「限りある時間の使い方」読書メモ
これは、いかにも自己啓発系のタイトルだし、どれだけ時間を無駄に過ごしているか、もっと時間を有効に使おう!自分らしい時間の使い方をしよう!みたいな、系統かと思いきや、中身は全然違っていて、面白かったです。
大学を出て、大手企業に就職し、30歳で結婚し、子供は2人、定年まで働いて、その後は悠々自適に旅行やゴルフ。そんなステレオタイプの幸せ風な人生ですが、そんなものが予定通りに行かないのは周知の通りです。
ただ、今の団塊の世代はたまたまそんな予定調和な人生を送りやすい時期だったので、そのモデル人生を子供にも押し付けてくる、とかありそうですね。無駄な時間を過ごしていると不安になる、、、とか。
そんな風に思った時はこの言葉を思い出しましょう。
無駄な時間を過ごしているんじゃない、人生を見つけるために浪費しているんだ。こう思って自分を肯定しています。
振り返ると、思い描いていた40歳とはだいぶ違っていますし、そう考えると10年後どうなってるかもわからないので、あまり考えずに流れに身を任せ、そこで適応する、そんな感じです。
僕がいうとイラッとしそうな言葉でもニーチェが言うと重みと深みが違います。
今の時間は将来のために費やすべき道具であり、その先にバラ色の未来が待っている。だから今を犠牲にしてでも頑張ろう!という考えですが、これって宗教の論法とも似ている気が、、、
現世は辛いことばかり、でもそれに耐えて頑張れば、死んだ後に天国に行けて、そこで永遠の幸せが約束される。。。
天国と違うところは、天国は死んだ後の世界なので答え合わせは永遠にできないけど、バラ色の老後は答え合わせができてしまいます。そのバラ色の老後のために企業戦士として働いてきた団塊の世代の老後がどうもバラ色っぽくないぞ、、、目指したい姿じゃないぞ、、、そう思っている現役世代が多いのでは?と勝手に思ってしまいます(僕もそう)
やっぱり!!
幸せになるために資本主義を使うはずが、資本主義の運動の中で幸せになれない人が非常に多くなっているし、超大金持ちも幸せか?となったらそうじゃない人も多いのだと思います(知らんけど、そうあってほしい)
資本主義という大きい運動の中で、それに抗いながら、うまく資本主義を使いこなし、自分の幸福、充実、満足を追求していく、そんな感じでしょうか。
バーランドラッセルの「怠惰への讃歌」を読むしかないですね。
ケインズ先生も「孫たちの時代の経済的可能性」で言っています。「孫の時代は経済的に豊かになっているから、1日3時間働けば十分で、余暇の使い方をいろいろ考えるようになる」と。
実際は予想通り豊かになったのに、労働時間は減るどころか増えている、もっと生産性を上げないと、リスキリングで学び続けないと、、、いったいいつまで?そう思ってしまいます。
いいこと言いますね、ボーボワール。
「ホモ・ルーデンス」という本では、人間は遊ぶ存在である。と言っているので、それを読むしかないですね。
「DIE WITH ZERO」というゼロで死ね、というお金本があるので、それ読むしかないですね。いつ楽しむの?今でしょ。 古い、、、
うわ、、、ネガティブ。。。偏屈ジジイ感のあるコメントですね。
それに対して本書では、「達成を目標とするのではなく、ただ活動そのものを楽しめれば良くなる。」と解決策を述べています。
「ビジネスの未来」で山口周氏も言っていますね、インストゥルメンタル(道具化)ではなくコンサマトリー(自己充足的)と。
その活動自身を楽しむ、今を楽しむ、今を生きる。まあ、これも結構難しいなと思ってしまいますが。その方が良いとは思ってます。
わかる、、、オタク的に没頭できている人を見ると羨ましい、、、今を生きてる感がある。
この気持ちが出てきたら「怠惰への讃歌」カードを出せばいいですね。
わかる、、、同年代の活躍などを見ると焦ってしまうこの気持ち。それを鎮めるために、それとは違う軸で自分が肯定できるようなものを探す、、
昨日ニュースでヤンキースの経営層に日本の実業家が参加。というので、ちょっと調べてしまいました。僕より少し上のまだ40代、イケメン、しっかり自分の意思で切り開いてきて、やりたいビジネスをやっている、総資産は11億ドル、、、自己肯定感が下がりきる前にやめました、この人のインタビュー記事でも読もうものなら、凹んでしまう。
書きながら凹んできたので、最後に自分を励まして終わろうかと思います。
人生を浪費しなければ、人生を見つけることはできない。
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