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味噌味のチョコレートとカンボジア。

味噌汁の味を思い浮かべてほしい。ネギでもいい、豆腐でもいい。
そこにチョコレートの苦みを足してほしい。

どう思うだろうか。

醤油とチョコレート。味噌とカカオ。

発酵食品とカカオは、とてもよく合うのだそうだ。

現に八丁味噌で有名なカクキューさんでは、味噌を使った生チョコレートが販売されている。

思えば、どう考えても味噌の風味と味わいを感じるチョコレートに出会ったことがある。

カンボジア産のカカオが使われ、現地とのフェアトレードで作られたトリュフ。くださったのは、当時通っていた大学の教授。

まさか「うわっ」と反応するわけにもいかず、苦肉の策で「独特の風味がしますね」と返したことをふと思い出した。

間違いなく味噌は使われていなかったが、見た目も味も風合いも、何故か味噌としか思えなかった。現地で作られたチョコレートトリュフだと言われたにも関わらず、だ。

食べたのは私だけでなく、一緒にいた同期も「味噌だ…」という感想を漏らしていたと思う。

その後も、様々な店のチョコレートを口にする機会があったが、同じ印象や感想を抱くチョコレートには出会っていない。

父親が出張先で買ってきたカンボジアのチョコレートを口にすることもあったが、観光地のものらしい甘ったるい代物で、確かにチョコレートだった。

どうしてあれは、味噌の風味になってしまったのだろう。
カカオのせいか。
作り方のせいなのか。

もう一度食べてみたいと、ふと思うのだ。

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