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#2023年映画ランキング

ここ10年?くらい、映画好きとして年末に勝手にやってる恒例のやつです!

ざっくり振り返り
本数あんま行かなかったなっていうのは置いとくとして、年末ギリギリまで順位が全然決まらなかったのはとても珍しいことだったりします。いつも大体6月くらいにダバダバ泣きながら劇場を飛び出して、「もう年末のランキングこれにする〜(濁点)」ってやつが出てくる。で、それはいい映画っていうより自分にハマる映画という意味で、あれこの映画もしかして自分のために作ってくれたんかな…?って錯覚させてくれるようなやつ、というのが通例でした。
今年はそういう気持ちにさせてくれるようなのはあんまりなかったような気がする。でもいい映画はちゃんといっぱいあった。そういう一年でした。

うーんでも本当にそうなのかな?なんか今年は映画に順位をつけるのにすごく迷いがあった一年だった気がするな。いや別に毎年悩むんだけど、今年は「これを好きと言って良いのかな?」って思うことが多かった気がする。

例えばボーンズアンドオール。これめちゃくちゃ好きなんだけど、まさかティモシーシャラメを良いということに躊躇いが生まれるご時世になるとは思ってもいなかった。日本でもよく俳優のスキャンダルで配信停止になったりして、その度に作品に罪はないのでは論争が起きるけど、いまだに正解がわからないよ。とりあえず戦争には反対です。戦争を茶化すことも反対です。この映画は良かったので上にしたが、ウォンカは観に行かなかった。

あとはPARFECT DAYS。いやこれが海外で受けるのわかるし役所広司すごかったけど、この清貧さを讃えることには二の足を踏むよ。豊かな暮らしで豊かな感受性を持って生きていきたいよ。

なんかそういう…メタというか外側というか、そういうのに直面した時に思いの外揺れたなっていう…。怪物の主人公たちを前に「刺さった」という勇気がないとかさ・・・。多様性の時代って難しいね。
ただ、その時点その時点での価値観に基づいて自分なりの判断軸は持つべきだし、一方で価値観というのはアップデートされていくべきものなので、常に己に問うていかないといけないんだなとは思うのであった。

前置きが長くなりました。今年のベストこんな感じです。

第1位 ジョン・ウィック コンセクエンス
第2位 aftersun アフターサン
第3位 ボーンズ アンド オール

第4位 鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎
第5位 怪物

第6位 ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーVOLUME 3
第7位 TAR/ター
第8位 ベイビーわるきゅーれ2 ベイビー
第9位 アラビアンナイト 三千年の願い
第10位 ガール・ピクチャー

第11位 バーナデット ママは行方不明
第12位 SHE SAID/シー・セッド その名を暴け
第13位 キラーズ・オブ・フラワームーン
第14位 SAND LAND
第15位 ダンジョンズ&ドラゴンズ/アウトローたちの誇り
第16位 ベネデッタ
第17位 ミュータント・タートルズ ミュータント・パニック!
第18位 ウーマン・トーキング
第19位 ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー
第20位 逆転のトライアングル

第21位 マーベルズ
第22位 ミッション:インポッシブル/デッドレコニングPART ONE
第23位 ザ・ホエール
第24位 スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース
第25位 首
第26位 トランスフォーマー ビースト覚醒
第27位 アントマン&ワスプ:クアントマニア
第28位 暴太郎戦隊ドンブラザーズVSゼンカイジャー
第29位 search#サーチ2
第30位 ゴジラ-1.0

第31位 バービー
第32位 エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス
第33位 PERFECT DAYS
第34位 君たちはどう生きるか
第35位 劇場版美少女戦士セーラームーンCosmos後編
第36位 劇場版美少女戦士セーラームーンCosmos前編
第37位 アバター:ウェイ・オブ・ウォーター
第38位 ワイルド・スピード/ファイヤーブースト

結局ベスト10までは単純にめちゃくちゃ好きな10本になりました。

10位、ガール・ピクチャー。フィンランド映画。思春期自分模索ものの最新版という感じで、アセクシャルとかそういった概念が自然に入っている。3人出てくる女の子のキャラクターがそれぞれ魅力的で、特にロンコの自分の受け入れ方がすごく良かったんだよな。あんまりこの映画の話を見かけないのだが、絶対に今年推そうと思っていた一本。


9位、アラビアンナイト 三千年の願い。物語論の話であり、物語を愛した人の話だと思う。フィクショナルな世界観にうっとりしているうちに終わってしまう・・・ギリギリ手前で、舞台が現実に戻ってからの展開が一番うっとりさせてくる。これもひたすら好きだった一本。


8位、ベイビーわるきゅーれ 2 ベイビー。へっぽこ女子高生(だった)実は殺し屋の二人のシリーズで、先日3の制作も発表された。なので本当は続編も観てから評価するのが賢明なんだろうがそんなことはどうでもいいんだ…!なぜなら1にはいなかった今回の主役とも言える、敵役殺し屋兄弟のゆうりとまことが最高であるため。ゆるい日常とものすごい殺し屋アクションというこのシリーズの延長に存在するには、あまりにもいいキャラすぎだ。褒めてます。


7位。TAR/ター。最後までバーナデットとどちらを上にするか悩んで、こういう落着になりました。いやシリーズでもなんでもないんだけど、どちらもケイトブランシェットで自分を取り戻してゆく話なので、なんとなくどっちかを選ぼうと思って…。
もう救えないくらいの加害側ではあって、そこを擁護する気はないんだけど、だからこそ追い詰められてからの狂気と、孤独と、そこから自分を癒していくまでのラストが強烈に忘れられない。


6位、ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーVOLUME 3。マーベルシリーズ史上最高の終わり方だったとおもう、寂しいんだけど・・・。思えば宇宙中に散らばってたダメなやつらの集まりがそもそもガーディアンズだったんだよな、って思うとこれ以上のラストはないんだろうな。


5位。怪物。似たテーマで去年の「空白」があったと思っていて、「自分が見ていないことなんて、他人には絶対にわからない」という切り口では向こうのほうが上だったかもしれないんだけど(比べる必要もないんだけど)、パンフレットで角田光代さんによる「人は案外自分のことをよく知らない」という書き出しのコラムがとても腑に落ちた。そういう話だったなと思う。


4位。鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎。これも良すぎてパンフレット買ったんだった。すんごいファンダムができていたり、私のタイムラインにも連日ファンアートが流れて来たりしてそれもわかるんだけども。単にキャラがいいとかそんな映画ではなかった。横溝正史的な世界観だったり、ここまで爆発的にヒットすると想定していなかったろうに緻密に緻密に画面が作られていたり、いやぁカルト的人気の映画が出来上がって行くのを久しぶりに体感しました。とか言いつつエンドクレジットでボロ泣きしました。とても好き。


3位。ボーンズ アンド オール。食人(カニバリズム)をモチーフにした放浪記とか逃避行みたいな話。「君の名前で僕を呼んで」のルカ・グァダニーノ監督なのでそりゃいいよね・・・。シャラメの使い方うますぎでしょ・・・。食人はマイノリティのメタファーとすぐに取れるのだけども、いったんファンタジーを挟むことでその切実さに集中できた気がする。ずっと血まみれなのに美しい映画だった。脇役というには主張の強いマーク・ライランスのベストアクトだと思う。


2位。アフターサン。1位にするか迷ったくらい。記憶を再構成するのは映画の作りととてもよく似ている、とこの映画の評で宇多丸さんが言っていて、本当にその通りの映画だったなと思う。あの頃は分からなかったな、という記憶の中の父の心情を追体験していく話なんだけども、すごかった点①直接的には何も結果を言っていないのになんとなくわかる描写②その父との旅行が自分の人生に与えた影響って大きかったんだな、ということの淡い描き方③自分の記憶じゃないのになんか自分も体験した気になる不思議 って感じでした。これは観て本当に良かったな・・・


1位。ジョン・ウィック コンセクエンス。鑑賞時につけた点数がまずダントツ1位でした・・・・!!!!フェチ的な美しさもここまで行くと崇高なんだな、という点と。
生き様のような、ボロボロになるまでを見せるアクションと(あとボロボロのキアヌ)。
あと墓碑になんて書いて欲しい?の会話のシーンですね。これからの人生を墓碑に何書いて欲しいか己に問いながら生きていこうと強く思いました。アクション映画は美学。

我ながら腑に落ちる10本を選べたんじゃないかなと思います。なんか血まみれのTOP10だけどまあいいや。
TOP3は3つとも、特に作り手を信頼してくれてる3本な気がします。逆にワーストおおおお(以下呪詛)

2023年もお世話になりました。2024年はもうフュリオサのことしか考えられないですがよろしくお願いします。楽しみ!!!



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