今日という1日の価値は。

 ビジネス書を読むと、時間は大切であるという概念によく触れます。お金よりも時間の方が大切であるという考え方は、今までの私にとっては全く馴染みがありませんでした。

 私が生まれ育った家庭は、裕福の度合いで言えば、今の日本においてはごく一般的なレベルでした。そのせいか、お金に関しては節約することを叩き込まれました(親がケチな性格であったことも影響していると思いますが)。その節約の構図は、出費を抑えるために手間を増やすというものでした。例えば、近所のスーパーより一駅隣のスーパーの方が野菜が20円ほど安いから、自転車でそこまで行ってに買ってくる、といったことです。

 私は、この教育があったおかげで、お金を多く消費する癖がついていません。ハイブランド商品を買ったり、同じ物や商品を何度も買い換えることもありません。なので、この教育を受けられたことにはとても感謝しています。

 しかし、お金のために時間を犠牲にする生き方しか知らず、時間の大切さにほとんど気づかずに最近まで過ごしてきました。時間は無限にあるわけではないという認識を、この年齢(30代前半)になるまで意識したことはありませんでした。ここ1、2年でビジネス書系の本を200冊ほど読み、自分にとっての「良い時間を過ごしている割合」をいかに増やせるか勝負のような感覚になっています。

 今まで節約を叩き込まれたことから無駄に消費する考えがないところに、時間をお金で買うという自己投資する考えが加わり、私のお金に対する意識はなかなか良い固まり方をしているのではないかと思います(実際に勉強や資格取得のための講座に何十万とポンと支払ったとしても、パートナーには、お金の使い方が荒い人ではないと思ってもらえています。理解してくれてありがたい…)。

 そこで私が最近勉強になった時間感覚の話について一つ記述したいと思います。能力やスキルの成長曲線についてです。

成長曲線

 一般的に成長曲線というと、このグラフのようになると言われています。初めはなかなか成長がみられず、頭の中で思い描いた理想とのギャップに苦しみ、挫折に繋がってしまうことなどを示されたものです。

 一つの能力を伸ばすためには、よほどの才能がない限りは多くの時間がかかり、耐える期間があります。その後、とある地点から急激に伸び始めるということが赤の実際の曲線からわかります。

 ここで、今から何かの能力を身につけたいとしたときに、今サボる1日はどこにかかってくるのか。それはこの成長曲線で見ると、最後の(右の端)1日がなくなるということになります。私は今の1日を無駄にしてしまったと感じたとき、今日の1日があれば本を1冊読めたなと思います。しかし、人生という長いスパンで見ると(グラフで見ると)、今日の1日を失ったことで最後の1日手前までしか届かないということになります。読書の話でいうと、この最後の1日では、本が1日に10冊は読めるほどになっているかもしれません。人生全体で考えると10冊本を読む時間を失うことになり、こう考えると大損害だと思えます。

 下積みのような期間を経て、成長の波に乗り、一気にスキルアップができるというときの1日はとても価値のある1日であると私は考えます。あるいは時給の観点からすると、今は1000円〜3000円代であったとしても、このグラフの右端の方だと数万円代になっているかもしれません。

 成長は然るべき順序をたどっていくしかないので、今の1日損失は最後の1日損失になってしまします。そんなふうに考えてみると、今この瞬間の時間が、より大切に思えてきます。

(おわり)

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