見出し画像

ネタバレなしで映画「カメラを止めるな!」を推してみる

思い出し笑いが止まらない。映画館を出て3日経っているのにじわじわと笑いのフラッシュバックが襲ってくる。

友人が頑張ってチケットを取ってくれたおかげで、話題の映画『カメラを止めるな!』を見ることができた。語彙力を疑われてもヨシ。ただひたすら面白くて楽しかった!私と友人は劇場を出たあと「すごいの見ちゃったね!」と興奮のあまり駅と反対方向に歩き続けてしまったことを告白する。そのぐらい夢中になった。

本当はあらすじや大まかな内容を書きたい!伝えたい!でもぐっと我慢。だって絶対に前情報が少ない方が楽しめる映画だから。とはいえ、これくらいは良いよね!?ということで私から言えることは

1、ゾンビは出てくるけれどゾンビ映画じゃない。ホラーがダメな人も多分OK!(グロシーンほぼ無し。なぜなら・・・おっと危ない)
2、一見アングラなB級映画に見えるけど、実は口当たり良い上質コメディ
3、見た後はなぜか爽快感でいっぱい(これが意外!)

公式サイトはこちら。でもしっかり見ないでいただきたい。むしろそれがいい(推奨)。
http://kametome.net/index.html

この作品は少し前からいろんなところで絶賛され始めていて、あまのじゃくな私は「期待しすぎないでおこう」と思っていた。「名物に旨い物なし」という言葉もあるし。それに最初の15分は「あれ?」と違和感を抱いたり稚拙に感じた部分もあったのが正直なところ。

が!!!

最初にその違和感があればあるほどこの映画の虜になってしまうカラクリになっているのだった。恐ろしい。(まさかあの時のアレがソレだったなんて・・・ああ、ネタバレしたい!!でもがまん、がまん。ぐうぅ。)
まんまと術中にハマり、物語が進むにつれ私は思わず手をパンパン叩いて爆笑していた。なお、映画館でそんなオバサン笑いをぶちかましたのは人生初のこと。終電間際の居酒屋でもなかなかやらない(ということにしたい)。

ふっと気づくと私だけではなく、隣の友人も前の人も後ろの人も、劇場内の観客が思い思いに声を出して笑っていた。こんな風景を目にするのは以前住んでいたソウルの映画館以来。以前韓国人の友人が「日本の人はなんで映画館で沈黙を保てるの?」と不思議がっていたけれど、日本の人だってこんなに笑えるんだ!と嬉しくなった。

おっといけない。「笑える」という点ばかりを推しすぎてしまった。この作品の「ヤバイ」部分は、あまたの伏線が一つ残らず鮮やかに回収されてゆくところだ。映画「猟奇的な彼女」に近い「そうきたか!」のオンパレード。ラスト10分はわんこそば並みに絶え間なく襲ってくる「マジか!」に息をつく暇も無い。見た後に覚える”意外なすぎる爽快感”はそのおかげだったと思う。ハチャメチャなシチュエーションに、とても丁寧に作られた物語。

これが映画専門学校のワークショップで作られたものというから驚く。誰もが知る有名な俳優やスタッフが関わっているわけじゃ無い。(失礼!)でもそんなもののは「作品自体の面白さとは何ら関係が無い」ということを証明してくれる。間違いなく、記憶している限りここ数年で最も笑った映画だったのは間違いない(重複)。

見ないと損する、わけじゃないけれど見ると得した気分になれる作品だった。とりあえず、おかわり決定。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?