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呪縛開放① 同調圧力という鎖


△はじめに

日本の問題は同調圧力だ!

そのような論調をよく聞くようになりました。
その通りのような気もしてしまうのですが、同調圧力という要素が存在して全てそれのせいである、というのも単純化・自動化をしてしまっているように思います。

つまり、同調圧力もいくつかの要素の集合であるのではないか、ということです。私が同調圧力の構成要素の核となっている、と感じるものに恒常性(ホメオスタシス)と日本教があると感じています。

どういうことか、それぞれを探っていきましょう。

△ホメオスタシス

これは生物の生存戦略の一つで、一定の状態を維持しようとする機能のことです。

余計なエネルギー消費を避ける、つまり変化を避けることで生存確率を上げるのです。

同じ行動を続けていれば決まった報酬が貰える中でその報酬がなくなるリスクを冒してまで、これまで以上のエネルギー消費をしてまで違う行動をするのは生存戦略的にはかなり危険なことです。

これは精神的な変化にしても同じことです。

この機能により理屈が通ってなかろうが、合理性が全く無かろうが、脳も感覚器官もあらゆる情報をねじ曲げて、無視して、「これまで通りで良いのだ」、という結論に至らせます。

だからといって、これまで通りじゃダメなのだ、と言いたいわけではありません。

こういった設定が生物にはかけられていることを認識する必要を説いているのです。

△日本教

聞き馴染みがない言葉かもしれません。
日本には古代から続いているものも、新興宗教も含めて様々な宗教がありますが多くのものが共通して「人間が神である」ことを説いています。

日本神話に描かれる神々は我々の祖先であることが書かれますし、神社でも歴史上の人物が祀られているのを多く目にするでしょう。

また、神社の参拝する先には鏡が置かれていて、そこに映る自分に祈っているのだ、というような考え方も同じです。

もちろん、もっと古くはアニミズムであったと思いますが、いつからか人々は自然に神を認識することができなくなってしまいました。

そんなに小難しいことを考えず、

「彼氏、彼女がほしい」
「宝くじが当たってほしい」
「良いご縁に恵まれますように」
「家族・友人が健康でありますように」

そのように祈る方々が一般的だと思いますが、それにしたって、神に取引や命令を下していることと同義で自らの上の存在というより、同等の存在、もしくは願望を叶えてくれるツールとして認識しているのです。

これが日本教で、つまり、
日本人は先天的に自らの外側に偉大なる摂理や存在があることを認識する機能が劣性なのです。

これも「悪い」、と言いたいのではなく「日本民族とはそうなのだ」、ということを認識することが大切だと言いたいのです。

△ホメオスタシスと日本教の複合

ホメオスタシスと日本教が重なった結果、以下のような人々が生まれます。

自らの外側に偉大なるもの(知識、経験、仲間、摂理、神)を求められず本質的に自分の感覚のみに判断を頼る。そのような自分を保つため、エネルギー消費を抑えるためにあらゆる情報を曲解して自身を保つ。

そうやって自己を保つという点においてだけは多くの人々に共通しているので総意として自らの外側を感じさせる存在に関しては自己保存の危機に繋がる存在として認識してしまうのです。

これが同調圧力の正体であると私は感じております。

△結論

ホメオスタシスにしても上手く活用されれば職人であったりプロと呼ばれる存在に繋げられます。

日本教にしても上手く醸成されれば「情念」や「武士道」などの精神性に繋がってきます。

ただ、悪く重なると同調圧力へと変貌してしまう、ということです。

何度も言ってきたことですが、物事には「何かがあるという時、反対の何かも存在してしまう」、という法則があるので、ホメオスタシス、日本教が生じさせる効果も同様なのです。

ここで私が伝えたいことは
それを「認識すること」の大切さです。

認識していないことは存在していないことと同義なので、何も考えることはできません。
あなたはここで日本教とホメオスタシスの組み合わせが同調圧力であるかもしれないことを認識したのでより深い次元で同調圧力に対応していくことができるでしょう。

つまり、実際のところ自分も本質的には同じことをしているではないか、ということです。

だって行動することも同調圧力を批判することだって、行動している自分、同調圧力を批判する自分を正当化して自己を保っているだけかもしれませんよ?
行動しているとき、あなたはあなたを主役にして自己の外側に偉大なる何かを認識していないでしょう?

本質的には何も変わらないのかもしれない。

そう考えると私は人々の弱さを受け止められる気がするのです。

こうして同調圧力という鎖は解かれると考えるのです。

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