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献血0回「69歳まで時間はあるんだから」

はじめて献血しようと思ったのに、直前で不安になって、やめてしまいました。たまに立ち眩みがあることをふと思い出して「私が献血しても大丈夫ですか?」と採血担当のお姉さんに聞いてしまったのと、お隣で寝ている方が、献血で気持ち悪くなってしまったらしく、青白い顔でいたのが私の不安を煽ってしまいました。

献血したいとずっと思っていたので、やってみよう!とその時はやる気満々だったのですが、400mlの血液が自分の身体から出るということも想像できなくて、針を刺す場所の消毒の冷たさにも怖くなってしまったのです。

でも輸血を必要としている人のためにやらないといけないし…などと葛藤した後「私たまに立ち上がる時だけ立ち眩みがおきるんですけど、大丈夫ですか?」と聞いてしまいました。

たぶん「そのくらいなら大丈夫」と言われてたら献血していましたが、担当のお姉さんはこう仰いました。

「若いし、これからの帰り道不安だからやめようか」

と、にっこり笑顔で塗った消毒液を拭き取ってくれました。

「69歳まで時間はあるんだから焦らなくていいの、協力しようとしてくれたその姿勢が嬉しいのよ。ありがとう、また健康で元気なときに協力してね」

申し訳なく思いながら、身支度を整えて、献血カーの外に出るとスタッフの方が参加賞のお茶セットと「0回」と書かれた献血カードをくれました。

私は帰り道、バスと電車に揺られながら、献血に協力できなかったことを後悔するよりも、献血カードの0回を1回にできる日のことを想像することにしました。

「献血」という単語の意味、「献」が表す意味を改めて考えながら、今まで献血に参加してきた人々のすごさがわかった気がしました。でも、大学の広間に停まっていた献血カーの横を自転車で通り抜けながら、協力してみたいと思ってた自分が、献血カーで献血する直前まで行動することができた今を喜ぶべきだと思いました。

献血カードの回数を重ねられる日が楽しみです。69歳までに2ケタは行きたいですね。献血戦士の一人になれるよう屈強な身体を目指します。

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最後まで読んでいただきありがとうございました。


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