見出し画像

0524_2か月ぶりの娑婆

4月はついに40度を超えることなく、過去最も涼しい1ヶ月。ロックダウンのおかげで空気は澄み渡り、騒音もなく非常に快適に過ごすことができた。もはや、暑くなることはないんじゃないかという期待はキレイに裏切られ40度を超す日々が戻ってきた。やはりインドの夏はこうでなきゃと、どこか安心感がある。

さて、ロックダウン開始から2か月余り経った今、5月18日から「ロックダウン 4.0」という第4フェイズに入った。過去との大きな違いは大幅な経済活動の緩和に踏み切ったこと。財政的な余力の限られたインドでは、もはやロックダウン中の経済的な損失や困窮する国民の生活を支えることは困難で、政府としては苦渋の選択を迫られた形だ。

本日現時点での感染確認数は13万1423人とアジアでも断トツな数値を更新し続けている。もはや上位に残っているのは米国・ロシア・ブラジル・イタリア等の国々のみだ。今後どの程度のペースで上昇をし続けるかは未知数だが、我々としては今後相当な期間日印間の往復が制限された状態が継続することは覚悟しなければならない。また、外務省の危険レベルも5月22日に、レベル3の渡航中止勧告に引き上げられ企業側は駐在員を派遣したり、留まらせ続けることが困難になり始めている。

一方で日常生活は、制限がほぼ撤廃されつつありロックダウン以前の状態に完全ではないが近づきつつある。多くの飲食店がデリバリーサービスを開始し、オフィスへの出勤も可能になっています。この2ヶ月間ほぼ自宅にこもりきっており、3週間前に一度オフィスの様子を見に行っただけ。今朝、久しぶりにコンドの敷地内を散歩した。いつもはベランダをひたすら往復するだけだが、朝の気温が上がる前の風に吹かれて、鳥の声を聴きながらの散歩は何よりも気持ちをリフレッシュさせてくれた。

正直、今誰とも対面しない生活を継続していると、生身の人間を見たり話をしたり出来るだけで相当嬉しいし、外を歩けるという自由が獲得できただけで涙がでるほど嬉しい。極限の環境にいると気持ちが張り詰めていて、もはや感覚がマヒしている(マヒさせて生きている)が、ふと日常が戻ってきた時にやはり自身が渇望していたものであったと自覚し感情が溢れ出てしまいそうになる。

このロックダウン4.0以降、今後全国的な活動制限が課せられる可能性は低くなったと思います。ビジネスとしては制限が少ないのはいいことですが、生活をする環境としては非常にリスクマネジメントが困難な状況です。より自発的に感染を回避し予防していくことが重要になっていくでしょう。

正直、3月に世界で最も厳しいロックダウンを課した際には、これで収束に向かえると思っていました。当時は日本の方が危険度が高いとさえ思っていたのにいつの間にか状況が逆転どころか、全く次元が違う状況になってしまい残念に感じていることは否めません。ただ、今回の事態によって多くのインドの課題も浮き彫りになっている訳で、我々としてはその課題をビジネスに変えていけばいいのだと思います。

これからも困難な状況は継続するとは思いますが、引き続き現地で頑張っていこうと思います。また機会があればなぜ現地に留まり続けるのかも書きたいと思います。

<インド側の状況>
・感染者数:13万1,423例(死亡:3,868例)
・物資の供給状況:水、デリバリー共に通常時と同様
・移動制限:州内はほぼ自由、州境の移動制限も一部緩和
・外出制限:ロックダウン61日目(緩和・オフィス出勤可)
・鈴木のメンタル:久しぶりの外出に涙

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?