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ダイエット

と聞くと、「体重を減らす」「痩せる」というイメージが強いし、私もずっとそういう認識でダイエットをした経験がある。

高校二年生の頃、自分の欲望のままに学校の行き帰りや、寄り道など、まあ食べてた。                                    学校に行く途中に菓子パンとお菓子を買って、バイト先がお菓子屋さんだったせいもあり、そこでも失敗作や余りものをありがたくいただき、帰ったら普通に夜ご飯を食べて。                               でも、周りの友達と変わらないと思っていたし、体重なんて気にしたこともなかった。                                     でも、この頃、私は今までで一番太っていた。

そうこうしてるうちに、友達とちょっとあって、私はハブにされ、学校に行くのが嫌になった。                          バイトには行くが、学校には行かない、単位の足りない教科だけを担任に教えてもらってその授業だけ受ける、みたいな生活になって、必要以上に回りと自分を比べるようになった。                          授業は受けてなくても成績を落としたくなくて勉強は地味にやってたし、今まで仲が良かったのに疎遠になった友達がダイエットをしていることが分かると、急に自分が太ったことが気になりだして「その子より細くなってやる!」という動機でダイエットを始めた。

今でもそうだが、私はすぐに結果を出したがるダイプで、やることが極端。   もちろん、ダイエットと言ってもほぼほぼ絶食に近い食生活を急に始め、もちろん体重はみるみる落ちたが、毎日少しでも体重が落ちていないと不安になり、下剤を飲んでみたりもした。

そう、このときの私は拒食症。

母は心配して食べるように何度も説得してきたし、どんどん痩せていく私を見て心療内科にも一度連れていかれた。                       病気だという意識がなかった私はもちろんその一回しか心療内科には行かなかった。

友達との関係が修復されて、また学校にきちんと通うようになったのは高校三年生の夏ごろだった。                                 「この子より細くなってやる!」と思ったその子とも普通に話すようになり、一緒に弁当も食べていたが、二人して幼稚園児より小さいお弁当箱だった。                                         

そうするとみんなが楽しそうにお菓子を食べたり、寄り道してファストフードなんかを食べてるのがうらやましくなってきた。                   家に帰っても、食べてないせいもありイライラするし、栄養不足のため貧血ぎみにもなっていた。

そうして今度は過食症が始まった。

正確にいうと過食嘔吐。食べて吐く。                                     学校に行ってるときやバイト中は吐けないから、バイトが終わったら大量に菓子パンやら弁当やらを買い込んで、自分の部屋でひたすら食べてトイレで吐く。                                          もちろん、母には気付かれる。                           「吐くぐらいなら夜ご飯作らないよ」と言われ、それを母が心配して言っているのに気づいていたけど、「じゃあ、これから私のご飯作らないで」と言って、ますます自分の部屋で自分で用意した好きなものを食べては吐いていた。                                     「吐けば食べたものはチャラになる」                         そう思って、それ以外の健康被害なんてことは二の次だった。 

真夏でも寒くて部屋の中で電気ストーブの前に座って過ごし、少し動くとすぐに目の前がチカチカするので運動も、自転車に乗ることさえも辛くなった。                                そして、生理も止まった。

母はいくら言っても聞かないし、手が付けられない私を見てさんざん悩んだと思う。                                       周りの友達からも「ちょっと痩せすぎだよ」と言われた。                  それでもその時の私はちょっとのぜい肉も嫌だったし、だからと言って食べることを我慢するのも嫌だった。                             もちろん、バイト代はすべて私の過食のために消えた。

就職して、一人暮らしをしたり、彼氏と同棲したりするうちに、自分勝手に好きなものを買って食べて、吐いて、という生活ができなくなった。    それでも太りたくないと思っていたから、ほとんど夜だけ食べるようになった。

夜になるとお酒をともにつまみを食べて、飲みすぎるとラーメンとかまで食べて、たまに吐いたり、たまにはそのまま寝たり。                      とにかく今度はお酒がないときは食べない感じになっていた。                   でも、休みの日は一人で朝から食べて吐いてを繰り返していた。               誰もいない時に、一人の時だけ。

そんな生活をけっこう長く続けて、でもそれすらめんどくさくなってきた30代中ごろ、私は結婚した。                                  

不思議なもので、結婚して、旦那のために食事を作り、一緒に食べるようになって、それに慣れてくると、過食もおさまった。                 だからといって中年太りはしたくなかったし、旦那もそういう女心を分かる人だったので、休みの日には「たくさん食べても太らない食材」を使って、食事を作ってくれたし、今までの拒食や過食のことも話していたので、それについての健康被害とかも旦那に教えてもらった。                  

今では、体重は平均より少し軽いぐらいかな?                       朝はしっかりデザートまで食べて、昼は家の残り物を使ってなるべく食材を多く使うようにして、夜は野菜をたくさんいれてスープ。            旦那は結婚してから10キロ以上太って、メタボ検診に引っかかるようになったので、朝は同じメニューを一緒に食べて、昼はおにぎりとサラダとみそ汁を持って行って、夜は一緒にスープ。                            

生理もきちんと来るようになったし、体力もついた。                    ただ、過去の間違ったダイエットのせいで子供ができないかったのかもしれないと思うと、胸が苦しくなる。                          旦那は「そのせいじゃないかもしれないし、そのせいかもしれないけど、今更どうしようもないことでしょ。それより、これから健康に過ごせればそれでいいんじゃない?」                                 とか言ってくれるが、やっぱり度々考えてしまう。

私は現在専業主婦なので、旦那が仕事に行ったあと、switchのリングフィットアドベンチャーを30分やって、朝ドラを観たら、家の掃除とか庭の草抜きとかを済ませて、旦那が帰ってきたらスープを食べたあとに二人で一時間ぐらいウォーキングをする毎日。                              たまにはスープさぼってスーパーで安い総菜買ってきたり、休みの日は外食したりもする。

ダイエット。                                               「痩せる」のも「太る」のもダイエット。                          とにかく健康であることが一番。                            痩せすぎても、太りすぎてもダメなんだから、人間はつまり常にダイエットをしていなければいけないのかもしれない。                       だとしたら、苦しくなく、楽しく、健康的に、そして当たり前にできることをダイエットの方法として選ばなくてはいけない気がする。                 心も体も健康でいなければ意味がない。

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