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養老孟司先生X内田樹先生のまんがの講演会(NHK文化センター)の聴講に行ってきました

NHK文化センターでご両名が「昭和から平成まで マンガを語り尽くす」という講演会をされるとお聞きして、「行きたいなあ」と思っていたのですが、1回目の都合がつかず。2回目に参加することができました。

年末年始自分で勝手に缶詰していてほとんど外出していないので、とっても楽しみにしていたのです。(これをかくと、毎日散歩せい!とIさんに怒られる気がする)

楽しみにしていたとおり、よいお話の数々で、行けてよかった!しかも司会進行をされたのは100分で名著のあの!秋満さまなのです。まぶしい。せっかくなので最前列で出演者のみなさまをよく見ようと少し早く行きましたらうまくいきました。(私はド近眼です)

養老先生も内田先生も頭脳明晰で、しかもユーモアのセンスが大変おありなところが本当に素敵だと思います。笑いというのは本当は難しいですよね。ユーモアのある、だれも傷つかない笑いというのは思慮深く、優しい人にしかできないことだと、私は思っています。ご本で「こんなかたかな?」と想像していたよりずっと魅力的なかたがただったので、本人の目の前でお話を聞くことができるのは有難いことでした。

講演の内容は、あとでテキストやビデオなどで販売されるのかもしれないので、どの程度書いてよいのかかわりませんが、気になったお話を少々。

養老先生は視覚が脳の認識の1割説程度で、あとはなにかで補っているという説を教えてくださいました。(そうなると脳科学のない時代まで戻っちゃう、と笑っていらっしゃいましたが…)アフリカの部族では、感情=内面を他人と共有するという発想のない文化の部族もあるとのこと。どうやって交流するのかというと事実を述べるのだそうです。(「あいつがあいつを殴った」など…)それでなんとかなるとのことで、びっくりしました。

内田先生は宮崎駿監督アニメーションの魅力の説明で「アニメーションで精細な描写をすることによって視聴者と体験を共有する」というお話をされていました。そうすることによって「視聴者の物語」になる、というのは、なるほど、あの魅力はそのように言語化すればよいのか、と納得ですね。内田先生がお話される漫画というのは腑に落ちることばかりで新鮮でした。あと、内田先生は少女漫画も結構たくさんお読みになっていたらしいです。(!)

漫画の話をしているときは少年時代の思い出なども話されていてダンディーな先生方が少年のように見えるときもあり、楽しい時間でもありました。お二人のような方々が堂々と漫画のお話をされて、聴講生もたくさんいらっしゃったのがステキなことだとおもいました。

ただ、養老先生も仰っていたように、漫画よりも現実の世界情勢のほうがフィクションに近くなっているのではという警戒心は持ち続けたいです。

大変有意義な時間でした。



NHKで萩尾先生のなにかの番組が視聴できるかもしれないそうで、100分de名著ともども私はそちらも大変たのしみです!

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