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犬とわたしの歴史~ドンくん②~

そうそう。前回書き忘れていたのですが、ドンがうちの家族になった経緯にはもう1エピソードあったことを思い出しました。

父の勤務先の駐車場にいた野良の子犬だったわけですが、実はその少し前に知り合いから子犬を譲りうけていました。それはたいそう可愛らしい柴犬っぽい犬で100人が100人可愛いと言うだろうってくらい可愛かった。その子をコロと名付けて1週間過ぎたあたりで、なんと庭から盗まれたのです。私はまだ2歳くらいだったので伝え聞いた話なので当時どんな状況だったのかわかりませんが、繋いでいた紐をくくっていた杭ごとなくなっていたそうです。さすがに子犬を終日外犬生活させるとは思わないので、昼間家事をしながら子供は遊びながらちょっと庭に出していたのだったかな。

幼い兄は泣き困った父がその時偶然出会ったのがドンくんなのです。
必然だったのでしょうね。以上が思い出したエピソードでした。

説教してやりたい

夏休みなどの長期休暇に旅行に行った際には、ドンくんは祖父母のところへお預かりしてもらっていました。
いまでこそ車で犬を連れまわし夜明けに出て夜帰ってくる日帰りは頻繁に行きますが、預かってもらってまでする人間だけで泊まりの旅行なんて価値がないので行きません。遠出するときもしない時も必ず連れていきます。

しかしそこは元気なまだ年若い家庭でしたし、ドンくんは車酔いするのでドライブも向いておらず、当時は犬連れに寛容でもなかったので必然的に預かってもらうことになっていました。ちなみに祖父母の家には友好の気持ちのかけらもないアンジュというポメラニアンがおりました。そりゃアンジュの縄張りですから仕方がないですよね。

いま思うと「犬を飼う」ということをよく理解していなかった子供だったなと思います。なんにも考えていなかったし、祖父母のところへ預けられて自分たちは旅行をしているということに対しても、ただ「ドンくんはおじいちゃんちにいる」という認識しかしてなかったんじゃないかと思う。
過去に戻れるなら説教してやりたい。

なので、当時のドンの気持ちを想像すると胸が苦しくなります。
いきなり親しくもない人の家に置いて行かれて、いつも暮らしている人はどっかに行ってしまった。いつ帰ってくるのか分からない。寂しいし悲しい。

あぁもう説教だけじゃ足りない、往復ビンタも追加で。

ドンの素質

ご飯を出されるても警戒して初めは食べずでしたが3日目くらいにはご飯も食べ、散歩に行った際は近所の様子もパトロールして少し落ち着いたように見えた様子。
夜は家同様に玄関で過ごして昼は屋根のある玄関前につないがれていました。散歩中になにがあったのかなにをしたのかわかりませんが、その後近所の野良犬たちが代わる代わる挨拶をしにきていたそうです。
なにしたら挨拶にきてくれるんでしょうね。一発かましたんかな。

やっぱ犬というか動物社会って立場とか地位とかそういうのではなく、個体が醸し出すなにかを感じ取るんでしょうかね。

とにかく、物の数日で祖父母宅の近所の犬たちの上位に君臨していたドンくんなのでした。


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