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ペルソナとコミュニケーション

心理学の用語にペルソナというものがあります。
ペルソナというのは、そもそもは演劇で使われる仮面のことですが、心理学者のカール・グスタフ・ユングが『人間の外的側面』という意味合いで用いた言葉です。
人間が社会生活を送る中で、接する相手や自分の立場によって使い分けている社会的な顔がペルソナです。

自分のペルソナを自覚して性格の中である程度意識して使いわけている人はコミュニケーション能力が高いと感じることが多いのですが、無自覚にペルソナを使っていて自分の本音を抑圧している人は、感情が高ぶった時などに抑圧している思いが表面化して相手との関係を損ねてしまうことがあります。


事例 感情でペルソナがはがれた人

実際に私が会ったことがある人の話でペルソナによって抑圧していたものが感情によって表面化した事例があります。

その人はおそらく自分のペルソナと本質的な自分の違いを意識できおらず、自分では愛想の良い朗らかな人だと思っているようでしたが、その人が他人と接している様子を見ると愛想よくしている姿に違和感がありました。

相手との関係や相手からどう見られているかを感じて上手く態度を調整できていればいいのですが、自分が相手にこう思われたいという思いだけでペルソナを使っている人の態度はやや違和感があるように感じます。

ある日、その人が何かがきっかけで感情的になっていたのですが、その時は周囲が驚くほどパワハラやモラハラだと思われても仕方がないような発言を繰り返していました。
その内容は、ただ感情的になったからというだけでは出てこないような言葉ばかりだったので、本来はその時発していた言葉のような思考をしていたのでしょう。

ペルソナと本来の自分の誤差は小さい方が良い

上記の事例から学べることは、相手との関係や自分の立場によってペルソナを使いわけることができた方が良いが、ペルソナと本来の自分の誤差は小さい方が相手には違和感を与えずコミュニケーションが取れるということ、また誤差が小さいほど感情的になったとしても極端な発言が出てくることはないということだと思います。

上記の事例の人が、普段からハラスメントに該当するような思考をしていなければ感情的になった時にでも周囲の人にハラスメントだと思われる発言をすることはなかったでしょう。
その人は、自分の不適切な思考があるからこそ、それを隠すために違和感のあるペルソナを使っていたのかもしれません。

健全な人格の上にペルソナを被る

人間の思考は使用する言語と密接な関係があるので、普段から自分の頭の中で使っている言語がパワハラ、モラハラ的なものであった場合、感情的になった時にはそれが表面化してしまいます。
物事を考える時、自分の頭の中でもできるだけ丁寧かつ適切な言語で思考するということを普段から意識することを心掛けることが大切だと思います。

別の言い方で言うと、日頃から少しでも人格を良くしようという心掛けが必要だということです。
人格は性格の要素の中で無自覚に働いているものなので、ペルソナをかぶっていても完全に隠せるものではありません。

健全な人格を持っている上で、時と場所、場合に応じてペルソナを使いわけることができる人がコミュニケーション能力の高い人だと言えるのではないでしょうか。

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