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#13 『エヴァンゲリオン』は、アニオタ補完計画アニメ…?(笑)

『シン・エヴァンゲリオン劇場版𝄇』を見た。
コロナ禍の中、2度の公開延期…。

「まだ出来てないんじゃないの…?(゜_゜;)」

…とゆー懸念もあったが、"三度目の正直である"…。(笑)(^_^;)

前作が2012年の公開だから、既に9年…。TVアニメの放映が1995年なので、25年の長きにわたり、ファンを惹き付け、社会現象にまでなった作品である。

最近、いろんな漫画やアニメの謎解き本や考察本が出回っているが、エヴァはその走りではなかったか…?(゜_゜;)

そのくらい、難解なワードや、劇中では説明されない謎がさまざまと散りばめられている…。(^_^;)

幾多の考察の果て、遂には、

「庵野さんは何も考えてない…。(ーー;)」

「エヴァは何も考えてない…。(ーー;)」

…とゆー結論に至る輩を何人も見てきた…。(笑)

しかし、それらは考察ーすなわち、考えることをやめた者の弁である。

(※多少のネタバレありますので、この先を読まれる方はご注意を…‼️)

エヴァの制作現場に密着した『プロフェッショナル』で、作品至上主義を貫く庵野監督をはじめ、スタッフが、常にいい作品にしようと苦悶する姿が映し出されていた。

ー自分の命より作品が上、

ー自分の頭の中で考えたものなんて、所詮は脳の中のものなので、おもしろくない。それを覆した方がおもしろい…

そう語る庵野監督の作品に携わる姿勢は、作り上げたものを壊し、また積み上げる…とゆー、"賽の河原"を地でいく執念の、まさに"命を削る"地獄のプロセスと言えよう…。(ーー;)

そうして生み出された作品が、何も考えてないはずがない…。(^_^;)

ーだからといって、自分がその難解なエヴァの世界観の考察をしよう…とかゆー気はなく、そーゆーのは、そーゆーのが得意な方に譲る…。(笑)(^_^;)

作品の中の話ではなく、作品世界から一歩、外へ出た…すなわち、単純に作品を見た側としての話を…。(笑)(^_^;)

まあ、エヴァと言えば、ロボットアニメ…。(笑)(^_^;)

ロボットアニメは、『機動戦士ガンダム』という作品によって、80年代以降、リアル・ロボットアニメ路線へと突入。ロボットは軍用の兵器として描かれ、悪の組織や宇宙からの侵略者と戦う、単純な勧善懲悪のストーリーではなく、複雑な人間ドラマなど、大人の鑑賞に耐えうる作品が次々と作られた。

それによって、今まで子どものものだったロボットアニメが、いい年した大人が、いろいろ論じながら見たりするようになった…いわゆる、"オタク"である…。(笑)

(その傾向は、おそらく『宇宙戦艦ヤマト』からあったが、"ロボットアニメ"では、間違いなくガンダムからであろう…。(^_^;))

そのオタク全盛のリアル・ロボットアニメ路線の中、その極みに登場したのが、エヴァなのである。

映像関係の先輩が、"オタクとは『こねる』ことである"…と言ってたが、エヴァはまさしく、好きなだけ"こねられる"作品…。(笑)(^_^;) 

そうして"こねられた"さまざまな考察や解説が、多くのオタクたちからプレゼンされ、自分もそうしたネット上の解説や本、動画など見ながら、その世界観を整理していったクチである…。(笑)

その難解な設定の理解のために、どれだけ多くのアニオタたちが参入していった事か…。(^_^;)

ちなみに大人エレベーターでお馴染み、サッポロ黒ラベルのCMで、庵野監督のこんなやりとりがある…。


ー"わからないと、分かりたいっていう風にその人が動き始める"…。

まさに、アニオタたちは、エヴァの分かりづらさに惹き付けられ、理解しようと、さまざまな解釈を試みてきた。

ディティールに個人差はあっても、アニオタたちの解釈によって再構築されたエヴァの世界は、ある程度の一貫性がある事からも、庵野監督が緻密に作品世界を作り上げていた事がわかる…。

(わかりづらいからいいや…て人も、ある程度はいたと思うが…。(笑)(^_^;))

実際、エヴァにはキリスト教をベースにした神学、神秘学や心理学、生物学、生命科学や量子物理学、さらにはキャラクターの名前にも軍艦や、秘められた意味があると話題になった。

とんでもない情報量である…。(笑)(^_^;)

エヴァを理解しようと、その全知識を動員して動き出したアニオタたちによって牽引された、空前のブームだったことは言うまでもない。

オニオタたちが動いたことで、社会現象が起きた…。

個人的な感想として、エヴァ全シリーズを通して感じてたのは、結局、

アニメとか2次元、自分の中に逃げ込むのではなく、

親や、周りの人、他人といかに関わっていくか、

いかに現実と向き合って生きていくか?

…とゆー前向きなメッセージ…。(ーー)

旧劇場版では、シンジは自我境界のない、すべてが溶け合った人類補完計画の結末ではなく、たとえ傷ついたとしても、自己のかたちを持つ世界を選んだ…。

今回の映画でも、何も知らない綾波を通して、トウジや委員長やケンスケや、サードインパクトを生き残った人々を通して、

生きるということ、

食べるとは、

仕事とは、

生活するということとは…

いかに人と関わり、生きていくか?

リアルに"生きる"とは、どーゆー事か?

さらには、自分を拒み続けた父親とも対峙して、自ら対話しようと試みた…。

「逃げちゃダメだ❗」

…ではじまったエヴァの物語は、最終的には主人公であるシンジが、親や、周囲の人たちや、過去の失敗、現実に逃げずに向き合い、少年から、1人の大人として成長して完結した…。

同時に登場した多くのキャラたちも、何らかのかたちで、みんな救われた…。

その分かりにくさや、ややこしい世界観や設定は、要は舞台装置であって、描かれたテーマは、1人の少年の成長である…。(笑)(^_^;)


「さようなら、すべてのエヴァンゲリオン」

…というセリフを庵野監督は最後に付け加えたそうだが、ラストで、アニメから実写の映像になる演出は、2次元から現実世界へ…とゆーメッセージに他ならない。

センス・オブ・ワンダーを触発されたアニオタたちが、エヴァの世界にどっぷりハマりながらも、その世界を理解しようと自ら動き出し、

人生とは?

魂とは?

生きるということとは…?

…といった根源的なテーマにまで触れ、遂にエヴァを卒業する時が来た…。

"アニメ好きのために作ったアニメ"…とは、自らエヴァを評した庵野監督の言葉であるが、諸事情により、やむを得ず、あーゆーラストで終わらざる得なかったTVアニメ版エヴァのラストでは、そのアニメ好きのアニオタたちから「庵野の殺し方」というスレッドが立ち、それを見た庵野監督は、すべてがどーでもよくなった…と鬱になり、死すらも考えた過去を語った。

それでも、周囲の助けもあって、現実と向き合い、命を削りながら、作品を作り続けてきた。

まさにエヴァは、自らの心血を注いだ集大成の作品であり、今作はその完結編である。

自身もアニメや特撮を愛し、そこに自分の好きなものを全て詰め込んだ作品-当然、そこには、アニオタに、かつての自分の姿を重ねる庵野監督の思いもまた、大いに込められているに違いない…。

「アニメの中だけじゃなくて、ちゃんと現実と向き合わなきゃね」

…とゆー、アニオタの社会復帰(笑)まで見越した、まさに"アニオタ補完計画"ともいうべき作品が、エヴァではなかったか…?

ー今作を見終わったあとに、そうした大きな愛を感じたのは、ひょっとしたら、自分だけではないのではあるまいか…?

そんな事を感じさせられた、拍手もんの大団円であった…。m(_ _)m









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