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【記憶を記録する】ある兵士の記憶④

取材でお目にかかったご高齢の方からうかがった「戦争体験」や「昔の商店街の賑わい」「祭りの華やかさ」などをまとめる【記憶を記録する】と名付けた活動をおこなっています。

今回の「記憶」は、以前取材させていただいた方のお父様の「戦争の記憶」です。戦地での手記の一部分の複写と投稿の許可をいただきました。

前投稿「ある兵士の記憶③」はコチラをどうぞ↓

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戦ひすんで隊伍を調ひ気のついた時遙かに宣昌の街を眼下に見る三角山の中腹に立ってゐた。

 明日こそ、明日こそ宣昌に入る事が出来るのだ。この日をどんなに待って吾々は激しい戦闘と、苦しい行軍を續けてきたらう。

 難攻不落を豪語せる敵の牙城宣昌ももはや指呼の間にあり。敵将張覺忠よー。 しばらく待て、明日の日まで!

 夕暗(ゆうやみ)足元に迫り激戦直後の閑寂に静かに山を下った。

 富川三男太上等兵、本田寅治一等兵、澤田誠一郎一等兵の骸(なきがら)を背に……。

大土門亜ノ激戦ニテー。

「ある兵士の記憶⑤」に続きます。

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