が上がるので、スライドショットを含めた地上択が強くなる。
 多段ジャンプの前隙が減るので、気軽に多段できるようになる。
 高度が出なくなるので、逆説的に着地が早くなり、着地隙も少ないので、アタックを含めたコンボ移行がしやすくなる。

(6)スタビライザー

 地上加速と旋回性能が上がる。
 高く跳ぶつもりのないカスタム、地上にいることがメリットになるカスタムで選択肢になる。
 我慢値の高いLS、みたいな運用が可能だ。

(7)クイックジャンプ

 落下が速くなり、着地隙が減る。
 正直、履くと弱くなると思っているので載せるか迷ったが、一番好きなレッグなので挙げる。
 考え方はショートバーニアと同じで、機敏に動きたい時に採用する。
 ショートバーニアは高度が低くなるのに対し、クイックジャンプは滞空時間が非常に短くなる。高度こそ最低限は出るものの、その高度を維持できる時間が短いから、実質的には高度が低くなっているようなものだ。滞空時間の短さゆえに、ワンジャンプで移動できる距離が短くなるのも気になる。この辺り、フェザーと真逆の性質である。

4.4 ボムの考察

 3.3節(8)で述べたように、ABのボムは機体制御と表裏一体であり、極めて重要なパーツである。
 基本的に、空中で撃って強いボムを選ぶ。地上主体ならスタンダードも選択肢になりうる。
 有力候補のボムについては、撃ち方を箇条書きでまとめた。参考にされたい。
 爆風自体の性能解説は基礎事項であるとして省略する。しかし、爆風もボムを構成する要素として非常に重要である。


 筆者はクレセントPをメインに使っていて、他のボムはあまり知見が無い。書いてあることを鵜呑みにせず、各自で使用感を確かめてみてほしい。

★(1)(最有力)クレセントP

▼基本性能・役割・使い方
 空中主体ロボの鉄板ボム。
 機体制御しながら撃つボムとして、ABとの相性は抜群。最有力候補である。
 爆風は汎用性の高いP型で、大きめである。
 弾速の速い空中撃ちを主に使う。
 空中撃ちは、高速に低く山なりに飛ぶ。弾速の速いガンのように使えるし、相手の正面低空からの接近に刺さる軌道である。
 牽制、追撃、相手の隙への差し込み、移動の強制、移動先の誘導などの使い方が可能だ。これらすべてを機体制御しながら行えるために優秀。雑に使って良く、しかも強い。
 空中撃ちも勿論強いのだが、地上撃ちも利点を把握して使うこと。色々な撃ち方をできるようになると楽しい。
 地上撃ちは、ゆっくり高く山なりに飛ぶ。ステージ上空に円弧を描いて長く滞在する。相手がこれをケアせず跳ぶと結構被弾してくれる。サテライトみたいなイメージで撃てる。
 着弾までに時間がかかるので、爆風を予約しておくイメージで撃つのも良い。相手を捕まえるのが苦手なABは、相手の周りに複数の爆風を生成して追い詰めていきたい。
 地上撃ちのほうが火力が高いので、ダウン追撃で距離が近ければ地上撃ちを使うこと。

▼撃ち方(空中撃ち)の例
・機体制御しながら
・遠距離で牽制に
・追撃に
・カウンターとして、相手の後隙に差し込むように(弾速の速いガンのように)
・移動を強制するように
・ボムカーソルで手前に落として接近拒否爆風を生成する
・ボムカーソルで相手の逃げ先に落として移動方向を制限・誘導する
▼撃ち方(地上撃ち)の例
・着地後、次のジャンプをする前に
・ステージ上空に長く残ることを生かし、対空として
・着弾に時間がかかることを生かして、爆風の生成を予約するように
・空中撃ちより火力が高いので、ダウン追撃に
・壁に密着して撃って、さらに遅い弾速で飛ばす。通常の地上撃ち、および速い空中撃ちと合わせて、同時に3つの爆風を生成できる
・壁に着弾させて、対近用爆風を生成する
・自分の目の前にボムを置くイメージ。正面低空から接近してくる相手へ壁を張るイメージ

★(2)(有力)トマホークB

▼基本性能・役割・使い方
 対空ボムの代表格。相手の頭上で爆発する。攻撃力が高いので相手は無視できない。ジャンプができなくなる。
 地上で撃っても空中で撃っても強いので、ABとの相性も良い。雑に撃って強い。
 爆風はB型。当たりどころによって吹っ飛び方が異なる。事故らせる性能こそ高いが、撃った側もその吹っ飛びを生かすのは難しい。
 地上撃ちは非常に高く山なりに、空中撃ちも地上撃ちほどではないが高く山なりに飛ぶ。
 地上撃ちは、相手の真上高くから爆撃するから、SSハイなどの垂直ジャンプに良く刺さる。
 一方空中撃ちは、中空を山なりに飛ぶから、空中ダッシュで接近しようとする相手に重なる。接近に対する迎撃として使うことができる。
 これら軌道の差異が、使い分けのコツである。
 直接攻撃の手段としてはクレセントPに劣る。例えば、ダウン追撃に使う場合、ボム単体だと直接当たらない。G型爆風など浮かせる攻撃とコンボさせてボムを当てる必要がある。
 なお、相手の頭上で爆発すると書いたが、着弾点に相手がいない場合は、地面で爆発する。B型爆風はしばらく場に残るので、地上主体の相手にも移動制限の効果がある。

▼撃ち方の例
・機体制御しながら空中撃ち
・ジャンプする前に地上撃ち
・遠距離の回避戦で事故狙い
・相手のジャンプを抑制するように
・ボムカーソルを使って地上に落として、移動方向を制限・誘導するように
・地上撃ちで、相手の垂直ジャンプをとがめる
・空中撃ちで、相手の中空からの接近を迎撃する
・浮かせるガン・ポッドと連携して、コンボで火力を取る

★(3)(有力)トマホークG

▼基本性能・役割・使い方
 トマホークBと基本は同じであり、違うのは爆風だけである。
 トマホークBは、相手の頭上で爆発し、その爆風が少しの間残ることから、相手のジャンプを抑制する使い方になる。
 一方、トマホークGは、相手に直接当たる。ジャンプ抑制より、直接当てる使い方が基本だ。G型爆風の撃ち上げは追撃にも向いている。
 では、トマホークGは対空パーツではないのか?
 私は、トマホークBと同様に対空パーツであると考えている。
 弾道がトマホークBと同じであるからだ。地上撃ちは相手の垂直ジャンプに刺さるし、空中撃ちも中空からの接近に刺さる。
 クレセントPの空中撃ちも相手に直接当たるが、あちらは正面に強い。トマホークGは、クレセントPの対空バージョンと捉えている。
 なお、このボムの地上撃ちはボムカーソルが相手より手前に出てしまい、直接当たらない。地空撃ちすることで、カーソルが相手に合う。適宜利用すること。

▼撃ち方の例
・機体制御しながら空中撃ち
・ジャンプする前に地上撃ち
・追撃に
・地空撃ちで、地上撃ちのカーソルを相手に合わせる
・あえて地空撃ちせず、相手の手前に着弾させる
・地上撃ちで、相手の垂直ジャンプを咎める
・空中撃ちで、相手の中空からの接近を迎撃する

(4)(有力)アイドリングD/P

▼基本性能・使い方・役割
 地雷を埋め込み、相手の移動を制限するボム。攻撃力が高く、事故らせた時のリターンが大きい。
 地上撃ちは山なりに飛ぶ。起爆が遅く、攻撃力が高い。リロードは早く爆風は大きめ。
 空中撃ちは低く山なりに飛ぶ。起爆が早く、攻撃力が低い。リロードは普通で爆風は小さめ。
 高性能な地上撃ちを中心に、起爆の早い空中撃ちも混ぜて嫌がらせする。
 空中撃ちはクレセントPほどの弾速は無いが、一応、似たような使い方ができる。
 基本はD型を採用する。連続ヒットの事故を狙える上に爆風面積が大きいからだ。P型は相手を撃ち上げたいときに採用する。円柱爆風なので相手のジャンプに引っ掛けやすい。
 ステージの重要ポジションを潰したり、相手の移動先を誘導するように地雷を埋め込む。
 ボムカーソルが相手の手前に出るので、直接当てたい場合はカーソル移動が必要になる。追撃に使う場合は慌てないこと。

 このボムを採用するときは、ABの機体制御についてよく考える必要がある。
 まず、空中撃ちしか使わないならば、クレセントPの劣化になりがちだ。よって、地上撃ちを織り交ぜて戦う。
 しかし、地上撃ちをすればするほど、空中での機体制御にボムを使えなくなる。相手の移動を制限してそこを差しにいきたいのに、地上撃ちが多いと空中での機体制御ができず差しにいけないジレンマがある。

▼撃ち方の例
・遠距離の回避戦で事故狙い
・相手の移動方向を制限・誘導するように
・ステージの重要ポジションを潰すように
・わざと自分の周りに埋め込んで、一時的な要塞を作るように
・追撃において、ボムカーソル移動で直接当てる
・地上撃ち、壁密着地上撃ち、空中撃ちを組み合わせて、複数の爆風を同時に起爆する
・正面低空から接近してくる相手に、地上撃ちの弾道を重ねて迎撃

(5)スタンダード無印/F

▼基本性能・使い方・役割
 地上撃ちは山なりに、空中撃ちは直線に飛ぶ。
 爆風が大きく直接当たるので使いやすい。攻撃力も高い。
 F型は円柱爆風で、相手を吹っ飛ばすので対近性能が高い。無印は相手を浮かせるので、そこに意義を見出せればFより優先して採用。
 地上撃ちが強いボムで、空中撃ちの性能は高くない。ゆえに、機体制御しつつ撃つボムとしては強くない。地上主体で立ち回る場合は、上記の有力ボムと並んで候補になる。
 ただ、空中撃ちが弱いわけではない。特にF型は、壁を作るような使い方なら空中撃ちのほうが良いことも。
 F型は、遠距離ガンと合わせる使い方が良い。対近とダウン追撃を、このボムで両立できる。

(6)ストレートG

▼基本性能・使い方・役割
 一直線かつそこそこの速さで相手に届くボム。地上撃ちのほうが速い。
 上記のボムと比べると、ボム自体の性能は低め。
 クレセントPと違って、地上で撃っても弾速が速い。弾速の遅いガンの補完や、シンプルな追撃手段として採用する。
 地上で撃っても空中で撃っても良い。機体制御しながら撃つボムとして、ABとの相性自体は悪くない。
 ただ、ストレートGでなければならない場面が思いつかない。

(7)ウォール

▼基本性能・使い方・役割
 「直接当たっていれば三人衆」の一人。
 ストレートGと同じ軌道で、大きな円柱爆風を生成する。弾速も速い。
 ボムカーソルは常に相手より手前に出る。名称の通り、自分と相手の間に壁を作るイメージで撃つボムだ。
 守り寄りのボムだが、攻撃力は高い。直接当てる場合は、ボムカーソルを移動させよう。
 ABにとって欲しい性能は持っているようだが、山なりに飛ばない上に相手にカーソル移動しないと直接当たらないせいで使い勝手が非常に悪い。せめて片方だけだったら強かった。
 基本的には対近ボムとして使うことになるだろう。スタンダードFとよく比較して採用すること。その他、ニードルやキャッチなど、引き寄せる攻撃とのコンボも狙う使い方も可能だ。

(8)フリーズ

▼基本性能・使い方・役割
 筆者に使用経験はないが、悪くないのでは、と思ったので考察してみる。
 「直接当たっていれば三人衆」の一人。
 地上では山なりに、空中でも低く山なりに飛ぶ。
 爆風は固有のもので、垂直に高い円柱爆風が長い時間残る。ダメージこそないが、当たると相手を完全に停止させる。
 ボムカーソルが相手より手前に出る。
 相手を捕まえるのに苦労するABは、このボムを一発掠らせただけで追撃が確定するのは魅力的ではある。
 でもボム自体に攻撃力がない上に直接当たらないのは残念でならない。
 使う場合は、マグナム・スナイパー・ドラゴン等の単発決め撃ちガンと合わせると良いだろう。

(9)デルタ

▼基本性能・使い方・役割
 「直接当たっていれば三人衆」の一人。
 弾が3つ山なりに飛ぶ。垂直に高く細い円柱上の爆風を、デルタ◁の3頂点に生成する。当たると相手はF型のような吹っ飛び方をする。ケアせず動いているとドンドン当たるので、相手の移動を強烈に制限するボムだ。
 ボムカーソルが相手より手前に出る。◁○って感じ。○が相手のロボ。決しておでんではない。
 相手より手前に爆風が3つも出るので、相手の接近を牽制する働きを持つ。とは言え、ボムカーソルを移動させて直接狙わないと相手に圧力が掛からない。上手く使い分けると良い。
 直接当たらない上に攻撃力が低く、フリーズのように他の攻撃が繋がるわけでもない。火力不足に陥らないように注意。
 ABの得意な回避戦を狙えて、ABの苦手な相手の接近も牽制できるボムだ。扱いは難しいが、有効に使えば決して弱くないだろう。

(10)ジェミニB/P

▼基本性能・使い方・役割
 機体制御しながら撃つボムとしては、ばら撒き牽制に特化しており、ボムポッドの回避戦で悪くない性能を発揮する。
 地上撃ちと空中撃ちで弾道が異なる。上手く使い分けること。具体的には、空中撃ちは対近対空になる。
 爆風は小さいながら、B型もP型もしばらく場に残る。B型は事故らせる性能が高く、P型はABハイ程度の高度のジャンプでは回避できない円柱爆風だ。
 ただし、遠距離の回避戦をするにしても、トマホークBやアイドリングD/Pが有力である。これらは攻撃力が高く、相手にかかる圧力がジェミニとは比べ物にならないほど違う。また、ジェミニと似たパーツでもデルタというライバルがいる。

(11)ウェーブ、ジオトラップ、レフト/ライトシュートH

 いずれも地空両用で機体制御しながら撃てる。
 空中でも山なりに飛ぶので悪くないが、ボム自体の性能が足りない。
 ウェーブボムは、空中撃ちもそこそこの高度で山なりに飛ぶ。トマホーク空中撃ちのように、相手の中空正面からの接近を迎撃できる。ただし火力が低すぎる。
 ジオトラップは、空中撃ちが低く飛ぶので壁に引っ掛かりやすい。爆風が段々大きくなるのだが、始めが小さすぎて相手に直接当たらない。最終的には非常に大きい爆風になり、火力は高い。
 シュートHは、低空横跳びをするロボに刺さる。悪くないのだが、正面に弱くなるのがAB的には気になる。

4.5 ポッドの考察

 ボム同様、機体制御しながら撃つことになるため、非常に重要なパーツである。
 対近性能を重視しつつ、色々な使い方ができるポッドが良い。ある一点に特化したポッドは、ABにとっては使いにくさが目立つ。


 筆者はウェーブをメインに使っていて、他のポッドはあまり知見が無い。ボム同様、各自で使用感を確かめてみてほしい。

★(1)(最有力)ウェーブ

▼基本性能・使い方・役割
 高威力で大きめの爆風が4回連続で起きる。
 ABにとって最強ポッド。能動的に色んな使い方ができて万能である。
 牽制にも迎撃にも追撃にも対近にも、左右への撃ち分けを使いこなせば相手の移動方向を制限するようにも使える。わざと壁に当てて反射させてテクニカルに使っても良い。壁に当たる前に爆発させれば、4回連続のウェーブ爆風が壁を貫通してくれる。壁裏の相手をあぶり出す使い方になる。
 自分から攻める時は、相手をウェーブの射程圏内に入れて圧力を掛け、機体制御を駆使して相手に迫っていきたい。
 相手の接近を拒否する時は、相手の取りうる接近ルートに置き撃ちしたり、接近してきたところに直接当てる。
 爆発までの時間が早く一定間隔であるので、リロード管理(=機体制御管理)がしやすいのが良い。
 欠点は、使いこなすには練習が必要なこと。近、中距離で機能するポッドなので、遠距離の回避戦で機能しないこと。地上付近で機能するポッドなので、高空系に対して弱い事。
 また、ABがウェーブを使う場合、自分から接近してコンボ始動として直当てする使い方は難しい。空中ダッシュを持つロボなら、それも可能なのだが。

▼撃ち方の例
・機体制御しながら
・地上を走りながら
・追撃に
・カウンターとして、相手の後隙に差し込むように
・ジャンプした相手の着地地点に置いておくように
・移動を強制するように
・相手の移動先に撃って、移動方向を制限・誘導する
・壁に当てて反射させ、爆風の軌道をコントロールする
・壁に当たる前に爆発するように撃って、貫通するウェーブ爆風で壁裏の相手をいぶりだす
・壁裏の相手へ、壁を越えて直接撃ちこむ

★(2)(最有力)コックローチG/H

▼基本性能・使い方・役割
 相手を視認すると気持ち悪い速さとホーミング性能で襲うポッド。2個まで出せる。
 そのホーミングと独特の挙動から、相手は回避しきるのが難しい。中距離のボムポッド回避戦で無類の強さを誇る。
 一方、ホーミングして追って行った割に当たらないこともある。ポッドの視野角が狭く、すぐに相手を見失うのだろうか。
 空中撃ちが強い。高度を維持してそれなりの速度・距離を進んだ後、落下する。相手の高度に合わせて撃ちこんだり、相手の頭上から爆撃したり。
 爆風はどちらも強い。一般的にはG型を使う。爆風が大きくコンボに向くためだ。H型も悪くない。当たると相手を少しの間硬直させるので使いやすい。
 ウェーブと比較する。
 空中撃ちが高度を維持して飛んでいくから、空対空で強い。
 攻撃力、爆風の持続・大きさは劣る。
 相手のいる方向へ適当に撃つだけで、ホーミング性能が高いので十分に機能する。ウェーブは意味を持たせて撃たないと機能しないことも多い。
 2個出せるので、左右に撃って相手を挟み込むように使える。

 起爆しなかった弾はしばらく場に残るのでリロードが少し遅い。2個撃てるから機体制御への支障はあまりないが、肝心な時に機体制御に使えない可能性は頭の片隅に入れておく。

▼撃ち方の例
・中距離での回避戦で
・高度を合わせて空対空で当てる
・空中からの接近を試みる相手に対し、高度を合わせて迎撃や牽制として
・壁裏に流し込んで、相手をあぶり出す
・爆撃するように
・進路を塞ぐように
・1個ずつ、タイミングをずらして
・2個同時に
・2個を左右に撃ち分けて、挟み込むように

(3)ドルフィンG

▼基本性能・使い方・役割
 地上撃ちは、ピョインと山なりに射出された後に落下する。山なりの軌道はABハイのジャンプ高さ程度あり、ベーシックステージV2の中央箱程度なら超えてくれる。
 空中撃ちは、射出された後すぐに落下する。
 弾は直進的に速く進み、壁に当たると反射する。火力が高い。相手を視認するとスピードアップして少しホーミングする。ゲーム内でホーミングしないと書かれているが、実際には当たりやすい。
 高空系ロボが相手の頭上を取って爆撃するために採用している。
 ABは、2章や3章で書いたように、高空系として運用するには厳しい。爆撃目的で採用する場合は、ロングバーニアを履きたい。
 ABにとっては、爆撃よりも、地上主体の立ち回りに合わせると良いと思っている。地上撃ちが壁を超えるポッドは他にあまりない。正面中空から接近してくる相手に対して、地上撃ちで迎撃も狙える。

(4)ジャンピングB/G

▼基本性能・使い方・役割
 標準的な弾速とホーミング力のポッド。素直な軌道をしている。
 ジャンピングBは、トマホークBのように相手の頭上で爆発する。ジャンピングGは、相手に跳びかかって爆発する。Bは直接当たらないが、Gは直接当たる。
 その挙動から対空意識で採用するポッドにはなるが、空対空で当てるなら空中撃ちが前進するコックローチのほうが良い。普通に使う分にも、ホーミング力が高く弾速も速くなるコックローチのほうが強く感じる。
 コックローチに勝る点を考えてみる。
 まず、起爆が速いので、リロードが速い。機体制御する上では便利だ。
 次に、地上撃ち。コックローチを地上撃ちすると前方に出ていかないので弱い。ジャンピングは地上でも安定して相手へ到達する。
 以上、考えてみたが、「無難」という感想しか出てこない。採用する理由なるような強さがないのだろうか。

 空中撃ちのコックローチ、地上撃ちor高空爆撃のドルフィン、地上撃ち空中撃ち両対応のジャンピング、と言ったところか。

(5)シーカーF/G、フロートF

▼基本性能・使い方・役割
 ゆっくりと相手を追い込むポッドだ。
 シーカーは地上から追い、相手の移動を強制する。縦方向の感知に優れ、飛び越えて回避しようとしても、低いジャンプなら起爆する。
 フロートFは空中から追い、相手の頭上を飛び続ける。ジャンプに反応して爆発する。
 遠距離の回避戦で強く、とりあえず出しておくだけで最低限の仕事をするため、初心者にオススメのポッドである。

▼考察
 シーカー、フロートFはリロードが遅く、ABと相性が悪い。機体制御に使えないからだ。
 AB視点で考察すると、シーカーFは対近に使えなくもない。相手の接近に合わせて撃てば、即起爆して相手を吹っ飛ばしてくれる。しかし、対近目的で採用するなら、ウェーブやコックローチで十分だ。
 このポッドは、SVやWS、BB等が、逃げ主体の遠距離カスタムで採用しているのを見る。これらのロボは、空中ダッシュで相手から逃げる性能に優れている。シーカーF程度の対近性能でも十分であり、遠距離での事故も狙えるから採用しているのだ。
 また、地上型リトルが採用しているのも見る。そもそも地上型リトルと相性の良いポッドが少ない、という消極的な理由からの採用であることも多いようだが。
 対してABはどうか。SV等と違って逃げる性能が無いから、対近性能はこれでは不十分だ。そもそも、対近のためにポッド射出を温存していては、本来の使い方に支障が出て本末転倒である。地上型リトルのように相性の良いポッドが他に無いわけでもない。
 初心者が使いやすさを理由に採用するのは十分に有り。一方、ゲームに慣れてきた人がABで採用する時は、本当に必要かどうか、よく吟味するべし。

(6)サテライトH、スカイフリーズ

▼基本性能・使い方・役割
 筆者に使用経験はほとんどないが、これを搭載したABと戦った時に、悪くないのでは、と思ったので考察してみる。
 ステージ上空に設置するタイプのポッドであり、ステージ次第で使い勝手が変わる。サテライトHは3個、スカイフリーズは2個出せる。
 侵入禁止エリア(あるいは要塞)を作って相手を待つイメージで使う。単に相手を妨害したいならサテライトHを、フリーズが欲しければスカイフリーズを採用する。
 シーカー・フロートFと同様、リロードが遅いので機体制御に向かない。

▼シーカー・フロートFと、サテライトH・スカイフリーズの差異に関する考察
 採用目的について。使い方は異なれど、どちらも相手の移動を制限する目的で採用する。副次に事故を狙えるのも共通だ。ただし、シーカー・フロートFは相手に移動を強制し、サテライトH・スカイフリーズは相手の移動を抑制する。
 対近性能の視点から深掘りしてみよう。一口に対近と言っても、実は2種類ある。一つは、接近してきた相手を拒否する性能。もう一つは、そもそもの接近行動を躊躇させる性能だ。シーカーFの対近は前者、サテライトHの対近は後者だ。
 では、ABにとって嬉しい対近はどちらか? 基本的には後者となろう。それはなぜか。2.3節『性質(11)』で書いたように、ABは相手の接近を許しやすく、それに対する保険もない。そもそも接近されたくないのだ。シーカーFの追いかけ性能は、相手の移動(≒接近)を強制してしまう、と捉えることもできる。接近行動を誘発させるのだ。接近させたところにカウンターを入れられるなら良いが、誘発されて何度も接近を試みてくる相手に対し、シーカーFの対近性能では心もとない。対して、サテライトHは、相手に接近を躊躇させる性能を持つ。2.4節(12)で、「相手が攻めにくい状況を作れば、相手が攻めてくるタイミングを読みやすくなる。そこに迎撃を合わせる」という立ち回りを書いた。「相手が攻めにくい状況」を実現するのが、まさにサテライトHである。
 以上の議論は相手が攻める側という前提である。AB側から攻める場合には、設置型ポッドではどうにもならない。シーカー・フロートFのほうが強い。

(7)ダイビング

▼基本性能・使い方・役割
 あまり強いポッドではないが、使いやすいので紹介する。
 それなりの弾速とホーミング力で相手に向かって飛んでいき、近くに行くとゆっくり降下して爆発する。起爆には少し時間がかかり、リロードは遅め。
 遠距離で、左右に撃ち分けて相手を追い詰めるように使う。
 ウェーブ・コックローチ・ドルフィンは中距離までしか機能しない。遠距離で機能して、かつ能動的に使えるポッドというのも、実は珍しいように思う。性能は低くても採用意義は見出せる。

(8)スローイングD/P

 筆者に使用経験はない。使えないこともないか、と思って挙げてみる。
 コックローチ、ドルフィンの下位互換という印象。爆風が長く残ることが利点か。しかし、その分リロードが遅くなり機体制御に支障が出る。

4.6 ガンの考察

 ガンを最後とした。それだけ、私の中ではボムポッドのほうが重要だと考えているためである。
 基本は、空中で撃てて相手の接近を迎撃できるガンを選ぶ。発射後隙の小さいガンは空中加速を生かせて良い。また、スライドショットできるガンだとABの地上最高速を生かせて良い。

(1)★(有力)スプラッシュ

▼基本性能・使い方・役割
 有限射程。
 最強の対近ガン。AB、SF、LR、TFの限定解禁ガン。
 大きめの弾を横に3発撃つ。リロードが極めて早くどんどん撃っていけて、しかも攻撃範囲が広いため、とんでもない制圧力を誇る。撃ち続けることで、相手の接近を拒否しきれる(諸説)。
 弾の初速は速いが、射程端で減速する。当たった相手をスタンさせる効果があり、弾の出始めほど長くスタンさせる。
 ガン自体の攻撃力はほとんどない。スタンさせたりダウンを取ったりしてから、ボムポッドやアタックで追撃を入れて中程度の火力を取る。ただ、スタンさせた相手への追撃は意外とシビアで難しい。
 なお、ガン発射の後隙が短いため、ABと相性が良い。空中加速が高いから、空中で一発撃って即移動、という行動が可能だ。ABの機体制御について、3.3節(1)も参照されたい。ABの各行動の合間に単発撃ちを挟むだけでも、相手は戦いにくくなる。

▼スプラッシュの対近性能に関する考察
 如何に対近性能が高いと言っても、当然だが、撃たないと意味がないので注意すること。しかも、連射しないと掻い潜って接近されてしまう。その一方で、連射している間は自分の動きが止まるので、スプラッシュの射程外から飛んできた相手の攻撃に被弾しやすい。制圧する連射と隙の無い単発撃ちを適切に判断して使い分けることができないならば、スプラッシュを持つ意味は薄い。フレイムのほうがよほど丸い性能をしている。

 以上をまとめると、対近性能を筆頭に、制圧力・後隙の小ささと、ABが欲しいものを一通り持っている強力なガンだ。一方、取り扱いは非常に難しく、その性能を引き出すには熟練が必要である。ある意味でピーキーなガンと言える。

▼撃ち方の例
・高空から連射して制圧する
・相手が接近したそうなタイミングで連射する
・できるだけ近距離で当ててスタンさせ、コンボを狙う
・ダウンさせて、ダウン追撃を狙う
・相手のダウン復帰無敵終わりに重ねて撃って、起き攻めを狙う
・自分の各行動の合間に一発ずつ
・機体制御のために

(2)★(有力)フレイム

▼基本性能・使い方・役割
 有限射程
 迎撃に向くガン。
 しばらくその場に残る弾を6発連射する。
 弾速はガンとしては遅め。弾は少しホーミングする。ダウン力が高く、標準的なロボは5発、FVは6発当ててダウンさせる。射程端ほど火力が高く、当たった相手を垂直に撃ち上げるので、トマホークB等とコンボが狙える。
 ダウン力が高いので、接近してきた相手への迎撃に向く。接近自体に合わせて撃ったり、一度回避した後、相手の後隙に差し込んだり。
 自分から相手に近づいて当てる場合は、弾速の遅い有限射程ガンというところがABにとって厳しい。高空からボムポッドと連携して相手の退路を塞ぎ、面で押し付けつつ掠らせるように撃つ。
 弾速の遅い弾を6発、しかも多少なりホーミングしてくれる。これを生かして、単発直進ガンとは異なる当て方をしていきたい。また、単に相手に当てる撃ち方だけではなく、ステージを制圧するイメージの撃ち方も混ぜていきたい。外したとしても、しばらく弾が場に残るため、後隙は数値より小さい。

▼撃ち方の例
・相手の接近に合わせて
・相手の接近をいなした後、迎撃として
・直接当てる
・高空から面で制圧するように
・射程端を掠らせるように
・予め攻撃を置いておくように
・相手のダウン復帰無敵終わりに重ねて撃って、起き攻めを狙う
・スライドショットで壁に隠れながら
・スライドショットで間合いを調整しながら

(3)(有力)スターダスト

▼基本性能・使い方・役割
 有限射程ガン。
 フレイム以上に面で制圧するガン。
 小さい弾を大量に拡散して撃つ。
 弾速は速い。射程端ほど拡散して攻撃範囲が広く、攻撃力も高い。弾の拡散はランダムなので、当たるかどうかは運次第である。
 フレイムから迎撃性能を下げて制圧力を上げたイメージのガンだ。
 何せ、当てに行って当たらないからである。例えばスナイパーを撃つ感覚で、当てるつもりで撃つのは大変まずい。当たるかどうか分からないのに、当たること前提(≒ダウンを取れること前提)で撃つのは避けるべきである。その撃ち方は、ゲームに慣れていない人のそれだ。
 では、どのように撃てばいいのか?
 このガンは、「制圧するように」「掠らせるように」撃つことに特化したガンなのだ。だから、このガンを上手く扱えるロボが限られている。

▼撃ち方に関する考察
 「直接当てる撃ち方が出来ないなら、フレイムより攻撃性能が低いのかな」と思う人もいるかもしれない。私に言わせれば、ABにとっては逆である。フレイムより攻撃性能は高い。
 例えばSVにとってのフレイムは、色々な当て方が可能なガンであるが、その中で、自分から確定ヒットを狙う撃ち方が強く視野に入る。トマホークBで相手の頭を塞いだところにダッシュで瞬時に接近して撃つアレだ。一方、ABやFVをはじめとして、高度を出して圧力を掛けていくタイプのロボは、自分から確定ヒットを狙うは得意ではない。高空から「制圧するように」、「掠らせるように」撃つのが得意だ。言い換えれば、「当たることに期待する撃ち方」だ。これは、「当たることが前提の撃ち方」とは異なる。特に、相手に追いつけないABは、この撃ち方を駆使することになる。
 そして、この撃ち方をする限りにおいて、フレイムよりスターダストのほうが攻撃性能が高い。「制圧範囲が広く」弾速が速いので「掠らせやすい」のだ。
 ただし、勿論、ABがフレイムを「当たる前提で撃つ」場面も存在する。それが相手の接近に対する迎撃である。ここにおいて、当たるかどうか分からないスターダストより、確実性の高いフレイムに分がある。

ABにとってのフレイムとスターダストについてまとめると、
・自分から当てに行く場合は、スターダストが強い。ABは確定ヒットを狙う撃ち方がそもそも難しいため。
・相手を迎撃する場合は、フレイムが強い。確実性が無いと信用して迎撃ガンを振れないため。

 ここに、守りのフレイム、攻めのスターダストという2構図を得た。
 もちろん、フレイムの得意な攻め、スターダストの得意な守り、というのもあるはずだが。

(4)★(有力)スナイパー

▼基本性能・使い方・役割
 無限射程ガン。
 オールレンジ対応で、決め撃ちに適したガン。
 単発高速高火力ガン。少しホーミングするので当てやすい。
 地上撃ちは発射が早く攻撃力が高いものの、後隙が大きい。空中撃ちは発生がやや遅く攻撃力が下がるものの、後隙も小さくなる。上手く使い分けたい。なお、射程端ほど攻撃力は下がる。
 入力遅延のあるオンライン環境において、最高峰の性能を誇るガン。様々なロボが「俺も俺も!」と持ち出してくる。
 ABにとっても使いやすいガンだ。
 単に弾速が速く当てやすい無限射程ガンというだけで、ABには価値がある。相手を追わずとも、中距離以遠で相手に圧力を掛けていける。追う場合も、ボムポッドと連携して自分から当てに行ける性能がある。相手の回避行動に対して、空中ダッシュの方向が甘ければ軸が合って刺さるし、着地隙を晒したところにも刺さる。「当たることに期待する撃ち方」と、「当たることが前提の撃ち方」を上手く使い分けたい。特に後者、確定ヒットの場面は見逃さないように。
 相手の接近に対する迎撃を考えてみる。発生の早い地上撃ちで迎撃したい。真正面から接近を試みる相手にはよく当たる。空中にいる状態の相手に対して、当てれば後方へ吹っ飛ばして距離を取ることができる。一方、外せば大きな後隙を晒すことになるため、フレイムよりシビアである。
 一つ気を付けたいのは、”スナイパー”だからと、撃ち合いの状況に自分から持ち込まないように。ABは我慢値が低く、撃ち合いで不利になる。相討ち上等ではなく、きちんと相手の攻撃を回避して、隙に差すこと。

▼撃ち方の例
・決め撃ち
・ボムポッドのヒット確信から
・中距離以遠で牽制気味に
・着地などの隙を狩る
・方向の甘い空中ダッシュをとがめる
・壁裏から
・高空から
・正面から
・箱に乗りながら
・スライドショットで壁に隠れながら
・スライドショットで相手の攻撃を回避しながら

(5)(有力)Vレーザー

▼基本性能・使い方・役割
 無限射程ガン。
 オールレンジ対応で、取り回しと攻撃性能を両立し、移動制限機能を付加したガン。オールマイティな印象を受ける。
 地上撃ちはV字型、空中撃ちはI字型に直線レーザーを放つ。弾速は速いが、ホーミングはしない。レーザーがその場に残るので、相手の移動を制限するようにも使える。
 弾速や攻撃力の割にリロードが早い。決め撃ちするスナイパーと異なり、牽制気味にドンドン振っていくガンだ。
 近距離でも思った程は当たらない。ABにとっては、距離を詰めて確実に当てに行くのではなく、中遠距離で相手を攻め立てるように撃ちたいガンだ。素直な軌道の空中撃ちをベースに、搦め手として地上撃ちも混ぜて、2択を押し付けていこう。
 迎撃で振る場合、心もとない。ABが空中にいる状況で、密着状態ならスナイパーより発生が早いため良いが、少し距離が離れて相手が横移動しているだけで当たらなくなる。地上撃ちは相手を確定でダウンさせるものの、今度は真正面からの接近に当たらない。上手く使い分けて迎撃したいが、そもそも使い分けないと迎撃できない時点でシビアである。

▼撃ち方の例
・中距離以遠で牽制気味に
・攻め立てるように
・着地隙などの隙を狩る(空中撃ち)
・壁裏から(空中撃ち)
・箱に乗りながら(地上撃ち)
・相手の移動を制限するように(地上撃ち)
・相手の移動を強制するように(空中撃ち)

(6)(有力)グラビティ

▼基本性能・使い方・役割
 有限射程ガン。
 強力な対空ガン。
 空中撃ちは、相手の頭上に大きめの球を設置する。リロードが早く、次々に設置していける。当たると大ダメージ&地面に落とされるので、相手のジャンプを強烈に抑制する。
 地上撃ちは、弾速が速く、しかも強くホーミングする。リトルに対しても非常に当てやすい。当たった相手を垂直に吹っ飛ばすので嫌がらせに最適。空中撃ちとのコンボを狙える。
 基本的に、空中撃ちの射程内で圧力を掛けつつ、高性能な地上撃ちも混ぜて嫌がらせしていく。高い火力でリードを取ったら逃げる。距離を取りながら空中撃ちを設置して、相手が攻めにくい状況を作ろう。
 ABとの相性は、良いとも悪いとも。
 相性の良い点から。
 このガンは、空中撃ちが有効に働く間合いを維持する必要がある。ABは間合い維持をしやすい(2.3節『性質(4) 間合い調整が得意』)。
 次に、相性の悪い点。
 このガン、特に空中撃ちは、近距離において何の効果も発揮しない。ヒヨコガンのほうがマシである。一応、地上撃ちは相手に当たりやすいから、相手の接近が読める状況では地上に居ると良い。その後、地上撃ち自体を当てるのか、一度回避してからボムポッド+空中撃ちで迎撃するのかを選択する。

▼撃ち方(空中撃ち)
・相手のジャンプに合わせて
・相手の多段ジャンプに合わせて
・ジャンプされたくない状況で
・射程内で圧力を掛けるように
・射程外で設置して、攻めにくい状況を作る
・浮かせる爆風とコンボさせて
▼撃ち方(地上撃ち)
・単に高性能な牽制射撃として
・ジャンプを控えて機動力が低下した相手に撃つ
・とりあえず当てて戦況の変化を狙う
・我慢値が削れた相手に対して、ダウンを取るために撃つ
・空中撃ちで設置した弾とコンボする
・連射して撃ち上げエレベーター

(7)ニードル

▼基本性能・使い方・役割
 無限射程ガン。
 オールレンジ対応で、気軽に撃てて、比較的垂直方向に強いガン。
 銃口から垂直放射線状に3本の針を撃つ。地上撃ちは攻撃範囲が広く、空中撃ちはまとまって当たる。リロードが早く後隙が小さいので、気軽に撃っていける。ただし弾速は標準的でホーミングもしない。攻撃力も控えめで、本当に気軽さに特化したガンだ。
 当たった相手を少し撃ち上げつつ引き寄せる。撃ち上げを利用してトマホークBとコンボしたり、引き寄せを利用してスタンダードF・ウォールボム・ウェーブポッド等とコンボしたりできる。低い火力はボムポッドを搦めて補う。ただ、相手を引き寄せつつコンボするので、コンボ後の展開がABにとって悪い。距離が近い状態で、相手のダウン復帰無敵が始まってしまう。
 3発当てればほとんどのロボからダウンを取れる。よって、近めの間合いでは、3発当たる空中撃ちが強い。一方、遠めの間合いでは、弾速の速い地上撃ちが良い。オールレンジ対応のガンだ。
 スプラッシュの項目で書いたが、後隙の短いガンはABと相性が良い。

(8)バーティカル

▼基本性能・使い方・役割
 無限射程ガン。
 ニードル同様、垂直方向に強いガン。
 正面に2発、斜め上に2発撃つ。弾は垂直方向に強くホーミングするので、中距離の間合いでは4発当たる。4発当てればほとんどのロボをダウンさせることができる。
 ニードルからコンボ性能を削って、決め撃ち性能を上げたような印象を受ける。隙が大きくなっていて気軽さも減っている。スナイパーと比べればよっぽど気軽に撃てるが。
 扱いやすいが、近距離での弱さが特に気になる。この点もニードルが勝っている印象だ。

(9)3ウェイ

▼基本性能・使い方・役割
 無限射程ガン。
 気軽に撃てて、比較的水平方向に強い、中~遠距離ガン。
 並列に3発並んだ弾を3連射する。3×3。
 水平方向に結構ホーミングする。同時に4,5発と当たれば火力は高い。しかし、垂直方向にホーミングしないのでジャンプで回避されやすい。頭上を塞ぐボムポッドと合わせたい。
 遠距離の回避戦で中々強い。遠距離ガンの入門、という印象。近距離でもちゃんと当たるし。
 こういう、ばら撒くタイプのガンと、ABは相性が良いと思っている。ただ、そこにABが求める性能はない。ガンがABに求める性能と、ABがガンに求める性能は異なるのだ。その辺りの話は《研究論》にて。

(10)レフト/ライトアーク

▼基本性能・使い方・役割
 無限射程ガン。
 曲がるスナイパーという印象。その弾曲がるよ。
 左または右に射出された後、途中で逆方向へ曲がるガン。曲がるタイミングで強烈にホーミングし、その後は弾速も上がる。その軌道から、壁を避けて射線を通すこともできる。地上と空中で、最初の射出方向が異なる。
 中距離~遠距離で当たりやすいガンで、攻撃力もある。独特の軌道と性能を生かしつつ、地上撃ちと空中撃ちの2択を迫れば、スナイパーに引けを取らない強さを発揮できるだろう。
 問題点は、相手の接近を誘発すること。しかも、このガンは近距離に対応していない。『性質(9) 相手に接近を許しやすい』ABにとっては、どうしてもスナイパーに軍配が上がりがち。ボムポッドは対近性能の高いものを合わせよう。

(11)マグナム、ショット

▼基本性能・使い方・役割
 有限射程で、一般に近距離ガンと呼ばれる。
 クリーンヒットさせれば相手を確実にダウンさせる。攻撃力も高い。
 接近して決め撃ちするガンだ。
 水平に遅いABが相手に接近するのは容易ではない。なのでオススメはしない。でも使っていて楽しい。
 ジワジワと距離を詰めながら、ボムポッドと連携して当てよう。

(12)スターレイヤー・イーグル・バブル

▼基本性能・使い方・役割
 いずれも、後隙の小さい遠距離ガン(バブルは中距離ガンか)。
 スプラッシュの項目で書いた通り、後隙の小さいガンはABと相性が良い。
 でも接近されたら死ぞ。

5. カスタマイズ

 以上、ABと各パーツについて掘り下げてきた。
 ここでは、実践的なカスタムをいくつか紹介する。あくまでテンプレート・サンプルという位置付けである。ここに書かれた組み合わせ以外も、ぜひ試してみてほしい。

※表記ルール
▼ロボ/ガン/ボム/ポッド/レッグ と表記する。

※表記例
▼AB/*/クレセントP or トマホークB/(ウェーブ、ドルフィンG)/(ハイジャンプ、ロングバーニア)
ロボは、ABであればなんでも良いことを表す。
ガンは、*と書いて任意であることを表す。
ボムは、”or”で繋げて、どちらかを選択する。
ポッドとレッグは、同一括弧( )内で、一個目どうし、または二個目どうしを選択する。すなわち、ウェーブ&ハイジャンプ、またはドルフィンG&ロングバーニアとなる。

5.1 ボムポッド(+レッグ)の構成例

 カスタムを紹介する前に、まず、ボムポッドレッグの構成例をテンプレートとして示す。ここに好きなガンを合わせるだけでそれっぽくなる。
 もちろん、別のパーツを合わせて良い。例えば、(1)でウェーブをコックローチGに変えたり。

★(1)クレセントP/ウェーブ

 鉄板の構成。地上~中空の相手、正面に対して強い。
 ボムポッドの両方が相手へ直接当たる。使いやすい構成だ。近距離ガンから遠距離ガンまで、決め撃ちするガンにもばら撒くガンにも、色んなガンと合わせていけるだろう。

★(2)トマホークB/コックローチG

 こちらも鉄板の構成。こちらは低空~高空の相手、ジャンプに対して強い。
 回避戦で強く、事故らせる性能が高い。ボムポッドでコンボを狙えて、追撃火力もバッチリ。

(3)アイドリングD/ウェーブ

 ABで使っている人を見ないが、悪くない構成だと思う。地上~低空の相手に強い。
 回避戦で強いが、ボムが遅効性である。ガンは即効性のあるものを合わせないと、相手に接近された時に辛い。
 事故狙いと対空意識でポッドをフロートF等にしたくなるが、対近が薄くなりすぎるのは気になる。間を取ってコックローチも強い。

(4)ドルフィンG/ロングバーニア

 高空系として運用する場合に。

(5)ドルフィンG/スタビライザー

 地上主体に立ち回る場合、ドルフィンGは使いやすい。地上撃ちが壁を超えるため。

5.2 サンプルカスタム

★(1)ABフレイム

▼AB/フレイム/クレセントP or トマホークB/ウェーブorコックローチG/ハイジャンプ or ロングバーニア or フェザー

▼解説と使い方
 対近、カウンター意識のカスタム。
 ボムポッドは、クレセントP、ウェーブを選べばカウンター・直接攻撃寄り、トマホークB、コックローチGを選べば回避戦・移動阻害寄りになる。コンセプト的には前者を選びたいところだが、後者でもカウンターは十分成立するし、回避戦で強く出られるから扱いやすい。
 レッグについて、ハイジャンプはジャンプを主体に、相手の攻撃をいなす立ち回りになる。一方、ロングバーニアは多段ジャンプを主体に、高空から相手のミスショットを待つ立ち回りになる。フェザーは滞空時間の長さを生かして立ち回りたい。
 自分から攻める場合は工夫が必要。ABが水平に遅いこと、フレイムが有限射程で弾速が遅いことが理由だ。フレイムを面で押し付け、掠らせるように撃とう。スライドショットまで含めて、色々な撃ち方で当てに行きたい。

★(2)ABスプラッシュ

▼AB/スプラッシュ/クレセントP/ウェーブ/ハイジャンプ
▼AB/スプラッシュ/アイドリングD/コックローチG/ハイジャンプ

▼解説と使い方
 逃げ切り意識のカスタム。先にリードを奪ってから、スプラッシュで相手の攻めを拒否していく。
 スプラッシュは強力なガンであるが、特に攻めとして使う場合はシビアなガンでもある。使いこなすには練習が必要だ。
 2つのサンプルを示した。
 クレセントPウェーブは、ABフレイムの延長で使える。ボムポッド共に直接当たる構成で弾速が速いから、スプラッシュを掠らせたところに追撃を入れやすい。
 アイドリングDコックローチGは、事故らせた時の火力が高いボムと、回避の難しいポッドの組み合わせだ。スプラッシュで無理に攻めずとも、回避戦で自然とHPリードを取れる。
 なお、ロボの選択は、アタックコンボを意識したい。大きくリードを取られた時、火力の低いスプラッシュで相手に追いつくためには、リスクを承知で狙っていく必要がある。

★(3)ABグラビティ

▼AB/グラビティ/クレセントP/ウェーブ/ハイジャンプ
▼AB/グラビティ/トマホークG/コックローチG/ハイジャンプ
▼AB/グラビティ/デルタ/コックローチG/ハイジャンプ

▼解説と使い方
 『性質(4) 細かい間合い調整が得意』であることを生かして、グラビティを使いこなす方針のカスタムだ。
 2つのサンプルを示した。
 クレセントPウェーブは、(1)ABハイフレイムに近い。ボムポッドで相手の正面低空からの接近を拒否しつつ、空中撃ちグラビティで圧力を掛け、引っ掛かるのを待つ。相手が無理に攻めてきたところをいなして、後隙にボムポッドからグラビティを繋げて迎撃しよう。
 トマホークGコックローチGは、一般にグラビティと一緒に使われる構成だ。ABで使っても勿論強い。空中主体のロボを相手にする場合は、こちらのほうが強そうだ。
 デルタを採用するパターンがあるそうだ。私は使ったことが無い。クレセントPウェーブと比較して、相手の接近行動自体を抑制する効果がありそうだ。

(4)ABスナイパー

▼AB/スナイパー/クレセントP/コックローチG or ドルフィンG/ロングバーニア
▼AB/スナイパー/クレセントP or アイドリングD/ウェーブ or コックローチH/ハイジャンプ
▼AB/スナイパー/スタンダードorアイドリングD/ドルフィンG/スタビライザー

▼解説と使い方
 スナイパーを使って、オールレンジかつ万能に戦うことを目指したカスタム。
 それぞれ、高空、低中空、地上を主体に立ち回る。
 高空の場合、ボムポッドのヒット確信からスナイパーを決め撃ちしたい。
 低中空の場合も、ヒット確信から決め撃ちしたい。その他、ハイジャンプの瞬発力を生かして、相手の隙に対して咄嗟に射線を通したり、相手の接近を待って迎撃気味に撃ちたい。
 地上主体の場合、スライドショットも含め、発生の早い地上撃ちをメインにする。

(5)ABVレーザー

▼AB/Vレーザー/トマホークB/コックローチG or ウェーブ/ハイジャンプ

▼解説と使い方
 中距離以遠で、Vレーザーをドンドン撃って攻め立てたり、地上撃ちとの択を押し付けて相手の移動を制限・誘導したりする。
 Vレーザーは垂直方向に回避されやすい。そこで、トマホークBで相手の頭上を塞ぐ。ポッドは、中距離を厚くするならコックローチG、近距離戦も重視するならウェーブが良いか。

(6)ABニードル

▼コロナ/ニードル/トマホークB or トマホークG or ウォール or スタンダードF/ウェーブ/ハイジャンプorショートバーニア

▼解説と使い方
 機体制御して機敏に動きつつ、後隙の少ないニードルを撒いて戦う。
 ボムは色んな選択肢がある。どれもニードルとのコンボを狙えるので、自分が使いやすいものを選べば良い。
 ロボはコロナをチョイス。アタックをコンボに組み込むことができる。

(7)ABマグナム

▼AB/マグナムorショット/トマホークG/コックローチG/ハイジャンプorワイドジャンプ

▼解説と使い方
 相手の攻撃を掻い潜りつつ接近してマグナムを撃つ。
 ボムポッドを引っ掛けながら狙うのがコツ。

6. 対○○

 ロボやガンに対して、なぜ苦手なのか、どう対策すれば良いかを考察する。
 総じて、環境上位のロボや流行のガンに対して弱い。
 一応、これまでの考察内容を踏まえて展開するが、机上論や仮説も多い。「自分はそう思わないけどなー」という感想を持つかもしれない。6章に限った話ではないが。

6.1 ロボ対策

 (1)SVフェザーと(2)WSハイは非常に厳しい。

(1)対SVフェザー

▼なぜ苦手なのか
 ジャンプは低いもの、3回のステルスダッシュを持つ。水平方向に非常に速く、しかも3回もダッシュできるため移動ルートが多彩だ。
 接近してくるSVから逃げ切れない。逆に、逃げるSVに追いつけない。間合いの主導権は常に相手が握っていると思ったほうが良い。

▼対策方針
(a)高度を出して一時的に主導権を握る。SVはジャンプが低いため。
(b)接近してくるSVに対して、スプラッシュを持つ。フレイムですら対近には間に合わない。
(c)逃げるSVに対して、無限射程ガンを持つ。追いつけないなら、遠距離で機能するガンを持つ。
(d)逃げるSVを追えないので、何らかの方法で相手から接近してきてもらって攻撃を当てる。ただし接近タイミングは相手に主導権がある上、上述の通り、見てから対応するには動きが速く接近ルートが多彩すぎる。自分が相手より実力で上回っていないと通用しない対策。

(2)対WSハイ

▼なぜ苦手なのか
 2回の高速急降下ダッシュを持つ。SV同様に水平に速い上、その降下ダッシュから垂直にも速い印象を受ける。SVと違ってステルスを持たないものの、相手のガンを振り切る速度のダッシュだ。SVよりジャンプも高いのが厄介度を増している。

▼対策方針
(a)動きが固く制御が難しいので、甘い移動に攻撃を狙う。操作に慣れていないWSはこれで対応できる。
(b)ワンダッシュ圏内の位置関係で、積極的に高度を出す。ダッシュが急降下であるから、WS側は意外と困る。ただし、多段ジャンプの前隙にダッシュを合わせられると厳しい。

(3)対高空系

▼なぜ苦手なのか
 基本的に、頭上を取った側が有利である。
SSハイ:
 瞬間的に高度を出して、ABの頭上を取ってくる。捕まえることが難しい。
FVハイ:
 滞空時間が長く、頭上を取られがち。防御力が高く、ダメージレースで不利が付く。
FO:
 滞空時間が非常に長く、頭上を取られる。捕まえることが難しい。

▼対策方針
●共通:
(a)着地隙を狙う。
(b)できるだけ高度を出して、頭上を取られないようにする。
(c)対空パーツを採用する。
●SSハイ:
(d)遠距離で戦う。SSハイもABと同様に水平速度が遅く滞空時間が短いから、距離さえ取っていれば、即座に位置取りで不利を取ることは無い。
●FVハイ:
(e)細かい回避が苦手なところに付け込んで攻撃を当てる。
(f)相手に頭上を取られている時は、地上移動も使って回避する。
●FO:
(g)相手が飛んでいる間は回避に専念する。
(h)高度を合わせて迎撃する。

(4)対MG

▼なぜ苦手なのか
 我慢値が高く、撃ち合い(殴り合い)を積極的に挑んでくる。防御力も高いため、ダメージレースで不利が付く。

▼対策方針
(a)回避戦を展開する。
(b)相手の我慢値を把握して、的確にダウンを取る。
(c)撃ち合いは拒否し、回避に専念する。
(d)接近に対し迎撃を合わせる。SV、WSと比べて速くない上、ダッシュも1回しかないから、迎撃を成立させやすい。

(5)対BBハイ

▼なぜ苦手なのか
 降下しながら長い距離を移動するステルスダッシュを1回持つ。これに加えて、ジャンプが高く速いため、捕まえるのに苦労する。

▼対策方針
(a)対空パーツを採用する。BBの垂直ジャンプによく刺さる。
(b)P型、G型爆風のパーツを採用する。空中加速が低く、ダッシュは1回かつ前硬直が長いので、BBは撃ち上げに弱い。相手を追い続けながら、引っ掛かるのを待つと良い。

(6)対リトル

▼なぜ苦手なのか
 地上型にしろ空中型にしろ、体が小さくすばしっこい。攻撃を当てるのに苦労する。

▼対策方針
(a)ボムポッドの爆風が当たるのを待つ。ダウンしたところに追撃を入れる。

6.2 流行ガンへの対策

 (1)スナイパー、(2)グラビティは厳しいと言わざるを得ない。

(1)対スナイパー

▼考察
 弾速が速く少しホーミングするので、ABの前後移動(接近したり距離を取ったりする移動)に対して強烈に刺さる。近距離で撃たれた場合、被弾が確定しやすい。
 ABの各隙をとがめる性能も持っている。こちらがボムを撃った時や多段ジャンプの前隙にスナイパーが刺さる。
 ABは標準的なロボと異なり、スナイパー一発でダウンしてしまう。ガンの撃ち合いになった場合、AB側が一方的にオーバーロードして不利になりやすい。
 単に、「スナイパーが当たりやすい」、「スナイパーをケアして行動する必要がある」というだけなら、AB以外のロボにも当てはまる。問題は、ABの防御力と我慢値が低いせいで、被弾した時のリスクが大きいこと。その上、ジャンプの他に空中ダッシュという移動手段を持つロボ達と異なり、ABはメインの移動手段であるジャンプ自体に強烈な制限が掛かってしまうことにある。
 総じて、このガンを持たれると、ABのやりたい行動すべてに強烈な制限を掛けられてしまう。移動方向、多段ジャンプ、着地、ボム、ガン。
 これが、対スナイパーが厳しい理由だ。

▼対策方針
●回避方針
(a)相手から距離を取って、横移動を中心に動く。前後移動をしない。
(b)垂直方向に避けることを意識する。ABは落下が速いから、意外と回避できる。
(c)不用意にジャンプして体を晒さない。地上移動も使って、壁を利用して射線を切る。
(d)不用意に多段ジャンプしない。多段前隙にスナイパーが刺さる。
(e)空中で不用意にボムを撃たない。
(f)壁裏に着地する。着地を狙われないようにする。
●立ち回りに関する技術
(g)撃ち合いにならないようにする。スナイパーを構えて待つ相手に対しては、ガンから入らず、必ずボムポッドを引っ掛けてからガンを撃つこと。
(h)わざと体を晒したり射線の通っている位置に着地したりして、ミスショットを誘う。そこに迎撃を合わせる。
 ABの挙動にスナイパーを合わせるのは、なんだかんだでコツを掴んでいないと難しい。機体制御で述べた着地隙キャンセルまで駆使して、相手のミスショットを釣ろう。

(2)対グラビティ

▼なぜ苦手なのか
 強烈にジャンプを封じてくる。気軽に設置できるガンの割に火力がとんでもなく高く、無視できない。一回の事故被弾から200~300のダメージを覚悟しなければならない。
 ABの基本行動であるジャンプ・多段ジャンプの両方に刺さってしまう。空中ダッシュを持たないため、潜り込むように相手へ接近することもできない。
 隙をみて跳べたとして、SSハイほど瞬時に高度が出るわけでも、FVのように水平速度で追えるわけでもない。グラビティを持ち出すようなロボに逃げられては、ABは追いつけない。
 極めつけは、地上撃ち。ABでは回避しきれない。地上移動でジワジワ接近しようにも、遅い走り始めや前後移動に刺さり、何とか跳んでも、やっぱりAB側の前後移動に対して地上撃ちが刺さる。しかも、我慢値が低いのが効いている。標準的なロボは、コックローチG一発+グラビティ地上撃ちを耐える。対して、ABはダウンする。高空ロボがスナイパーを連射して対策する方針がある。同様の方針を取ったとき、ABはグラビティ地上撃ちでオーバーロードされやすい。当然、ダウンすれば試合の主導権は相手に渡る。ダウン追撃をもらうか、距離を取られて仕切りなおされるか。グラビティが厳しいロボはたくさんいるが、それらとABの違いは我慢値かもしれない。

▼対策方針
(a)ABを使わない。
(b)グラビティの射程内に入らない。
(c)有限射程のガンを持たない。相手のロボよっては、詰みレベルの相性になる。
(d)無限射程のガンを持って連射し、グラビティの発射を牽制する。
(e)地上移動主体で動く。全ロボ中3位の地上最高速度が生きる。
(f)ジャンプしない。
(g)多段ジャンプしない。
(h)事前に2回多段ジャンプして高度を出しておけば、空中撃ちグラビティが刺さることは無い。
(i)ABのジャンプ高度は低いから、設置されたグラビティの高度次第では当たらないこともある。
(j)ABのジャンプ初速は速いから、設置されたグラビティの高度次第では、水平方向に回避が間に合うことがある。

(3)対Vレーザー

▼なぜ苦手なのか
 標準的なロボと異なり、ABは空中撃ち一発でダウンしてしまう。スナイパーほど当たりやすいわけではないが、隙を晒したくない。撃ち合いもしたくない。
 また、ABの低いジャンプの横移動に対して、地上撃ちが刺さりやすい。

●対策方針
(a)前後移動や縦移動を中心に動く。横移動しない。
(b)水平速度キャンセルのテクニックを使う。即座に水平速度を0にできるので、地上撃ちへの被弾を防げる。

(4)対マグナム、ショット

▼なぜ苦手なのか
 マグナムが苦手と言うより、このガンを持ち出してくるロボを相手にするのが苦手である。
 一応、ガン単体で考察する。『性質(9) 相手から逃げることが苦手』で、相手に接近を許しやすい。ひとたび接近を許せば、被弾が確定してしまう。加えて、ステルスや防御力などの、『性質(11) 確定した攻撃への保険が無い』ためである。

●対策方針
(a)距離を取る。
(b)相手の接近に迎撃を合わせる。

7. (未執筆)ステージ考察

8. あとがき

8.1 内容のまとめ

 非常に長い記事となりました。ご覧いただきありがとうございました。
 執筆内容を振り返ってまとめてみます。

 2章では、【基本性能】をまとめ、『性質』を導きました。『性質』の多くが【空中加速】の高さに由来することこそポイントです。次に、実践における動かし方・立ち回り・考え方を示しました。回避戦を主体に、攻防展開を如何に解決するか。これがABの軸であり、難しいところです。
 3章では、機体制御についてまとめました。私がABを使う上で非常に重要視していることです。基礎としてABのジャンプ軌道・挙動について示した後、各機体制御の方法を紹介し、その恩恵を考察しました。ABで戦うならば、ぜひマスターしておきたい技術です。
 4章では、各パーツについてまとめました。性能、使い方、ABとの相性について記しました。結局、ABのパーツ選択は、「空中加速を生かせるか」「対近で機能するか」「相手を捕まえることができるか」の3つに終着するのではないかと考えます。
 5章では、カスタマイズの例を示しました。どんなパーツを組み合わせれば良いのか分からない人は、まずここから出発して、慣れたらアレンジを加えていくと良いと思います。
 6章では、頻繁に対峙することになるロボ・ガンについて検討しました。私の実戦経験に基づいて、ABはなぜそれらを苦手とするのか考察し、どのように対策すれば良いのか検討しました。経験上、対SV、対WS、対グラビティは非常に厳しいです。上手いやりようがあるのかもしれませんが、私は終ぞ見つけられませんでした。

8.2 《考察論》執筆の目指したところ

 《考察論》と銘打ち、初級者~中級者向けの考察を行いました。
 この記事は、「ABで中級者へのステップアップを目指す人」に向けて『実践的ノウハウ集』として読めるもの、「対戦人口全体」に向けて『対戦における考え方の例を示す』ものであることを目指しました。
 したがって、前者を満たすため、私の『経験則』をすべて詰め込みました。そして、後者を満たすため、それら経験則に対して『理由付け』を行いました。そうして構成されたのが、《考察論》となっています。

 ここで、「中級者」について、私なりの定義を示します。
 「中級者」とは、平易には、カスタムロボV2というゲームに慣れている人のことです。より言えば、各パーツの【性能】『性質』を理解し、有用なテクニックを実戦に取り入れながら、試合において独自の立ち回りを確立した人のことです。「カスタムロボ交流サーバー」のバトルタワーコンテンツにおける、シルバータワー相当の実力の人です。

 ところで、『考察』とは、辞書を見ると『物事を明らかにするため、よく調べ考えること』とあります。

 さて。
 本記事は、「ABで中級者へのステップアップを目指す人」に向けて『実践的ノウハウ』を学べるものを目指しました。
 私の定義に依るところの「中級者」へステップアップするには、各パーツを理解し、有用なテクニックを実戦に取り入れ、独自の立ち回りを実現できる必要があります。ですから、「パーツの【基本性能】」「テクニックや使い方」「立ち回り」が、この記事には盛り込まれているはずです。体系的に整理できているか、と言われると、自信はありませんが。
 何事も、『感覚派』と『理論派』の人がいると考えています。この記事は、両方の人に対応した内容として書き上げたつもりです。私が経験として得た『感覚』に対して、『理由付け』を行ってきましたから。

 あくまで『考察』です。私の『考察』が妥当なものであるとは、とても保証できません。
 「それは違うんじゃないか」と、考えを異とする人が絶対にいるはずです。そこで私は、読み手が「では、何が正しいんだろう?」と考察しようとした時に、どのように考察すれば良いか、その道筋の例を示したかった。
 よって、本記事は論理的であることを目指しました。冗長な記述になっても前提を明らかにしながら、導かれる結論を積み上げて新たな前提とするイメージで書きました。【性能】から『性質』を。『性質』から立ち回りを。立ち回りから各パーツ考察を。各パーツ考察からカスタマイズを。ABに関わるすべてを考察し終えてから、仮想敵への対策検討を。
 「対戦人口全体」に向けて、『対戦における考え方の例を示す』とは、私の考察内容を提供するという意味でもあり、考察の過程を提供するという意図でもあります。

 《考察論》と銘打ち、論理的であることを目指しながら、そうではないものに仕上がっていた場合、それは私の力量不足であります。論理的というのは難しいですね。

8.3 《研究論》へ

 以上《考察論》にて、私の持っている知見のうち、実対戦において必要なことをほとんど示せたつもりです。

 《研究論》では、ABの本質を捉えることを目的に、さらなる探求を行います。
 再度言いますが、対戦に関することは《考察論》ですべて示しました。《研究論》は、実際の対戦で役に立つこと(立ち回りや技術)は書きません。
 《考察論》は、仮にも色々な人に読んでいただくことを前提に、【性能】という客観的事実から出発して論理的であることを目指して書きました。
 《研究論》は、私見マシマシで書いていきます。独自の価値観を勝手に定義して展開していくので、読む人を選ぶと思います。「自分には合わないな」と思ったらブラウザバックを、そうでなくとも話半分で読むのを推奨します。

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