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シビックテックが加速する

新型コロナウイルスは社会や産業に大きな打撃を与えているのですが、一方でデジタル化・オンライン化のネジを一気に巻き進めた感があります。もともと時差出勤やテレワークは言われてはいたものの、強制的に導入される状況で、私自身戸惑いながらも、なんとか適応しようとしているところです。

そのような中で、「シビックテック」が、コロナ影響下でも勇気付ける動きを進めていると感じます。

地域の飲食店を応援しようと、様々な地域でテイクアウト、エール飯などの運動が各地でいち早くスタートしました。既存のUberEatsが脚光を浴びましたが、それだけではなく、地域で活動してきた方々が立ち上がり、インターネットサイトを素早く構築して、情報を集め、繋がりを生み出しながら応援活動を続けています。私の住んでいるところでは、飲食店同士がFacebookを通じて声を掛け合い、共通で販促チラシを作成、地域の新聞配達所の協力も得ながら一斉に配布していました。

また、飲食店やライブハウス、伝統産業、さらには住まいに困っている方々を支援するクラウドファンディングも、シビックテックそのものかなと思っています。(下記は私も応援しているプロジェクト。参考まで)

コロナ前もこういった活動はたくさんありましたし、私も少しずつ学んでいたところですが、今回を機にその価値や有用性が広く認知されたのではないでしょうか。

シビックテックが地域のインフラに

「シビックテック」は、「市民主体で自らの望む社会を創りあげるための活動とそのテクノロジーのこと」と定義されています。(『シビックテック』稲継裕昭編著・勁草書房より)

昨今ではCode for XXなどの活動が広く知られ、定着した感があったのですが、改めて、このコロナ渦の状況でその力を発揮していると感じますし、こうした基盤が地域のインフラとして不可欠になってきていると思います。賢い市民の衆知を集め、より良い社会を足元から実現する原動力になっています。

都市や地域での人材や経済のつながりが、こうしたシビックテックによってさらに涵養され、誰一人取り残さない時代を引っ張るのではないかという予感がします。逆にいうと、こうしたインフラを都市や地域で備えていないと、地域の持続性が危うくなってしまうのではと思っています。

インフラとしてどう持続させるか

防災もしかりですが、こういった有事の際はそのインフラの重要性を認識するのですが、平常時にはその存在を忘れてしまいがちです。極端な物言いをすると、テイクアウトマップはコロナが過ぎ去ったら無くなってしまうかもしれません。(実際には、形を変え・発展して、地域のなくてはならないお気に入り店舗のマップになったりすると思いますが)

こうしたインフラや、それを担う人材をどう持続的に確保するか、はコロナ以前からも議論にはなっていました。ボランタリーに防災情報を集めるのは限界があるわけですし、かといってそれを単純に受益者負担にするのも違和感があります。さらには企業協賛などを得る方法があるでしょうが、それも持続性の面では難がある。

こうしたICTを活用できる人材が、平時も有事も地域に寄り添って、地域のパートナーとして活動していく、そんな職能がもうすぐ当たり前になるのかな、と思いました。我々もそのような実践を、アフターコロナで取り組んでいきたい、と強く感じた次第です。

シビックテックは、都市計画にも影響を与えると思いますが、それはまた別の機会に。

※画像は、先日参加したシビックテック車座会議の様子。(シビックテックジャパン主催)この会議でのディスカッションにかなりインスパイアされました。

※シビックテックも関連する、地域の取り組みを発信しています。


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