帰り道の妙な音
帰り道。
向こうの方からカツカツ、カツカツと謎の音が聞こえる。
なんだろうなぁ。
何の音かよくわからないけど、帰り道にズーーっとずっと聞こえる。
しかもどうやら、ゆっくりゆっくりと近づいているようだった。
まぁいいか。
と思って歩いているうちに、自分の近くにまでその音が来た。
道路の反対側を見るとおじさんが歩いていた。
カツカツという音はどうやらそのおじさんが鳴らしているようだ。
午前中は雨が降っていたのでみんな傘を持っている。
おじさんは持っている傘で地面を強く突きながら歩いていた。その音がカツカツと鳴って、それが遠くからも聞こえていたのだった。
おじさんを見ると、なんとなくイライラしているようで、そのイライラを傘にぶつけて歩いていたように見えた。
なんだかなぁ…。
何があったかよくわからんし、イライラする気持ちもわからんことないけどもさ、こどもの頃に「傘を地面にカツカツしちゃだめだ」って言われなかったかね。こどもの頃からやっちゃだめだって言われているような事をやってまでして自分のストレスをそこにぶつけるなんて、いったい何があったんだろうかね。
なんとなく音を出すのが恥ずかしいと思っているからなのか知らないけど、すれ違う人がいる時はそのカツカツを一瞬やめたりするんだな。
それを見て思った。
オトナってのはちゃんとストレスを自分の中で解消できるようにできなきゃ恥ずかしいもんだなぁと。
なんつってもさ、こどもに心配されるようなストレスの発散の仕方なんてしちゃいかんと思うのだよね。
あからさまにイライラしたり、怒ったり、物を壊したり文句言ったりね。
傘だって強くカツカツしてたら壊れちゃうでしょ。
その傘、持って帰って次の日使うんだろうか?
そんなことを思った帰り道だった。
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