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介護認定調査 vol.4(書き方)

kintaです。(Twitter)

vol.3までは興味あればどうぞ。調査とは調査手順受け方とそれぞれ分けて書きました。

今回のvol.4では、認定調査票作成のポイント的なことを幾つか書こうかと。

✔調票って?

更新申請が行われると地域によっては(多分大半の保険者でしょうけど)役所直営の調査部門ではなく委託契約を交わしている事業所のケアマネ(入所施設ケアマネも含む)さんが行政から依頼を受けて認定調査を代行します。(新規と区変は直営です)

ここで得た情報はマークシート的なチェック項目にチェックを入れる一次判定用の用紙と二次判定で審査会に掛けた際の材料にもなる概況特記票(調票)に落とし込んで行政に提出する流れです。

ちなみに時々担当ケアマネさんが

「申請したら役所から電話が来ますからね。」

って言うアレ、やめてください。ホントに。

僕の場合は

「恐らく役所ではなく方々のケアマネが調査を代行します。知らない番号から掛かってきますが承知おき下さい💦留守電入れてもらって折り返しでもいいので🙏」

と、この物騒な世の中ですから事前に伝えておきます。役所が来るとは限りません。

話が逸れました…。

多くの調査員さん達がこの調票を書く作業で結構な労力を割きます😱

更新にも大事な役割を占める調票なんですが本来業務と並行するケアマネさんには重いんですよね💦故に数をできないのが現実的なので中々慣れない💦なんていうのも無理はないかと😅

なので僕個人の主観で申し訳ないですがこの調票の時短に繋がればと思ってのvol.4です。

繰り返しですが僕の感覚なので悪しからず。

じゃあ。先にポイントを書きましょうか。

✔書く時のポイント

文字数はできるだけ少なく

どうしても聴き取った話をできるだけ忠実に書きたい!と思われる方もいるかと。

多分その必要は無いです。

無いと言うか、審査で必要とするのは定義に則った特記なので特に注視する部分が無ければ定義に則った内容だけ記載があれば十分です。

例えば、麻痺(1-1)で規定された動作は滞りなく行えたなら

椅子座位にて確認。規定動作可。

これだけで伝わります。ただし両腕が肩まで上げるのが精一杯な場合、洗身動作や整髪部分に影響がある場合があるので、僕の場合は上記に加えて

ただし両上肢は肩の高さまでの挙上。

と付け加えます。

麻痺(1-2)なら問題なければ

座位にて他動確認。制限なし。

これだけです。ただしここも制限はなくとも痛みがあるなどの場合はどこに痛みがあるかは付け加えます。例えば左の膝に痛みがあれば

ただし左膝に痛みを伴う。

と付け加えます。立位や歩行、立ち上がり、片足立ち、移乗、移動などに影響が出る場合もたるので

この方は足が悪いですよ

という情報は印象として植え付けておきます。

他にも支持物に掴まって加重したら自力でできる内容などはそれぞれ

支持物に掴まり加重して行える。掴まれば可。

と書いてます。勿論布団かベッドかなど環境の違いはあるので布団端に掴まりとかベッド柵に掴まり程度の補足情報も入れますが。

でもこの程度の文字数なら苦になりませんよね?ちなみに立ち上がりに関しては「しっかりと加重して」の文言は大事なので抜いちゃダメですよ?

他にも沢山ありますが、問題ない項目は

介助されていない。支持物に掴まり自身で実施可。(2-1 移乗)

とか

介助されていない。口腔、洗顔、整髪の一連を自身で実施可。(2-7~9 口腔、洗顔、整髪)

とか、特に触れなくて差し支えない部分には触れません。

とにかく定義に則った話を文字数少なくまとめ、気になる部分だけ追記します。

強調したい所だけ特記を増やしてメリハリを付ける

上記にもあるように基本は定義に則った内容が記載されていればokです。だって書く必要ないですから。逆にそうするには理由があって…

対象者に対する手間がどこに大きく掛かっているかのメリハリを付けるためにも余計な事は書かないんです。

自分が読み手の時を想像してください。

全項目にゴチャゴチャ書いてある資料を見て読む気になりますか?まして定義に沿わない話が付け加えられている、いわゆる何が言いたいかまとまりのない長文なら尚更嫌じゃないですか?

審査会に掛けられる時間には限りがあります。とても全部なんて事前にでも読むのはしんどい。でも対象者にかかる手間にトコトン焦点を当てたメリハリのある文章ならどうですか?問題ない所はすっとばしてそこに目が止まりませんか?むしろそこが強調されて対象者とその介護者の手間、生活にストーリーが見えませんか?

余計なことは書かず与えたい印象に特化することで読み手に具体的なイメージを作らせるわけです。

例えてみると、脳梗塞で左半身麻痺強度、行動障害としては目立たないが身辺には全般少しずつ介助を必要とする場合のストーリーはこうです↓

左上下肢、肘、手首、足首手指自動不可。
ベッド柵に掴まれば右に寝返りはできるが左を向くことはできない。
左側に傾いてしまい背もたれがないと座位保持ができない。
左半身が不自由なため右上下肢を軸に立位、立ち上がりをする。
屋内掴まりながら歩行はするが左下肢は引き摺り足が上がらない。
排泄時には左側の衣類を上げることが困難で介助される。
衣類脱着も左側の動作は全く行えず介助されている。

等々。勿論具体的にどういう介助がどの位の頻度で行われているかを書きますがこの対象者がどれだけ左半身に不自由を感じていて生活に支障を来たしているか伝わりませんか?

この事を強調するために調票の最初から組み立てていることになります。これは聴取で臨床像を把握した上で書くから成立する形だとお分かりいただけるかと。だから余計な事は書かず①の様に文字数を減らして②の様にメリハリを付けるんです。

形は変わりますが認知症状が主になる方であれば認知症の為に介助しなければならないこと認知症の為に出てきている行動障害、その手間、介護者の負担に焦点を当てます。勿論ここでも文字数は削り訴えたいイメージを尖らせます

実は僕が普段から反復して行っている述べ2,500件を超える作業はこれだけです。

そこまでアホみたく繰り返していると出す所、抑える所、整合性の取れるバランス等々実は結構パターン化されるんです。

難しく捉えすぎなんですよね。結果文字数が増える。

なのでここで一番手っ取り早い解決法は定義を知ることなんだと思います😅💦

✔注意点

とにかく文字数は減らす

繰り返しですが、どうしても聞いた事を書きたくなります。そうすると文字数が嵩みます。嵩めば嵩むほど内容が薄くなります。何を伝えたいのか要点をまとめて書いた方がいいです。

診断しない

調査員さんが診断も下りていない病気や認知症を何となく知っているだけに書いてしまうことがあります。医者じゃないんで止めましょう。その手の話を書く場合は

○○の症状があると聞く。

等、確定せずに症状が出ている事を付け足して置きます。分かりやすい例が認知症です。診断もないのに認知症と書く人がいます。

違います診断がない限りそれは症状や行動が見られるだけです。

間違っても医者になったつもりで書かないことをオススメします。

憶測は書かない

②と似てますが少し違います

基本調査員は医学的根拠を書くなと指導されます。ただ調査員の多くはケアマネです。基礎資格も違いますから中には本当に医学的根拠のある見立てができる方もいると思いますがそこは踏み込んではいけない領域です。仮に関連性を書くとした場合、別々に書きます。例えば

両下肢に強い浮腫がある。心疾患あり高血圧あり腎臓疾患あり等々。あったとしても

関連付けないよう情報としてだけ落ちるよう事実だけを書きます。

読まれて困るような言い回しをしない

これは自分の身を守る為です。

例えば虐待疑いの事例。あくまでも初見ですから仮にその手の話を聞いたとしても全てが事実とは限りません。話を否定はしませんが明確には書きません

書きませんと言うよりは書けないんです。

調票はケアマネがプラン等に活用するために開示できますが、同時に家族等にも求められた場合には開示しなくてはなりません。調査員は誰が行ったか連絡箋を家族や本人に残してきます。書いた人間が誰なのか当然特定できます。更にこの内容が本人、家族も話していないような同席ケアマネ等から聞いた話の場合

とんでもない責任問題クレームに発展します。

なので言い回しを変えられる事や要約できる事など、いわゆる語彙力伝える力は超重要で身を助けます。

迷ったら素直に迷ったと書く

選択はしなくてはなりません。ただ迷うのもおかしくはありません。なので何と何で迷ったかは素直に書きましょう。

✔まとめ

思いつくままにツラツラ書いたので的を射た話になってないかも知れません💦ごめんなさい🙏

特記に書く内容も繰り返していると実は大半が雛形的になります。どうメリハリを付けるかで事例に掛かる手間を表現できるようになります。

あとは

これってどうやって書く?

ってのがあれば具体例挙げてわかる範囲で答えます。気が向いたら聞いて下さい。

以上、勢いで書いてみた4本(vol.1~vol.4)でした。

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