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コロナ期間の宿泊施設の有効活用法〜ウィクリー・マンスリーマンション 大阪編

はじめまして!株式会社GRApPの衣笠です。
弊社は民泊やアパートメントホテルの開発・運営代行サービスを行っています。
このコロナ下で宿泊施設様や旅行関連の企業様は軒並み厳しい状態が続いていると思います。
インバウンド旅行者をターゲットにしておりました弊社にとっても収益的には過去最悪な状況です。笑)

今回の記事では、弊社がコロナ期間で新しく始めた集客手法である、ウィクリー・マンスリーサイトでの集客について話をさせていただきます。

ウィクリー・マンスリーサイトの紹介


弊社の方で掲載させていただいたサイトを紹介させていただきますね。

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グッドマンスリー
国内最大手のマンスリー仲介サイトになります。

ですので、ユーザー数に関してはマンスリーサイトの中では多いく、
また、法人利用者が多いため宿泊者の質は比較的いいかと思います。


realestate
日本に滞在中、もしくはこれから滞在予定の外国人に特化したウィクリーマンスリーサイトになります。

国内のマンスリーサイトに比べると、月額固定の掲載手数料が安いのがメリットではありますが、
登録ユーザー数がまだまだ少なく予約には繋がりづらかったです。

ただ、今後日本で暮らす外国人の方々が増えるのは間違いないため、今後期待できる部分もあるかと思います。

nowroom
2020年リリースのサイトとなり、今回ご紹介させていただくサイトの中では最も新しいサイトとなります。

ですので、まだまだ認知度は低くユーザー数が伸びてくるのはこれからかと思います。

ただ、コンセプトだったりUI/UXが既存のウィクリー・マンスリーサイトと比べると斬新で今後の成長に期待できるかとは思っています。

マンスリーズ
こちらは、グッドマンスリーと基本的には同じですが、違いがあるとすると、グッドマンスリーよりも個人ユーザーが多いところかと思います。

そのため、グッドマンスリーにない検索手段として最安値検索がございます。
最安値検索は楽天トラベルや楽天市場など個人向けのサイトでは当たり前にある検索機能なのですが、法人ユーザーが多いマンスリーサイトでは基本実装されていないです。

それでなのか、値段にシビアな客層が多いのか、事前問い合わせ関連も宿泊価格についてのことが多かった印象です。

ウィクリー・マンスリーサイトのメリット

1点目は
OTAや民泊サイトと比べてサイト内での作業が楽な点かと思います。

販売価格に細かいシーズナリティー(季節変動)を加味しないため、レベニューコントロールの手間がほとんど無いので、値段設定が格段に楽です。


2点目は、
インバウンド旅行者をメインで集客していた企業に限定されるとは思いますが、国内利用者(ビジネス層)を集客できるという点はよかったです。

普段ターゲットにしてなかったユーザーに知ってもらえる機会が作れるため、民泊施設のイメージを変えてもらえるいい機会になれば最高だなと。

ウィクリー・マンスリーサイトのデメリット


1点目は、
宿泊単価(ADR)の安さです。
そもそもウィクリーマンスリーサイトは通常の賃貸マンションの賃料価格と比べて1.1-1.3倍くらいの値段が平均のため、宿泊などの短期利用者への貸し出しをする場合と比べると宿泊単価は大きく下がってしまいます。

宿泊での販売時と比べると、売り上げはだいたい1/3-1/4くらいですね。

ただ、月あたりの利用組数が少ないため、オペレーションコストや清掃コストなどの変動コストも少なくすみましたので、利益率は宿泊時と比べるとよかったです。

2点目は、
サイトの掲載手数料が基本的に月額固定である点かと思います。 
*紹介してるサイトの中だとnowroomのみ成果報酬型

旅行OTAや民泊集客サイトと違い成果報酬型ではないため、売り上げが0円でもサイト掲載手数料がかかってしまう点は心理的な掲載ハードルが高くなるなという印象です。

数字実績

弊社の大阪での管理施設数は400部屋 50棟程(最大規模で77部屋のホテル、最小規模だと戸建1部屋の民泊)ございます。

そのうちウィクリー・マンスリー運用した施設は80部屋 20棟程になります。

下記は対象施設を約6ヶ月間運用した際の数字実績となります。(施設のスペックが違うのはもちろんですが、対応中に運営をやめたり、逆に途中から始めたりもした施設もあったりしておりますので、その点はご了承ください。)

2020年5月から10月末までの約6ヶ月間の実績

問い合わせ数 331件
成約数 144件
成約率 44%
総宿泊日数 3528日
平均宿泊日数 24.5日
平均宿泊人数 1.4人
総売上 13,263,370円
平均一組単価 92,107円
平均一泊単価 3,760円

大阪エリアの利用割合

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大阪市内の弊社管理施設を3エリア(楽天トラベルのエリア区分を参考)に分けさせてもらいました。


・なんば・心斎橋・天王寺・阿倍野・長居エリア 24%

まず、弊社管理数が最も多い(大阪市内の管理施設数の7割を占める)
なんば・心斎橋・天王寺・阿倍野・長居エリアは、
中長期滞在の国内ニーズにはマッチしなかった結果となりました。

海外旅行者から最も人気があった心斎橋や難波駅周辺や、
そこから物理的距離は近いが居住人気が少し落ちる島之内や桜川近辺、
関空へのアクセスの便利さもあり西成(あいりん地区)エリアも海外旅行者からは人気でしたので、必然的に弊社の管理施設もこのエリアに集中するのですが、

中長期滞在の国内利用者の方にとっては繁華街近くや関空へのアクセス(一時帰国者の方などは例外)は重要ではないですし、西成エリアに関してはネガティブなイメージもあり、インバウンドの人気とは比例しなかったのかなという印象でした。


京橋・淀屋橋・本町・ベイエリア・弁天町エリア 69%

このエリアに関しては本町、谷町四丁目あたりの施設が特に人気でした。
本町はオフィス街なので想定していましたが、谷町四丁目エリアの入居状況が多かったのは正直意外でした。

施設の中には稼働率を一棟全体で月間70%ほど出す施設もあり、
稼働率だけだと、コロナ前と大差がなかったです。

また、港区や西九条など、USJへのアクセスの良さからインバウンド人気が高かったエリアの稼働もよかったです。
USJ自体が営業休止や再開後も利用者数の制限を定めたり限定的な運営をしており、宿泊者数も減るだろうと想定していましたので意外でした。


大阪駅・梅田・ユニバーサルシティ・尼崎エリア 7%

このエリアに関しては、ウィクリー・マンスリー運営をしていた施設が全て7月までには事業撤退をされたため、運用期間が短かったことが宿泊実績が低かった要員です。
宿泊以外の賃貸ニーズも高いエリアとなりますため、オーナー様としても早めの事業撤退を決めれたのが背景となります。

結果としては低くなってるのですが、他エリアも同期間のみで比較すると一番人気なエリアではありました。
このエリアは新幹線や伊丹空港からのアクセスはもちろん、他県へのアクセスもいいため国内の出張ニーズが強く、国内宿泊者に人気があることは間違いないかと思います。

まとめ


まず、今回のコロナがなければ、宿泊単価が低いウィークリー・マンスリーサイトでの運営はしなかったと思います。
室数が多い施設であれば運営の仕方によってはメリットも出せる可能性もありますが、小規模な施設では売り上げデメリットの方が大きいと思います。

なので、コロナが落ち着きインバウンドが回復した際は、
一部の施設を除いては、収益が下がるウィクリー・マンスリーサイトの運営は行わないかなと思っています。

ただ、今後また新たな感染症など不足の事態がおこり、
今回同様インバウンド含めた旅行が制限される可能性は大いにありえます。

その際に、国内のビジネス層に販売を行う経験が過去あったかなかったかでは対応速度が全く違ってくると思いますので、
今回の経験は個人的には大きかったなと思います。

箱型ビジネスである宿泊施設運営は即座の事業転換もしづらく、対応が遅くなりがちですので、過去体験は重要かなと。

最後に


来年以降、ワクチンの供給次第ではあるもののインバウンド旅行は確実に復活してくると思っています。

ただ、その時に今まで通りの俗人的な宿泊施設運営はリスクでしかないと考えています。

現場スタッフを雇用する必要があるホテル・旅館施設にとっては売り上げがなくてもかかる人件費などの固定費の負担はもちろん重たいですし、
そういった際の雇用リスクの課題も浮き彫りになったんではないかと思っています。

その辺りのリスクとどう向き合い、今後の宿泊施設経営を行っていくのか、
今を凌ぐ戦いはもちろん重要ですが、過去と同じやり方で今後の経営をしていくことは未来にとってリスクでしかないと思っています。

マーケットが戻ってきたからオッケーではなく、筋肉質な施設経営ができるようベースを整えてマーケット回復に備えることこそが一番重要であると思います。


最後まで読んでいただきありがとうございました!!

今後も定期的に更新していきますのでまた是非読んでいただければ幸いです!




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