自分の感情に責任を持つ

怒りの感情に支配されてしまう方がいると思います。

私もその一人です。

数年前まで自分が怒るのは周りのせい、環境のせい、他人のせいだと思っていました。幼いころから両親が毎日のように喧嘩をしていたこともあり、怒りの感情を表現するときはモノにあたり、怒鳴ったり、大声を出すことが当たり前だと思っていました。

怒るという行為は自分で選択している。

怒りの感情に支配されない人生を歩むためには、自分が変わることが一番の近道である。そのことを学び初めてから、今はまだそこまで時間は経っていませんが、現段階で学ぶことができたことを書こうと思います。

◆まず、怒ることを自ら選んでいることを認識する。

認知行動療法でも用いられている考え方であるABC理論(アルバート・エリス)をご存知でしょうか。A出来事に対し、Bその人の捉え方があり、C感情が生み出されるという概念です。多くの人はAだから私はCだと感じるというように、Bを飛ばしています。私はまず、自分にそのようなBの捉え方があるのかを認識することから始めました。

たとえば、雨が降っていると気分が憂鬱になる人がいます。雨が降っていると気分は憂鬱になるのでしょうか?雨が降っていても気分が高揚している人はいます。ということは雨である→憂鬱は直結しません。その間には、その人の今までの経験であったり、考え方・価値観があるのです。そして、その考え方が憂鬱を生み出しています。

では、怒りの感情に関してはどうでしょうか。こんな例を考えてみましょう。例えば、人に小馬鹿にされるようなことを言われたとします。人によっては本当に馬鹿にされたと捉える人もいます。人によってはいじられた、おいしいと捉える人もいます。さらには、本当に馬鹿にされたと捉えたとしても腹を立ててしまう人、あなたはそう思うのねと流せる人に分かれてます。

これらの分岐のどれを選択するのかは自由であり、選択権は自分にあるということです。よくイライラしてしまう人は、数ある自分がとるべき行動の中で、イライラするという選択をいつも「自分で」しているということになります。

◆怒るという選択に責任をとる

前項では、怒るという選択を自らしていることがわかりました。

これらの事実から言えることは、他人や環境のせいにしていては何もはじまらないということです。自分が変わらなければストレスからは解放されないということです。

ストレスを与えてくる周りを変えるということは、ありとあらゆる手をつくせば不可能ではないかもしれません。しかし、よくよく考えてみれば周りを変えるってかなり難しいです。他人の頭の中を変えられるのであれば、好きな人に自分のことを好きになれーってしてしまえば苦労はないですね(笑)

好きになれーの話は余談でしたが、電車が遅れたからイライラする、トイレのドアが開けっ放しだったからムカつく、〇〇さんからこんなことを言われたから腹が立つ など…。同じことをされても怒らない人がいるということも事実なので、自分が怒っている状態は誰のせいでもなく自分のせいなのです。

よって、イライラしない人生を送りたいのであれば、周りに変わってもらうのではなく、自分が変わることが必須なのです。(というよりも一番早いと考えられます)

◆怒ることのメリット・デメリット

次は、怒りの感情を持ったときの言動について考えます。

私の例で言えば、「大声で怒鳴る」と「モノに当たる」がメインでしたが、これをされた相手はどう思うでしょうか?私の主張を受け入れたいでしょうか。私も最初から感情に支配されるわけではありません。そもそもこのような状態になるということは、私の主張と相手の主張がぶつかっており、相手もそれなりに譲れないことがあるということです。

相手にも言いたいことがあるのに、怒鳴るなどの威嚇をしたところで相手は主張を変えてくれないことがほとんどです。むしろ反発され、より私の主張を受け入れにくくなります。

(私の場合は、怒鳴る行為そのものを責められてしまい、内容はそっちのけにされてしまう傾向にあります)

仮に私の主張を受け入れてくれたとしてもそれは一時的であり、私に強制されているだけで本人の意思ではありません。根本から解決したとは言えません。

よって、私の怒り方は、この一瞬だけとりあえずしのぎたいなど、一時的に相手に対応してもらいたいというケースのみ有効かもしれませんが、ほとんどがデメリットと言えるでしょう。

◆では、どうすればいいのか

その伝え方(私の場合は怒鳴るなど)で状況が本当に好転するのか?

上記に述べたことを考えると、何となく希望の光が見えてきます。

そこで、私はまず口論になり始めたら、自分が何を相手に求めているのかを考えます。寂しかったのか、適当に扱われたことに苛立ったのか、本を読みたいので家事を今はしたくないのか、などなど。そして、その時の私自身が本当に求めていることをストレートに相手に伝えます。

そうすると、相手が私の意見に耳を傾けてくれる確率が格段に上がりました。それでも、聞いてくれない、あるいは反発を頂くこともあります。

たとえば自己肯定感が低いめの人などは、私はこう思うのでこうしてほしいとか、これをされると私はこんな気持ちになるということを伝えるだけで、自分が責められた気分になりやすいのだと思います。

防衛規制により、無意識に自分をまもるために反撃するタイプの方は確かにいらっしゃいます。それでも、後々に私の気持ちが伝わる確率は、怒鳴るなどの威嚇をしたときよりも高いはずです。

◆まとめ

人はみなそれぞれに意見や考え方が違うこと、そして人は無意識に自分を守るようにできていること。これらの事実から、こちらの意見や考え方を押し付ける形で主張してもほとんど効果がないことが実感できました。

私の場合は、すぐに怒ってしまう自分を何とかしたいと思えたことから、自分の怒りというものと向き合うことで、押し付けても意味がないということを「体感」できたことが大きかったと思います。

何とかしたいと本気で思うことで、何とかなるということを経験できたこともよかったと思います。

今でも感情に支配されることはまだありますが、これからさらに減っていくことを期待しています。

(おわり)



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